判決宣告とは? わかりやすく解説

判決宣告

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:49 UTC 版)

大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件」の記事における「判決宣告」の解説

2001年7月9日判決公判開かれ名古屋地裁刑事第2部石山容示裁判長)は被告人KM求刑通り死刑に、KAHM被告人無期懲役それぞれ処する判決言い渡した永山則夫連続射殺事件の上審判決(1983年昭和58年〉)以降における少年事件における死刑判決第一審では1989年名古屋アベック殺人事件判決1994年市川一家4人殺害事件判決続き3件目だった。 名古屋地裁判決理由で「被告人3人は全3事件被害者への殺意有していたことが認められる。特に長良川事件では被告人KM強固な殺意があった」と認定したが、木曽川事件については「被害者Bを暴行後に殺すつもりで河川敷雑木林放置したが、放置死亡因果関係立証されておらず殺人罪成立認められない」として傷害致死罪適用したその上で本事件欲望感情のまま傷害強盗犯した未成熟少年により形成され集団短絡的場当たり的起こした事件ではあるが、わずか11日間に4人を殺害した例を見ない凶悪事件だ」と指摘した一方、「3被告人役割軽重はない」とする検察官主張退け被告人KM中心的な立場集団推進力になり、犯行主導した」と認定した。そして量刑理由において、被告人KMを「4人殺全ての実行行為者で反社会性顕著KMがいなければ事件起きなかった。事件当時少年で、(現在は)反省兆し表れるようになったことなど情状最大限考慮して極刑やむを得ない」と断罪した一方KAHM被告人については「被告人KMとの共謀共同正犯であるが、KM追従的な立場暴行矯正可能性などの程度KM異なる」として死刑選択回避し無期懲役刑選択した。 『中日新聞』はこの判決を「少年法理念尊重しながらも罪の重大性対し毅然とした態度示した判決」と評したほか、板倉宏日本大学教授刑法)は「犯行時の役割矯正可能性など様々な事情について厳密に判断した妥当な結論。特に実質的な主犯格KM死刑やむを得ない少年凶悪事件には厳しい目が向けられており、今後同様の少年犯罪における量刑考慮する上で重要な先例になるだろう」と評した一方で沢登俊雄國學院大學名誉教授刑事法学)は「本事件のような集団心理下における犯行共謀殺意有無など認定難し面がある主犯格とされたKMも『永山基準』に照らして死刑が妥当か否か法理論的に若干疑問がある」と、3人の犯罪心理鑑定行った加藤幸雄日本福祉大学副学長非行臨床心理学)も「矯正可能性KMには認めなかった一方KAHMには認めた点などで論拠が弱い。なぜ『殺人必然性がない事件ここまで至ったか』を、少年発達集団性問題動機面などについてよ丁寧に真相解明する必要があった」とそれぞれ評した。 また検察官の求刑被害者遺族希望とは異なり「3被告人全員死刑」ではなかったため、被害者遺族からは判決後に「なんだ、これは」「凶悪犯罪歯止めになるような判決欲しかった」「墓前にどう報告すればいいのか」などと不満・憤りの声が口にされた。一方死刑判決受けた被告人KM支援者キリスト教信者)は傍聴席泣き崩れ閉廷後に「死刑ではなく生きて悔い改め続けることが本当償いだ」と発言した土本武司帝京大学教授(元最高検察庁検事)は判決後、『週刊新潮記者取材対し裁判官は『被告人3人は少年』という点に引きずられ、全員死刑にすることを躊躇した。3人の中で最年長だったKMだけが死刑処されたのはそのためだろう」と指摘した

※この「判決宣告」の解説は、「大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件」の解説の一部です。
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