暴力による「総括援助」とは? わかりやすく解説

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暴力による「総括援助」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 18:11 UTC 版)

山岳ベース事件」の記事における「暴力による「総括援助」」の解説

12月26日 - 夜、指導部会議から席を外し永田がIとJが接吻するところを目撃したとして、指導部会議で「神聖な『我々』の場をけがした」と2人強く批判する。これを聞いた指導部メンバー怒り露わにし、永田が「どうする?」と皆に相談すると、しばしの沈黙の後、が「殴るか。総括要求されているIがそういうこと黙っているのだから、他にも隠していることがあるはずや。殴ってそれを聞き出そう」と発言。さらには「真に総括させるために殴る」「殴ることは指導である」とし、学生時代剣道試合気絶した時に目覚めた新鮮な気持ちになって全て受け入れられるような状態になった自身経験話し殴って気絶させることによってIにもそれが可能になること強調して殴ることの意味付けをした。坂口は「残酷な提起」と考えながらも「気絶するまで」と決められていたため、酷い事態にはなるまい賛成したという。は殴ることの意味づけを語ると「いつやるか?」と指導部メンバー確認永田が「やるならすぐやろう」と答えたため、指導部メンバーにIとJを起こすよう指示がIを殴ると宣言すると、Fと「自分がいちばん遅れていると感じていた」吉野もIを殴ると宣言した坂東永田やりとり見て自身を「遅れている」と感じ、後のJへの殴打も自らの克服のために行ったという。これを受けて坂口坂東にJを殴るよう指示するが、永田過去にJが脱走未遂をした際に殴られた後に「男の同志殴られうれしかった」と発言していたことを挙げて指導として殴るならJは女が殴るべき」と主張その上で「私は思いっきり殴れそうにないと言った永田に、は「それはそれでいいから」と答えた。Aがに殴る意義再度確認「共産主義化」勝ち取るための新し指導であることを主張するとAはこれを受け入れた。 こうしてIとJが殴られる事が決定された。既に就寝していた被指導部メンバー永田によって起こされメンバー全員2人取り囲んだ中で指導部と被指導部による2人への殴打が始まる。永田はJや実弟である加藤倫教とiにもIを殴らせる。呆然としたまま動けない加藤倫教対し永田1971年3月加藤倫教他メンバーとともに大阪無抵抗のまま逮捕されたことを持ち出し、これを克服するためにも「殴らねばならないと言ったという。IがJと肉体関係をもったことがある告白すると、永田憤慨し坂口坂東がJを殴り永田が「男が殴ると気持ちよくなるから」としてhら女性メンバーにJを殴らせた。しばらく殴られ後で正座させられたJはトイレに行くことを希望するが、はこれを認めず、Jはその場排泄させられた。Iへの追及殴打は夜が明け始めるまで続き結局2人気絶することはなかった)、永田指示によりIは坂東とFと吉野縛られ以後用便にも立たせず放置した永田はIとJに食事を出すように指示12月27日 - 全体会議において気絶しなかったIを「総括できていない現れ」として批判した束縛総括集中させるためと説明し当面IとJに食事与えないことを決定。さらには殴ることを「同志援助」と位置づけ、「報復的に殴った」Jを批判他にもJを批判する者が数名いた。加藤倫教が「殴るということではなく、他に総括させる方法はないだろうか」と述べると、永田は「他に方法があるなら言ってよ」とこれを即座に撥ねつけた。 吉野1970年組織の金を私的に使ったことを告白し自己批判。cとgが昼前にGを連れ榛名ベース帰還すると、Gは意見書について自己批判がGの服装指摘すると、Gは一度シンパ買ってもらったものと報告したしばらくしてからシンパからもらった金銭自分買ったのである訂正した初めからそう言わなかったことを批判し、Gは自己批判した。 指導部会議が始まると、革命左派川島豪との決別暴力的分派闘争迫り革命左派川島豪との決別分派闘争受け入れ、「新党」の結成確認した川島との結びつき強かった坂口最後までこれを受け入れられずにいたが永田促しによって最終的に承諾したは、坂口に対して今後君によくしゃべってもらう」と言い以後永田次いで坂口を特別視するようになり、「共産主義化」観点からいくと批判されるようなことでも永田坂口批判されることはなかったという。 