改修による強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 23:32 UTC 版)
1980年代後半、KWS(Kampfwertsteigerung=戦闘能力強化)という改良計画が立案された。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} 55口径120mm滑腔砲 砲塔側面の楔装甲 計画は三段階あり、 KWS Iは、既存の44口径120mm滑腔砲を55口径120mm滑腔砲に換装し攻撃力の強化を目的とする。 KWS IIは、隔壁装甲(Schottpanzerung)あるいは楔装甲(Keilpanzerung)と呼ばれる楔形の空間装甲板を砲塔前面の左右と砲塔側面前部の左右の計4箇所に取り付け(砲塔側面前部の左右に取り付けられた隔壁装甲は、外側に90度以上可動である。これは側面の出っ張りがエンジンを着脱する際に障害になるためである)、更に全周旋回可能な車長用熱線暗視サイトを砲塔上に増設し、防御力と索敵能力の向上を目的とする。 KWS IIIは、主砲に140mm滑腔砲を採用するかを決める試験的なものである。 開発の末、先行して実用化されたKWS II改良を行った車両はレオパルト2A5となり、レオパルト2A5にKWS I改良を行った車両がレオパルト2A6となった。KWS IIIだが、実際にレオパルト2のプロトタイプ車両にラインメタル社製140mm滑腔砲(NPzK-140)を搭載した試験車両が作られ実験が行われたが採用されなかった(スイス陸軍でも国産140mm滑腔砲をPz 87 Leo(レオパルト2A4)に搭載し実射試験などを行ったという)。 A4までの車両の砲塔正面装甲が垂直面で構成されていたため、避弾経始上の欠陥と揶揄されたが、特殊砲弾技術が発展した今日において主に使用されている戦車砲弾のAPFSDSは、装甲を傾斜させても跳弾しないため避弾経始は過去のものとなったと言える。ちなみにA4までと同様に垂直面を多用した外観を持つ複合装甲の車両には陸上自衛隊の90式戦車がある。 A5以降の改良型には隔壁装甲あるいは楔装甲と呼ばれる楔形の空間装甲が追加されており、防御効果について軍事評論家から諸説が唱えられているものの、真相は不明である。 A5とA6の違いは、44口径120mm滑腔砲から55口径120mm滑腔砲に換装した事による砲身長の延長である。約1.3メートル長くなった事で砲弾の初速が向上し、有効射程が向上した。また、同時に薬室も強化[要出典]されてより強力な弾薬の使用が可能になっているが、命中精度と砲身寿命は若干低下したとも伝えられている[要出典]。ドイツ陸軍のA5は全てA6に改良する予定であるという。A6およびA6の改良型はオランダ、ギリシャ、スペインも導入している。 A5およびA6への改良により戦闘能力が強化された事は間違いないと考えられるが、重量増加に伴い機動性や航続距離が低下した。また、55口径120mm滑腔砲に換装したA6では、長砲身の扱いに慣れていない頃は森林や市街地での取り回しの悪さが問題視されて当初の評判はあまり芳しくなかった。 1990年代に入り従来のMTU MB 873に替わり、新型のMTU MT 883を搭載したユーロパワーパックが開発された。これは、新規生産車両だけでなく、改修により既存のレオパルト2への換装も可能となっている。 2000年代には輸出向けにIBD社が開発した追加装甲パッケージAMAP(英語版)(Advanced Modular Armour Protection)をA4に導入したレオパルト2A4エボリューションが発表された。AMAPは徹甲弾対策のAMAP-B、成形炸薬弾対策のAMAP-SC、地雷対策のAMAP-MおよびAMAP-IED、砲塔上面用のAMAP-R、装甲の内部剥離を抑える内張りAMAP-Lなどで構成され、これらの装備によって全周囲からのRPG-29に耐えるようになるとされている。ラインメタル社は、これに自社製センサーの導入や空調設備の強化、APUの追加などを加えたレオパルト2レボリューションを開発している。前者はシンガポール、後者はインドネシアで採用された他、トルコにもAMAPを使用した改修案が提案されている。 スイスではPz 87 Leo WE、ドイツではレオパルト2PSOという、低強度紛争(LIC)などにおける市街戦などに対応するための最新改良型が開発されている事からも、本車がまだまだマイナーチェンジに耐えうるゆとりを残している事が伺える。
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