改修と退役とは? わかりやすく解説

改修と退役

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 01:39 UTC 版)

アイオワ級戦艦」の記事における「改修と退役」の解説

戦後世界唯一無二戦艦となったアイオワ級第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争湾岸戦争多く戦歴誇ったが、運用維持には多額の費用がかかるために平時予備役にあることが多くその間アメリカ海軍アイオワ級戦艦巨大な艦体を活用する色々な改修案を計画した最初改修案は、練習艦となったミズーリ以外の艦が予備役となった1940年代末には計画されていた。これは当時艦対空ミサイル実用化巡洋艦ミサイル巡洋艦化を計画していた海軍が、これに準じた構想として未成ケンタッキーミサイル艦化するのだった。しかし、これは実現せず終わっている。 1950年代末には、当時予備役になっていた4隻を再びミサイル艦改装しようという構想持ち上がっている。これは主砲塔全て撤去しミサイル哨戒ヘリコプター搭載するという案と三番砲塔のみを撤去しミサイル搭載するという案があったが、いずれも巨額な費用要するということ具体化しなかった。 1960年代には、支援火力を持つ強襲揚陸艦として改装しようという案も検討された。三番砲塔撤去し海兵隊1,800名を搭載するという案であったその後様々な改修案が検討されたが、ロナルド・レーガン政権下の「600隻艦隊構想」でアイオワ級四隻の近代化及び再就役FRAM I)が行われた。この際に12.7cm連装砲4基が撤去されトマホーク巡航ミサイルの4連装装甲ボックスランチャーが8基、ハープーン対艦ミサイル4連装ランチャーが4基、ファランクス20mmCIWSが4基増設された。 1940年代からたびたび構想化されミサイル運用は、この改装により実現することとなったこの他にも燃料重油から蒸留油に変更レーダー通信施設などの近代化が行われ、その費用最初に改修されニュージャージーの3億3,000ドルからウィスコンシンの5億300ドルまで巨額な費用費やされた。しかし主砲およびその発射管システムについては、主砲関連技術戦後発達せず断絶したため就役時に装備されていた第二次世界大戦時システムが完全退役まで40年継続して使用された。 なお、当時海軍はこれ以外にも三番砲塔撤去し320セルVLS (垂直発射装置) の設置及び格納庫飛行甲板増設しヘリコプターハリアー運用する案や、主砲全撤去VLS搭載する案も構想していた。 アイオワ級近代化された後も湾岸戦争レバノン内戦での作戦活動従事し陸上施設に対して艦砲射撃トマホーク発射行った。だが、以下のような理由によってこれ以上運用する理由なくなった判断された。 対空ミサイル対潜攻撃力持たないため、単艦では行動出来ないこと(先述たように対空ミサイルについてはシースパロー設置検討されたが、主砲射撃時の爆風システムが耐えられなかったことからキャンセルされた) 乗員多く運用費用巨額上ること 骨董品とも言える艦砲発射システムに、熟達したメカニック数名しか存在しなくなったこと すでに各部分に老齢化進行しており根本的な解決困難なこと 最大特徴である強力な主砲陸上施設への攻撃にしか使用できないことトマホークハープーンといったミサイルによる攻撃は本級以外の艦艇でも十分可能) 陸上砲撃のために敵地近距離まで接近する必要があること、またその最中にも陸上から対艦ミサイル攻撃受けた護衛艦により迎撃され命中せず)こと 航空機スマート爆弾導入したことにより、精度の低い主砲必要性低下したこと そもそもの仮想敵であった日本海軍大和型戦艦初めとする各国戦艦は既に存在せず長年の間に戦争抑止力としての意義原子力潜水艦に取って代わられた 冷戦終結後国防予算削減に伴い1992年までには全艦が退役することとなった晩年老齢化により機関出力最盛期より低下し主砲をふくめ各部分にマイナートラブルを抱えた姉妹艦4隻全て記念艦博物館として公開されている。

※この「改修と退役」の解説は、「アイオワ級戦艦」の解説の一部です。
「改修と退役」を含む「アイオワ級戦艦」の記事については、「アイオワ級戦艦」の概要を参照ください。

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