岩倉駅 - 新鵜沼駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:47 UTC 版)
岩倉駅を出るとS字にカーブして北上する。国道155号(旧道)の踏切を越え、名神高速道路をくぐる手前に石仏駅があり、さらに北上する。このあたりはもともと田園地帯で当線では最も線形が良好な区間であり、特急や急行(6000系を除く)は最高110km/hで快走する。 石仏駅の北方で一宮市を少し通ったのちに江南市に入り国道155号(バイパス)と立体交差した後にあるのが快速急行停車駅の布袋駅である。布袋駅は2020年(令和2年)に高架化され、布袋駅前(西口)からは江南駅前(西口)経由で江南厚生病院行きのバスが発着しており、また布袋駅は上下両方向に折り返し可能な構造のため、電車の運行見合わせの時の折り返し駅にもなっている。布袋駅北東の線路隣接地に愛知県立尾北高等学校があり、尾北高校の脇を抜けて北上すると西方にコンクリート製の大仏が見える。これは布袋の大仏で、個人が所有する大仏ではかなり大きい部類に入り東大寺のそれより背が2m高い。市街地に入り右にカーブするとミュースカイ停車駅の江南駅である。江南駅は江南市の中心駅で、駅勢圏が江南市の過半のほか一宮市東部や各務原市南部、大口町西部・中部に及ぶ犬山線では乗降客数が最も多い駅だが、市街地の中のカーブの途中の駅なので駅設備は小規模で待避線・折り返し線は無く、上下両線が同じホームを使っていて混雑が激しい。江南駅から徒歩圏内に愛知県立江南高等学校と愛知県立古知野高等学校、私立の中高一貫校滝中学校・高等学校(滝学園)があり、駅前(西口)から愛知江南短期大学のスクールバスや江南自動車学校の送迎バス、病院敷地内に看護学校を併設している江南厚生病院行きの名鉄バスが発着しており、高校生・短大生・看護学生などの利用が多い。このほかすいとぴあ江南(江南厚生病院経由)、布袋駅、江南団地、名鉄一宮駅バスターミナル行きのバスも江南駅前(西口)から発着している。江南駅から右にカーブしたのちはしばらく直線が続き、江南自動車学校を過ぎてしばらくすると扶桑町に入り、快速特急停車駅の柏森駅である。最近までは地上駅であったが橋上駅舎に改築され、バリアフリー化された。柏森駅は扶桑町内に有るが、大口町の町境に近く、町内には駅の無い大口町の玄関口の役割ももっていて、大口町内のコミュニティバスが柏森駅南駅前から発着している。左にカーブしながら柏森駅を発車すると前方には各務原の山が見え、しばらくすると快速急行停車駅の扶桑駅、右にカーブして直線区間の木津用水駅となる。ここから犬山市に入り上り坂になる。カーブして坂を上りきったところに犬山口駅がある。 犬山口駅から左へカーブして小牧線・広見線が合流すると犬山駅である。犬山駅は3面6線の構内で犬山検車区も広見線側に併設されていて、駅西口には名鉄の運転士・車掌の事務所も設置されている運転上の拠点であり、列車が頻繁に発着する。犬山線の普通列車は犬山駅を始発・終着とするものが多く、地下鉄鶴舞線直通列車も犬山駅以北には通常は運行されない。また、各務原線名鉄岐阜駅発着の列車も名古屋方面からの直通は少なく、犬山駅を始発・終着とするものが多く、小牧線平安通駅発着の全列車、広見線新可児駅発着の多くの普通列車も犬山駅を始発・終着としている。つまり犬山駅は4方向の列車の始発・終着駅としての機能を有している。犬山駅は犬山市の中心駅であるとともに観光の拠点駅となっており、駅東口から明治村、リトルワールド、日本モンキーパークへのバスも発着し、駅西口から犬山城への徒歩街道(犬山城下町通り)も整備された。 犬山駅を出ると2分ほどでミュースカイ停車駅の犬山遊園駅に到着。元々は日本モンキーパークへのアクセス駅で2008年12月までモンキーパーク園内行きの犬山モノレールが発着していたが、老朽化のため廃止され、モンキーパークへのアクセスは犬山駅東口からバス利用となっている。成田山(名古屋別院)、犬山鵜飼乗船場、および名鉄犬山ホテル(現在改築中)へは犬山遊園駅から徒歩。犬山城へも同駅から木曽川沿いの桜並木道(犬山ホテル北側)などを通って徒歩で行ける。また、犬山遊園駅では必ず同じホームに同じ方向の列車が発着するので、新鵜沼駅 - 名鉄名古屋駅方面の列車と犬山駅 - 名鉄岐阜駅方面の列車との乗り換えにも用いられる。さらに進むと犬山橋で木曽川を渡る。この橋はかつては路面電車のように道路に線路が敷設されていて、しかもその道路は1975年3月の名濃バイパス(国道41号現道)の開通までは、名古屋市から高山市などを通って富山市とを結ぶ国道41号線であった。列車の通行が車の通行の妨げとなり、また車の渋滞で列車の通行の妨げとなることも多かったが、2000年3月道路専用橋「ツインブリッジ」の完成により、旧橋は鉄道専用の鉄橋になった。専用化後は大改装が行われ、道路上に線路が敷設されていた当時の面影はほとんど残っていない。犬山鵜飼船は両橋の下をくぐって運行されている。 犬山橋を渡り終えると岐阜県各務原市に入りまもなく新鵜沼駅に到着する。2010年までは駅手前からJR高山本線へと繋がる単線の連絡線が右に分岐していた。この線路は2001年に運行取りやめとなった名古屋 - JR高山駅間の直通特急「北アルプス」が1日1往復通っていた。連絡線は「北アルプス」廃止後もしばらく残されていたが、現在は線路やポイントなどが完全に撤去され、線路跡地はホーム増設用地および道路用地と建売住宅用地に転用され、当時の面影は残っていない。「犬山線」としては新鵜沼駅が終点で、名鉄名古屋駅方面から来たミュースカイ、特急や急行などの多くの列車がこの駅で折り返しているが、犬山駅発の急行や普通は早朝の一部を除いてそのまま各務原線へと直通していく。逆に各務原線から新鵜沼駅に到着した列車は、そのまま犬山駅方面に運行され、各務原線も犬山駅が運行上の起点・終点となっている。
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