夜の全体会議坂口による「新党結成報告から始まり坂口は「川島銃口を向ける」と発言はIを殴る際に「よくも俺のことをプチブル主義者と言ったな」と言ったKを「同志的な対応のあり方ではない」として批判吉野はI殴打の際途中から殴るのをやめたことを指摘され吉野に「自分も同じ問題があると思ったというとは「だったら余計殴らなあかんやないか」と言った未明まで続いた指導部会議で、新倉ベース残され赤軍派メンバー榛名ベースにいるメンバーより「はるかにおくれてしまっ」ていること、自身はIとJを殴って縛った後だから榛名ベース離れることができない発言榛名ベース到着時にがDらが総括できたと言っていたのを信じていた永田は、新倉ベースにいる赤軍派メンバー榛名ベース呼び寄せることを提案坂東とFがLの運転で迎えに行くことになった12月28日 - はJの束縛決め、Jは朝食後に束縛される永田に対してJがガラス戸見ているのは逃げることを考えているためだと断定し、それを見抜けていないとして永田批判永田は被指導部メンバーに対して新党結成レジュメ作ることを報告。被指導部メンバー達は喜んだが、これを見ていた永田の被指導部メンバー仲良くやろうとする姿勢を「上からの指導ではない」「指導者として正しくない」と批判。これを受けて永田以後指導部メンバーとほとんど会話しなくなった。 坂東F・L新倉ベース出発夕食後の全体会議で、Kは十二十八闘争日和った事、軍が逮捕され時のことを想定して銃の隠匿所を合法メンバー教えたことを追及され自己批判して正座する全体会議後指導部会議は朝まで続きはKが銃の隠匿所を教えたことを敗北することを前提とした敗北主義として批判し、Kの闘争歴から日和見主義問題視した。 12月29日 - はKの日和見主義克服ため十二・十闘争見立ててKを警官役と決闘させることを提起。この警官役に坂口名乗り出決闘が行われるが、Kがほぼ一方的に殴り返され続ける形で決闘終了。「よくやった」()「おやじさん愛称ありがとう」(K)というやりとり見た永田は「すべてを取りしきっているのは自分だといわんばかり」のの「鷹揚さ」とそれに「媚び」ているKに苛立ち、「甘えるな」とKを批判また、この決闘最中にHがその場離れたため、決闘後にそのこと追及すると、Hは「あんなことしてK君立ち直るずがないから」と反論したその後行われた指導部会議最中、KがGに「ちり紙をとって」と言ったのを聞いたは「甘えている」と批判。「総括する態度ではない」として指導部全員でKを殴り立ったまま総括するよう命じ食事与えず用便にも行かせないことにした。他方はKの「決闘」時にIが「頑張れ!」と励ましていたことを評価この頃には「暴力的総括援助」を課せられたメンバー対す総括進展状況判断基準肉体的限界状況下での「態度」に重き置かれるようになっており、事件の終結までこの観点維持された。 買い物に出かけていたGが美容室で髪を切ってきたことを批判し、Gはこれを受けて自己批判。cは「革命戦士として自立するため」としてFとの離婚表明しはこれを「女の革命家から革命家の女へ」なることとし評価する(この時Fは新倉ベース行っており不在だった)。Hも吉野との離婚表明するが、永田反対される。Gは発言受けて革命家女になるために努力する」と発言するが、美容室で髪を切ったことを改め批判され、Gは自己批判する。 (新倉ベース坂東F・L新倉ベース到着坂東は煤で黒くなった顔を洗わずに総括しようとしていたDを見てがんばっている」と感じたという。坂東赤軍派メンバー赤軍派革命左派による「新党」の結成報告し榛名ベースへの移動促すB・D・E総括完了していないというCの発言受けてFの提案によりその場各々総括検討することにする。3人の総括聞いた坂東とFは「基本的に総括できている」と評価し坂東とLが3人を連れて榛名ベース出発。植垣とCは指紋消しのため新倉ベース残り、Fとaは任務のため上京12月30日 - (榛名ベース午前指導部会議において前夜Kの見張りをしていた吉野が「何度も横にならせてくださいと言うなど総括をする態度ではない」と報告はKを縛ることを提起し指導部はKを殴り、立たせたまま縛る。夕方指導部会議の後に全体会議午後、Iの腕にロープ長時間縛られていることによる水泡出来ているのを見た動揺するが、Aとの相談の末、「腕の1本や2本なくなって革命戦士になったほうがよい」と再び態度硬化全体会議においてI・J・K食事与えないことにしたことを報告今後食事与えるかは総括進展状況によるので指導部一任するように被指導部メンバー通達永田はこういった決定指導部会議において話されていなかったため驚いたそうすることがの言う「上からの党建設」であると考え無批判受け入れたという。 Iと共に逮捕されていたdがbとeに連れられてベース帰還。dは取り調べ中に刑事出した食べ物拒否せず飲食したことを自己批判永田はdに対してその夜総括中の者の見張り永田とともにすることを命じただけで、それ以上追及はしなかった。加藤倫教自身の兄であるIとこのdへの扱い是政無抵抗逮捕されたこと、「意見書」に同意したことなど、Iが批判されたこととの共通点多かった)を比べて不公平に感じたという。

※この「暴力による「総括援助」」の解説は、「山岳ベース事件」の解説の一部です。
「暴力による「総括援助」」を含む「山岳ベース事件」の記事については、「山岳ベース事件」の概要を参照ください。

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