現場状況と不審点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 09:37 UTC 版)
「徳島自衛官変死事件」の記事における「現場状況と不審点」の解説
自衛官の車の屋根に傷が付いていた。警察側は「事故後、レッカーで移動する際に出来た傷」としているが、レッカー移動でこのような傷が付くことはまずないとされる。 遺体発見位置は、自衛官が飛び降りたとされる橋梁から4.2m離れており、橋からジャンプした場合にこれだけ遠くへ飛ぶ可能性は少ない。この橋梁には85cmもの欄干が存在したことから、事実上助走をつけ、走り幅跳びのように飛ぶことは不可能であり、また立ち幅跳びのジャンプ距離は世界大会出場選手でも3.5m程度である。 飛び降りた橋梁の欄干からは、自衛官の指紋が発見されておらず、前述した欄干の高さから、手を使わず乗り越えられるほど低くはなかった。 車を停車した位置から橋まで、自衛官の足跡が発見されていない。 徳島大学医学部の司法解剖で、死因は転落前に受けた胸部大動脈の損傷によるものと考えられた。当初警察発表では、帰宅途中、事故によりエアバッグが作動したため大動脈損傷を生じたとのことであった。しかし、事故発生場所は自衛官の実家へ帰宅する方角と逆方向にあたり、また警察が発表した衝突事故の現場から遺体発見現場までは8kmの距離があり、エアバッグが作動するほど損傷した車を、しかも長時間運転しなければ遺体発見現場に到達できないこと、エアバッグが作動しただけで大動脈損傷という大怪我を負うのかなど、この発表に対しては問題点が多く指摘されている。その他、遺族が依頼した医師の説明により、橋梁から落ちた際、自衛官は背中からではなく、尻から地面に付いたという見解もある。 警察発表による自殺の原因は「事故を起こし、車が壊れた腹立たしさから」というものである。 司法解剖の結果が判明する以前に、県警から自衛隊に、自殺と断定されたとの連絡が入った。 現場から発見された、本人が着用していたと思われる上着に円状の圧痕があったのを遺族が目撃。しかし、警察が回収して鑑定後、遺族に返却された際には圧痕が消えており、証拠品の取り扱いに問題がなかったか疑問視されるほか、警察側はその後「そのような圧痕はそもそもなかった」と、事実を覆す発表をしている。 現場付近では、たびたび暴走族による暴力行為が目撃されていた。事件発生当日も、自衛官の車とよく似た白いセダン車を、鉄パイプのような棒を振り回して追いかける暴走族が目撃されている。再捜査の段階で現場付近を車で通行した人物、トラック運転手の目撃証言があった。
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