憲法改正要綱とマッカーサー・ノートとGHQ原案とは? わかりやすく解説

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憲法改正要綱とマッカーサー・ノートとGHQ原案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:35 UTC 版)

日本国憲法第9条」の記事における「憲法改正要綱とマッカーサー・ノートとGHQ原案」の解説

終戦後憲法改正着手した日本政府大日本帝国憲法一部条項修正した陸海軍まとめて「軍」とする、軍事行動には議会賛成を必要とする、という規定のみを盛り込んで済ませるつもりであった1946年昭和21年2月8日憲法問題調査委員会松本烝治委員長)がGHQ提出した憲法改正要綱」(松本案)では次の条文となっている。 憲法改正要綱第十一条中ニ「陸海軍」トアルヲ「軍」ト改メ且第十二条規定ヲ改メ軍編制常備兵額ハ法律ヲ以テ之ヲ定ムルモノトスルコト(要綱二十参照) 六第十三条規定ヲ改メ戦ヲ宣シ和ヲ講シ又ハ法律ヲ以テ定ムルヲ要スル事項ニ関ル条約若ハ国ニ重大ナル義務ヲ負ハシムル条約締結スルニハ帝国議会協賛ヲ経ルヲ要スルモノトスルコト但シ内外情形ニ因リ帝国議会召集ヲ待ツコト能ハサル緊急ノ必要アルトキハ帝国議会常置委員諮詢ヲ経ルヲ以テ足ルモノトシ此ノ場合ニ於テハ次ノ会期ニ於テ帝国議会報告シ其ノ承諾ヲ求ムヘキモノトスルコト これに対して連合国軍最高司令官総司令部GHQ)では戦争軍備放棄継続画策されていた。その意思は、憲法草案起草するに際して守るべき三原則として、最高司令官ダグラス・マッカーサーホイットニー民政局長(憲法草案起草責任者)に示したマッカーサー・ノート」に表れている。その三原則のうちの第二原則以下の通りマッカーサー三原則(「マッカーサーノート」)第二原則原文War as a sovereign right of the nation is abolished. Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security. It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection. No Japanese Army, Navy, or Air Force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force. (日本語訳国権発動たる戦争は、廃止する日本は、紛争解決のための手としての戦争、さらに自己の安全を保持するための手としての戦争をも、放棄する日本はその防衛保護を、今や世界動かしつつある崇高な理想委ねる日本陸海空軍を持つ権能は、将来与えられることはなく、交戦権日本軍与えられるともない。 この指令受けて作成された「GHQ原案」(マッカーサー草案)には次の条文含まれていた。なお、この段階では現行の9条に相当する条文は8条に置かれていた。 GHQ原案原文Chapter II Renunciation of WarArticle VIII War as a sovereign right of the nation is abolished. The threat or use of force is forever renounced as a means for settling disputes with any other nation. No army, navy, air force, or other war potential will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon the State. (外務省仮訳) 第二章 戦争廃棄第八条 国民ノ一主権トシテノ戦争ハ之ヲ廃止ス他ノ国民トノ紛争解決手段トシテノ武力威嚇又ハ使用永久ニ之ヲ廃棄陸軍海軍空軍又ハ其ノ他ノ戦力ハ決シテ許諾セラルルコト無カルヘク又交戦状態ノ権利ハ決シテ国家授与セラルルコト無カルヘシ 次のような点でGHQ原案マッカーサー・ノートとは異なる。 マッカーサー・ノート第二原則第2文even for preserving its own security自己の安全を保持するための手段としてさえも)」に該当する部分削除された。これはすべての国は自国を守る固有の権利有しており、自衛権存在行使明文否定することは不適当であるとGHQ原案作成あたった運営委員会法律家らが考えたためとされるマッカーサー後年回想録の中で憲法9条自衛権まで放棄したものではないと述べている。 「The threat or use of force武力による威嚇又は使用)」の文言加えられた。これは前年国際連合原加盟国によって調印されていた国連憲章2条4を受けたものとされている。 「forever永久に)」の文言加えられた。 マッカーサー・ノート第二原則第3文に該当する部分については修正ののち前文2項冒頭回されることとなったマッカーサー・ノート第二原則第4文に該当する部分については段落分けないこととした。 「other war potentialその他の戦力)」の文言加えられた。これは第一次世界大戦以後戦争国家総力戦となったことを意識したものとされている。 「any japanese force日本軍)」から「the state(国)」に文言それぞれ変更された。 なお、GHQ案の第一次案では二段構成から一段落構成改められていたが、最終案では二段構成戻されている。

※この「憲法改正要綱とマッカーサー・ノートとGHQ原案」の解説は、「日本国憲法第9条」の解説の一部です。
「憲法改正要綱とマッカーサー・ノートとGHQ原案」を含む「日本国憲法第9条」の記事については、「日本国憲法第9条」の概要を参照ください。

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