科学性
科学性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/08 16:37 UTC 版)
「ティンホイル・ハット」の記事における「科学性」の解説
金属箔の帽子を着用した人間は脳に照射される高周波の強度を著しく低下させることができる、という発想は科学的にまったく荒唐無稽というわけではない。実際、強い電波を浴びる影響については実証されて久しい。きちんとつくれば、アルミ箔の帽子も人間の体の一部を金属で覆うファラデーケージに近いものになり、そこを通過する電磁波の総量を減少させることができるだろう。とはいえファラデーケージは内部を完全に密閉しているところが、金属箔の帽子と異なる。「帽子」では顔は保護できないし、首から下についても同様である。高校の授業でよくある物理の実験に、アルミ箔のうえにAMラジオを置いて、金属製のバケツをかぶせるものがある。つまりAMラジオは完全に金属に囲われるわけだが、そうするとAMラジオの電波状態は著しく悪化することがわかる。このような電磁波をブロックする効果を金属箔が再現できるかどうかについては、その厚み(特定の周波数に対する導体の表皮深さ)によるといえる。0.5mmのアルミ箔であれば、だいたい20kHz以上の周波数(それこそAM・FMの周波数帯が含まれる)なら放射されても少しはブロックできるだろうが、そういった厚さのアルミ箔は市販されていない。その効果を期待したければ、膨大な枚数のアルミ箔が必要になってしまう。 アルミ箔は、不特定の周波数による電磁放射に対して保護具の役割を果たすという考えも存在する。「電磁波の暴露は健康に悪影響がある」という主張がなされることもあるが、ティンホイル・ハットの有効性について、実験をおこない科学的なエビデンスを得たという論文は存在しない。 1962年、アメリカのアラン・H・フレイが発見したマイクロ波聴覚効果は、電磁波の信号を脳が受けとることでクリック音やブザー音が誘発されて聞こえるというものであるが、この誘発音は側頭葉に(スズ箔ではなく)ワイヤーメッシュを当てることで防ぐことが可能である。
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