広州「陽泉酒家」
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チョウユ(周瑜) 声 - 大塚明夫 / 下山吉光 メイリィの父親で陽泉酒家副料理長。マオの師匠。特級厨師でその腕前は広州でも随一と言われており、陽泉酒家内でもルオウから全幅の信頼を受け、一切を取り仕切っている。 過去の特級厨師試験では「粥で青春を表現する」というテーマに挑んだ。特級厨師の身分を表す紋章は外套にあしらわれている。 マオがリー提督からの推薦で陽泉酒家に入門する際、その推薦状で鼻をかみ、さらにマオに課した最初の課題でマオが作った「青梗菜炒め」に一切手をつけない(陽泉酒家の通過儀礼)など冷徹な一面を見せるが、内心ではマオたちの成長を願っており、入門後は刀工と火工を徹底的に叩き込む。 京劇役者のような強面の大食漢であり、登場する時は何かを食している事が多い。広州大食い選手権10年連続覇者「大食い仮面」としての顔も持つ。腕っ節も強い。普段は寡黙で余計なことは話さず、必要なときのみ口を開く(ルオウ曰く「口下手」、リエン曰く「無口すぎる」)。自他共に厳格な性格な一方で、娘のメイリィとマオが親密になり過ぎるのを心配するような描写もある。 「料理人の使命は人々を幸福にすること」「料理人はどれだけたくさん切ったか、どれだけたくさん炒めたか、そしてどれだけたくさん食ったかだ」という信念をマオに語る。 実力は相当なもののはずだが、主役であるマオを動かせなくなるという事情から、闇討ちや毒を盛られるといった妨害工作によりマオに後を任せる展開が描かれた。伝説の厨具探索の旅でもルオウによれば誰よりも行きたがっていたが、ルオウと共に広州を裏料理界から守護するため、愛弟子のマオら一行に託した。しかし紫禁城での最終決戦時には、マオの危機に第一の伝説の厨具「永霊刀」を持って馳せ参じ、仲間たちと共に満漢全席を作り上げる。 番外編と原作8話によると、市場に行きつけの屋台があり、そこで出される大好物のロース麺3人前を朝食としている。またワインも好物としている。 ルオウ(羅鋈)大師 声 - 石森達幸 / 辻親八 陽泉酒家総料理長で広東厨師連合ではクァン長老に次ぐ次席長老。特級厨師。現在は高齢により厨房で腕を振るうよりも指導的な立場に立つことの方が多く、普段は酒に酔って気ままに外出するなど飄々としているが、その技量は今もって健在(作中で自ら東坡肉を料理して出しており、食べた皆に絶賛されていた)。服装に関しても普段はラフだが、広東厨師連合次席長老としての職務の際にはきちんと着替えており、その時はしかるべき威厳を醸し出している。アニメ版『中華一番!』では大宇宙焼売の中身を確かめるために牛の首をも切れる「牛魔刀」を使用した(原作では普通の包丁)。 陽泉酒家の切り盛りは基本的にチョウユに任せており、自ら出ることはほとんどないが人望も厚い。店が焼け落ちてしまったときも、まず何よりも料理人たちの無事を喜ぶなど器も大きい。 彼の意向により、陽泉酒家の伝統は「伝統を覆す事」という大変ユニークなものとなっている。曰く、「この店には守るべき味は存在しない。常に創意工夫を持って古き味を打ち破る姿勢こそ陽泉酒家の料理人に相応しい」とのこと。 裏料理界との戦いを決意したマオたちに伝説の厨具の存在を教え、旅立ちを促す。 メイカ 声 - 木村佳乃、徳永悦子 / ちふゆ チョウユの妻にしてメイリィの母親。故人。 リエンが想いを寄せていた人だったが、彼女は既にチョウユと恋仲で、将来を堅く誓い合っていた。リエンの純真すぎる恋心を傷つけるのを恐れ本当のことを言い出すことができず、そこへ父親(メイリィの祖父にして、陽泉酒家の先代総料理長)の干渉を受けてしまう。頑固で厳格な父親は、チョウユにメイカを任せられるかを試すために「龍蝦三争覇」をリエンとチョウユの間で開催させ、「勝った方をメイカと結婚させる」と宣言してしまった。二人は「龍虎」と称えられており『真剣勝負すればどちらが勝つか分からない』とまで言われていたこともあり、思い詰めた挙句、メイカはチョウユを勝たせたい一心からリエンに痺れ薬を用いてしまう。後に彼女の行いを知ったチョウユもあえて真実を語らず、リエンの憎しみを一身に引き受けることにしたが、これが更なる禍根と悲劇を招くこととなってしまった。 チョウユと結婚後も気が晴れることはなく、根が優しい彼女はますます自分を責めてしまう。一連の行為は心労となって徐々に己の身を蝕ばみ、メイリィを出産後、病に倒れ二度と回復することはなく早逝する。亡くなる直前まで悔い続け、チョウユに「リエンに会うときがあったら、真実を伝えてほしい。そして、ごめんなさいと伝えて」と涙を流して頼んでいた。 サンチェ / タン・サンチェ(唐三傑) 声 - 阪口大助→岩永哲哉 / 岡本信彦 上海の老舗「龍鎮酒家」の御曹司。陽泉酒家でのマオの兄弟子。陽泉酒家時代はバンダナを巻いていて雰囲気も子供っぽかったが、龍鎮酒家で再出発するようになってからはバンダナを外し、顔つきも精悍になった。 怠け者でマオに刀工の仕事を押し付けるが、それは実家での修行中の事故による刀工恐怖症で包丁が握れなかったためであった。自分は料理人にはなれないと諦めていたが、実は夜中に火工の猛特訓をして料理への想いをぶつけていた。マオに押し出される形で追放されかけるが、陽泉酒家に残留するため、マオと協力して青椒肉絲の課題に合格し、チョウユに刀工を一から教えてもらえる機会を得る。しかし、料理人として再出発を図るため、あえて何も教わらず上海にある実家の「龍鎮酒家」に戻った。 その後、自力で刀工恐怖症を見事克服し、上海にて若手料理人のホープと目されるまでに成長。その刀工技術も、刀工超人の異名を持つレオンすら驚愕させるほどになる(サンチェの作ったチンジャオロースの具材の切り揃え方を見たレオンは、マオと戦った後にもかかわらず「これほどの刀工ができる者を、自分以外には知らない」と感嘆している)。それでも「マオの足元にも及ばない」と謙虚な心持ちであった。裏料理界に父親を人質にされたことから、マオの仲間として「宴席料理決戦」に参戦。第一試合のロウコとのスープ勝負では、宴席料理の本質を的確に見抜き、勝利を収めた。その後、マオの旅には同行しなかったが、紫禁城での最終決戦時、マオの危機に第二の伝説の厨具「転龍壺」を持って馳せ参じ、仲間たちと共に満漢全席を作り上げた。 『中華一番!極』では、店を切り盛りしつつ、石化した「転龍壺」を管理していたが、自身が触った際にヒビが入ってしまう。水鏡に相談したところ、転龍壺の継承者に選ばれた故の出来事だとし、旅に出るよう促される。 アニメ版『中華一番!』では、陽泉酒家に来る前の龍鎮酒家時代の話が追加されており、父親に厳しく育てられ、母親から「お父さんは、サンチェに期待しているからこそ、厳しくしている」と論されながらも納得できずに気が緩んでいた時に刀工恐怖症になる事故が起き、父親は心配するどころか、罵声を浴びせてきた為、家出をしたことが描かれた。
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