現場指揮所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 03:03 UTC 版)
「インシデント・コマンド・システム」の記事における「現場指揮所」の解説
現場指揮所 (Incident Command Post, ICP) は、現場指揮官が常駐し、全ての命令を発する場所である。計画情報部もこの中に設置される。場所は、現場すぐ近くの状況がよく把握できる場所であることが唯一の条件で、空き地、テント、ビルの一室、車の中など、臨機応変に決定される。例えば、2001年9月11日の同時多発テロでペンタゴンへの航空機墜落の際には、ペンタゴンの近隣の空き地に巨大なテントを張って ICP とし、ICS の全ての機能が設置され、指揮が執られた。 災害の大小にかかわらず、設置される ICP の数は一つが原則である。 なお、ICP と市や郡が設置する緊急運用センター (Emergency Operations Center, EOC) との関係が問題になることがある。米国の多数の市・郡・州がそれぞれ独自に EOC を所有しており、緊急事態が発生した場合には役所職員・他の機関の連絡員・市長などが執務するが、原則として EOC は現場の指揮は執らず、市や州全体の広範囲にわたる勢力配分や住民避難などの次のような支援業務に従事する。 現場から要求のあった勢力の手配および待機所への急行の指示 広域避難が必要とされる場合の指示 避難所の設置 ICS 広報官との広報調整 防災放送などによる警報の発令 政治的な問題の調整 上位の組織への支援の要求など(市のレベルで対応していた場合には州に対して支援を要求、州のレベルでも対応できない場合は、相互支援契約をしている近隣の州、それでも対応できない場合は、大統領に支援を要求など) である。しかし、多くの場合、ICP と EOC との調整が悪く、問題が生じている。
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