実況見分
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実況見分(じっきょうけんぶん)とは、日本の捜査機関が任意処分として行う検証である(犯罪捜査規範104条参照)。ここでいう検証とは、法律学上の術語であり、五官の作用によって対象の存否、性質、状態及び内容等を認識し保全する強制処分のことをいう(最高裁判所平成11年12月16日判決・最高裁判所刑事判例集53巻9号1327頁所収参照。詳細は法律学における検証の項目を参照。)。
実況見分の概要
実況見分は、犯罪や事故が起きた場所における犯人、被害者、目撃者その他の位置関係や状況を明らかにする目的で、捜査機関(警察または検察)が実施する。
実況見分の結果は、実況見分調書として記録される。実況見分調書は、文章だけでなく、図面及び写真を添付して作成される(犯罪捜査規範104条3項)。
実況見分調書
実況見分調書(犯罪捜査規範105条参照)は、検証の結果を記載した検証調書と同様の要件の下証拠能力が肯定され、公判における証拠としても用いられる(刑事訴訟法321条3項)[1]。
ただし、実況見分調書を、実況見分に際して被疑者、被害者及びその他の関係者から説明を受けた内容が事実であることや、実況見分において再現したとおりの犯罪事実が存在したことの立証に利用する場合は、刑事訴訟法321条1項2号、同項3号または同法322条1項の要件を満たす必要がある[2]。
注
関連項目
- 犯行現場、チョーク・アウトライン
現場検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:20 UTC 版)
「弘前大教授夫人殺し事件」の記事における「現場検証」の解説
証人調べと現場検証は、1972年(昭和47年)3月27日から一週間にわたって弘前で行われた。裁判官らも同席した現場検証で、Xはかつての事件現場で自ら犯行を再現したが、この際にXは「廊下の幅はもっと狭かったはず」と疑念を呈している。その言葉通り、現場の離れは1961年の改築で縁側の幅が広げられていた。さらに逃走経路の検証でもXは、途中でナイフを捨てようとした井戸は隣の建物の左側にあると主張した。事前の調査で建物の右側だけに井戸があることを把握していた弁護側は、Xの言葉を単なる記憶違いと思いXを建物の右手へ誘導しようとした。しかしXは「右の方は絶対行かないですから、右の方は関係ないですから」とそれを無視して建物の左手を掘り返させ、そこからは隣の家主すら20年間その存在を知らなかった井戸の跡が発見された。 廊下の幅や井戸の位置についての供述に加え、Xの証言は現場周辺の引き戸や踏石の状況、そして被害者と犯人の姿勢、位置関係などが事件当時の記録と一致していた。その一方で証言は、現場の床材や窓の状況、そして犯行後に聞いた叫び声の内容などが当時の記録と食い違いを見せた。
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