控訴趣意書と答弁書とは? わかりやすく解説

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控訴趣意書と答弁書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:33 UTC 版)

別府3億円保険金殺人事件」の記事における「控訴趣意書と答弁書」の解説

荒木は、一審判決受けて即日控訴した荒木は、控訴理由として、控訴申立書に「昭和五五年三二八日大分地裁判所に於いて死刑判決宣告受けたが、右判決全部不服であるから控訴申立をする」と記した裁判福岡高等裁判所移ったことで、新たに田中義信小野山裕治・有馬毅の3弁護士国選弁護人選任された。一審膨大な記録目を通し控訴趣意書をまとめるのに時間要し弁護団による控訴趣意書提出されたのは一審判決翌年1981年昭和56年)の1月31日であった一審裁判記録は、積み上げると高さ3メートルにおよび、3人の弁護人に渡すための複写費用50万円要したとされている。 5月21日1330分、控訴審初公判開かれ田中弁護士によって控訴趣意書朗読された。この中で弁護団は、事故時に荒木運転してたとする一審認定強く反論し改め法医学自動車工学専門家による鑑定実施求めた。そして、「原審は、証拠取捨選択証拠価値判断誤り、または証拠もとづかない事実認定して有罪判決言い渡したのであるから、破棄さるべき」とし、「本件公訴事実は、これを証明するに足る証拠存在しない」として無罪判決求めた続いて検察官同意裁判長許可得て被告人控訴趣意書弁護人によって代読された。約200ページに及ぶ控訴趣意書の中で、荒木は「確実な証拠はないのに、裁判官予断偏見による悪意により、科学性合理性もない、まったく感情的な判決である」、「故意事実歪曲してまで、無理ヤリ被告人冤罪に落そうとする原審裁判官らのヤリ口は、決して公正たるべき裁判官為すべき事ではなく、全く悪質としか言い様がない」、「原審裁判官らの頭の中でコネ上げただけの、下司勘ぐり論を並べ立てただけのものであり、何ら確証科学的根拠もない」などとして無罪主張した。そして、一審判決触れられ結婚相手として母子家庭未亡人物色した結婚後も同居していなかったことなどについても、「私ども日本国民は、法に違反せず他人に迷惑を及ぼしさえしなければどのような夫婦生活私生活をしようとも全く自由であり、それが人並み異なっているから(あるいは裁判官価値観道徳観異なっているからといって、『これは真面目な結婚ではなく犯罪準備行為である』と言うのはあまりにもムチャクチャな、乱暴な認定である」などと主張した荒木はさらに、運転席にいて助かったとする一審判決助手席にいて助かったという荒木主張のどちらが真実であるかを明らかにするためとして、裁判所あてに『実験検証請求書』を提出事故車両同一同一に近い型式車両の「運転席原審裁判官三人のうち一人乗車させ、助手席被告人乗車させ」て、「事故」現場で海中転落実験実施求めた弁護側の控訴趣意書対す検察側の答弁は、7月7日第2回公判行われた検察側は、弁護側の主張判示一面だけを取り上げて非難したり、一審判決合理的な判断一方的に非難しているだけであり、一審判決事実認定左右するものではないと主張した。そして、母子家庭物色して結婚したり、妻子多額保険加入させたことについては弁護側にもほとんど主張弁明がないことを挙げ、これらはそれだけで十分犯人推認するに足る事実であり、被告人にこれらについての主張弁明がないということは保険金殺人計画準備認めた等しいと述べた検察側の答弁が終わると、荒木は「ただ今検察官答弁に対して釈明求めます!」と声を上げた。手には、荒木自身用意した釈明書が握られていた。裁判長に「控訴審では、被告人直接意見求めることを、認めないことになっている」とたしなめられたが、荒木は「誰のための裁判か」などと言い募ったため、裁判長弁護人代読することを認めた。求釈明書は、母子家庭未亡人結婚した妻子生命保険加入させたことについて「検察官は、被告人のこれらの行為が、わが国法に照らして違法といわれるのでしょうか」、「『合法』であるとするならば、検察官は、国民合法行為をおこなえば、それが殺人犯罪の証拠であり、殺人犯罪を計画したことになるといわれるのか」など、34ページわたって検察側を問いただす内容であった弁護人は、初めて目にした求釈明書の朗読何度読み間違えたが、荒木は「ちがう、ちがう……」「しっかり読んでくれなきゃ困る!」などと叱責した。朗読が終わると、裁判長は「現段階釈明必要がない思われる」と発言し検察側も「答弁するつもりはありません」と一蹴したその後控訴審の審理は、科警研実施した転落実験撮影した映像検証大分地検保管されている転落車両出張検証別府国際観光港現場検証などと進んでいった。

※この「控訴趣意書と答弁書」の解説は、「別府3億円保険金殺人事件」の解説の一部です。
「控訴趣意書と答弁書」を含む「別府3億円保険金殺人事件」の記事については、「別府3億円保険金殺人事件」の概要を参照ください。

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