方面別案内
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:14 UTC 版)
名鉄では、旅客案内上「方面」名称を多用する。これは名鉄名古屋駅を中心として広がる路線網の展開する地域ごとに区分けしたもので、警察や軍隊における「方面」(方面本部、方面隊など)に似た概念である。これは前述の通り路線にかかわらず名鉄名古屋駅を直通する運転形態を重視している事情による。2000年代中ごろまでの路線図には、路線名ではなく方面名称が記されていたほどであり、沿線住民にも浸透している。名鉄の鉄道路線図は名古屋本線を除きこの方面ごとに色分けがなされてきた伝統があり、現在の名古屋本線以外の路線色(ラインカラー)はおおむね方面の色に由来する。三河線の路線色が知立を境に異なるのはこのためである。ただし、名古屋市営地下鉄上飯田線直通開始後の小牧線は独自色となっている(近年のラインカラーの変遷は日本の鉄道ラインカラー一覧#名古屋鉄道を参照)。こうした案内手法をとる日本の鉄道事業者は少なく、西日本旅客鉄道(JR西日本)の路線記号制(2014年 - )や京王電鉄の「ゾーンカラー」がやや似ている程度で後者は短期間で廃れている。 現在の路線図は路線名記載となり「方面」の使用は減少傾向にあるが、方面表記を主体とする路線図は名鉄名古屋駅の中央改札口前などにみられる(2018年現在)。 名鉄名古屋駅に掲示された方面表記案内図方面主な駅(◇表記)所属路線■岐阜 名鉄岐阜駅・笠松駅・名鉄一宮駅・国府宮駅・須ヶ口駅 名古屋本線 ■新羽島 新羽島駅 竹鼻線・羽島線 ■津島 津島駅・弥富駅・玉ノ井駅 津島線・尾西線 ■名古屋 名鉄名古屋駅・金山駅・神宮前駅 名古屋本線 ■犬山 上小田井駅・西春駅・岩倉駅・江南駅・犬山駅・新鵜沼駅・西可児駅・御嵩駅・小牧駅・上飯田駅 犬山線・各務原線・広見線・■小牧線 ■中部国際空港 太田川駅・常滑駅・中部国際空港駅・東名古屋港駅 常滑線・空港線・■築港線 ■内海・河和 知多半田駅・富貴駅・内海駅・河和駅 河和線・知多新線 ■豊橋 鳴海駅・前後駅・知立駅・新安城駅・東岡崎駅・国府駅・豊橋駅・豊川稲荷駅 名古屋本線・豊川線 ■豊田市 豊田市駅・梅坪駅・猿投駅・赤池駅 三河線(山線)・豊田線 ■碧南 刈谷駅・碧南駅 三河線(海線) ■西尾・蒲郡 西尾駅・蒲郡駅 西尾線・蒲郡線 ■瀬戸 栄町駅・大曽根駅・尾張瀬戸駅 瀬戸線 上記とは逆に同一路線でも運行形態が分断されている場合、同一路線を線区別に分ける際に「方面」が用いられることもある。かつて公式サイトでは三河線、尾西線、広見線が方面別に路線が区分されていたが、2019年3月現在は駅名による区間表記に改められている。 線内区分としての方面表記の一例(2018年3月当時)路線名方面路線記号区間三河線 猿投方面 MY 猿投駅 - 知立駅 碧南方面 MU 知立駅 - 碧南駅 尾西線 弥富方面 TB 弥富駅 - 津島駅 津島方面 BS 津島駅 - 名鉄一宮駅 玉ノ井方面 名鉄一宮駅 - 玉ノ井駅 広見線 新可児方面 HM 犬山駅 - 新可児駅 御嵩方面 新可児駅 - 御嵩駅
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