有機農産物の品質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 08:44 UTC 版)
詳細は「有機農産物」を参照 下表は、有機資材投入・無農薬栽培および有機資材投入と慣行農法との比較を農作物の品質について行った研究とその結果を作物別に示す。 慣行農法と比較した、有機資材投入・無農薬栽培および有機資材投入による農産物の品質変化の比較農産品栽培方法品質変化米有機資材投入・無農薬栽培 デンプンの粘り、Mg/K比、食味が向上した。 無化学肥料・無農薬栽培 収量が10%程度減少した。 有機資材投入 食味、アミロース含量、Mg/K比に差がなかった。 減化学肥料・減農薬栽培 食味と収量に差がなかった。 ニンジン有機資材投入・無農薬栽培 香気成分パターンに差はなかった。 カロチノイド含量に差はなかった。 微弱振動電磁波による評価に差がなかった。 葉中の硫黄とナトリウムが高かった。収量、ビタミンCとビタミンE、αおよびβ-カロチン、N(窒素)、P(リン)、K(カリウム)、Na(ナトリウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、S(硫黄)、Fe(鉄)、B(ホウ素)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)で差がなかった。 官能試験に差があった。ビタミンC、還元糖、アミノ酸含量とその組み合わせに差がなかった。 有機資材投入 カロチン含量と日持ち性が向上した。上物収量に差はなかった。 減化学肥料・減農薬栽培 糖度、ビタミンC、β-カロチン含量に差はなかった。 大根有機資材投入・無農薬栽培 日持ち性、香味で差があった。 香気成分パターンに差はなかった。 近赤外スペクトルで識別可能。 微弱振動電磁波による評価に差がなかった。 有機資材投入 辛み成分が低かった。上物収量に差がなかった。 有機資材(油粕)投入 外観、肉質、歩留まりが向上した。 有機資材(バーク)投入 す入りになった。 収量および土壌の陽イオン交換能が増加した。 減化学肥料・減農薬栽培 グリコシレート含量が低かった。 トマト有機資材投入・無農薬栽培 N、P、K、Ca、ビタミンC含量および官能評価に差がなかった。 官能試験で慣行農法の評価がより高かった。 官能試験で、表面の赤みと旨みとの評価がより高かった。糖度とビタミンC含量がより高かった。リコピン含量とアミノ酸含量に差はなかった。 有機資材投入 外観、肉質、歩留まりが向上した。 食味が良く、貯蔵性が高かった。 栽培年と着果位置による調査成分の変動が大きかった。 果色、糖、酸度、ビタミンCに差がなかった。 ホウレンソウ有機資材投入・無農薬栽培 葉色と硝酸含量に差があった。ビタミンC、シュウ酸、日持ち性、無機成分含量に差がなかった。 官能試験と日持ち性に差があった。 水分、ビタミンC、糖分、硝酸、シュウ酸含量、日持ち性に差がなかった。 有機資材投入 食味に差がなかった。 還元糖含量は高く、硝酸態窒素含量は低かった。 キャベツ有機資材投入・無農薬栽培 収量、ビタミンCとE、αおよびβ-カロチン、N、P、K、Na、Ca、Mg、S、Fe、B、Mn、Zn、Cuで差がなかった。 腫瘍壊死因子(TNF-α)産生誘導とキノンレダクターゼ(肝解毒酵素)活性と関連は認められなかった。 有機資材投入 収量と土壌の陽イオン濃度が増加。 還元糖含量は高く、硝酸態窒素含量は低かった。 外観、肉質、歩留まりが向上した。 レタス有機資材投入・無農薬栽培 N、P、K、Ca、ビタミンC含量と官能的評価に差がなかった。 有機資材投入 糖含量と貯蔵性が高かった。 外観、肉質、歩留まりが向上。 還元糖含量は高く、硝酸態窒素含量は低かった。 ジャガイモ有機資材投入・無農薬栽培 N、P、K、Ca、ビタミンC含量と官能的評価に差がなかった。 有機資材投入 内部品質(ビタミンC・タンパク質・遊離アミノ酸含量、デンプン価、乾物率)に差がなかった。 白菜有機資材投入・無農薬栽培 香気成分パターンに差はなかった。 近赤外スペクトルで識別可能。 微弱振動電磁波による評価に差がなかった。 紫外線の蛍光写真で差がなかった。 葉ネギ有機資材投入・無農薬栽培 葉色と硝酸含量に差があった。ビタミンC、シュウ酸、日持ち性、無機成分含量に差がなかった。 タマネギ有機資材投入・無農薬栽培 フラボノイド含量に差がなかった。 N、P、K、Ca、ビタミンCの含量と官能評価に差がなかった。 微弱振動電磁波による評価に差がなかった サツマイモ有機資材投入・無農薬栽培 香気成分パターンに差はなかった。 クロロゲン含量に差はなかった。 微弱振動電磁波による評価に差がなかった。 近赤外スペクトルで識別可能。 メイズ有機資材投入・無農薬栽培 収量が10%減少したが、タンパク質含量が低下し、アミノ酸組成は変化しなかった。 タイム有機資材投入・無農薬栽培 活性成分含量は作物ごとのばらつきが大きかった。乾燥重量は慣行農法のほうが高かった。 カモミール有機資材投入・無農薬栽培 活性成分含量は作物ごとのばらつきが大きかった。乾燥重量は慣行農法のほうが高かった。 エンドウ有機資材投入・無農薬栽培 N、P、K、Ca、ビタミンCの含量と官能評価に差がなかった。 ペッパー有機資材投入・無農薬栽培 N、P、K、Ca、ビタミンCの含量と官能評価に差がなかった。 イチゴ有機資材投入・無農薬栽培 日持ち性と香味で差があった。 ブロッコリー有機資材投入・無農薬栽培 微弱振動電磁波による評価に差がなかった。 ナス有機資材投入 外観、肉質、歩留まりが向上。 チンゲンサイ有機資材投入 還元糖含量は高く、硝酸態窒素含量は低かった。 温州みかん有機資材投入 収量と糖度が高かった。ただし、病害虫により品質が低下した。酸度、果実重、果実比重、果皮色に差はなかった。土壌物性の改善効果は認められなかった。 茶有機資材投入 官能評価、収量、全窒素含量に差がなかった。 小麦有機資材投入 タンパク質含量が低かった。 収量と土壌物性が向上した。 大豆有機資材投入 収量と土壌物性が向上した。 ネットメロン有機資材投入 遊離アミノ酸含量が低かった。 キュウリ有機資材(油粕)投入 外観、肉質、歩留まりが向上。 有機資材(バーク堆肥)投入 形状不良。
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