改修に至る経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:35 UTC 版)
本型は、もともと優れた航空運用能力を備えていることもあって、竣工以前より、固定翼機を搭載する可能性が取り沙汰されていた。進水直前の2013年7月14日には、艦載機としての配備・運用も視野にF-35Bの導入が検討されている旨をFNNが報じたが、小野寺五典防衛相は検討の事実を否定していた。また同年の『世界の艦船』誌において、元自衛艦隊司令官の勝山拓海将は、本型は無改造でもF-35Bの発着艦・格納が可能であるとの見解を示し、搭載機数としては、救難ヘリコプターおよび早期警戒ヘリコプターを加えて10機プラスアルファ程度と見積もる一方、艦首に大重量のソナーを備えることから、艦のバランスの問題上、スキージャンプ台の後付は困難であるため、戦闘行動半径や搭載量には相当な制約を伴うであろうと指摘していた。 2010年代後半より、本格的な検討が着手された。2016年12月12日の公募に基づき、2017年4月から2018年3月にかけて、「いずも」の建造業者であるジャパンマリンユナイテッドへの委託研究として「航空運用能力向上に係る調査研究」が実施され、無人航空機(UAV)2機種(MQ-8CおよびRQ-21A)とともにF-35Bも俎上に載せられた。このうちF-35Bについては、UAVとは異なり日米協同・統合運用を想定していたほか、整備用機材や補用品を搭載する諸室や兵装についても検討が及んでいた。2017年12月25日には、将来的な本型での運用も視野に入れて、防衛省がF-35Bの導入を検討していることを共同通信が報じた。その後の議論を経て、2018年12月18日に発表された防衛計画の大綱(30大綱)では「戦闘機の運用の柔軟性を更に向上させるため、必要な場合には現有の艦艇からのSTOVL機の運用を可能とするよう、必要な措置を講ずる」とし、あわせて発表された31中期防では、必要な場合にSTOVL機を運用できるようにいずも型の改修を行う旨が明記された。なお、改修後も同型が多機能の護衛艦として多様な任務に従事することや、憲法上保持し得ない装備品に関する従来の政府見解に変更がないことが確認された。
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