対外貿易と投資
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 09:22 UTC 版)
「ウズベキスタンの経済」の記事における「対外貿易と投資」の解説
ウズベキスタンの対外貿易政策は輸入代替に基づいている。高度に規制された貿易体制に基づいた複数の為替レートを運用するシステムは輸出入において1996年の45億ドルから2002年の30億ドル以下へと貿易額を減らすこととなった。2003年に通貨の安定、自由化に成功したことで2003年以降は輸出入額は急激な増加を示しているが、輸入額はさほど急速には伸びていない。輸出額は2011年までに2倍以上となる155億ドルにまで増加したが、輸入額は65億ドルにとどまっている。これは政府の外貨準備高を維持するために導入された輸入代替政策を反映したものとなっている。厳しい課税、散発的な国境封鎖、そして国境を超える際の「手数料」は消費者製品と資本設備の合法輸入両方に負の影響をもたらしている。ウズベキスタンの農家は収穫時期に量の多いトマトや野菜をカザフスタンで高価格で販売する機会を奪われている。代わりに、彼らは地方の市場において低価格で製品を販売するか、賄賂を国境警備隊と税関職員に払って「輸出」を続けることを強要されている。ウズベキスタンの消費者は通常、キルギスから国境を超えて入ってくる低価格の中国の製品に触れる機会を奪われている。ウズベキスタンの伝統的な貿易相手国は独立国家共同体 (CIS) の国々であり、特にロシア、ウクライナ、カザフスタンといった国々との貿易額は全体の40%以上を占めている。非CIS諸国の国々との関係も重要性を増しており、トルコ、中国、イラン、韓国、EUとの貿易が活発である。2011年時点において、ロシアはウズベキスタンの主要貿易国となっている。 ウズベキスタンは世界通貨基金 (IMF)、世界銀行、アジア開発銀行、欧州復興開発銀行のメンバーである。世界貿易機関においてはオブザーバーの地位にあり、世界知的所有権機関のメンバーでもある。ウズベキスタンは投資紛争解決国際センター、工業所有権の保護に関するパリ条約、標章の国際登録に関するマドリッド協定、特許協力条約にも加盟、合意している。2002年、ウズベキスタンは知的財産保護の欠乏という理由により、再度特別「301」観察リストにのることとなった。 EBRDの遷移指標によると、ウズベキスタンの投資状況はCIS諸国において悪いままであり、CIS諸国においてウズベキスタンより投資状況の悪い国はベラルーシやトルクメニスタンの2カ国しかない。投資状況の劣悪さは外国投資家による投資の先細りの原因となっている。ウズベキスタンは国民一人ひとりにおける直接投資がCIS諸国最低であると考えられている。ウズベキスタン独立以降、アメリカ合衆国の企業は約5億米ドルを投資してきたが、投資家の信頼の低下、圧力、通貨の兌換性の問題などにより、数多くの国際投資家がウズベキスタンを離れる、もしくは離れることを考慮に入れている。2005年、中央銀行は現地通貨規則を破ったという不明確な証拠のもとに新生銀行Biznes Bankのライセンスを取り消した。このライセンスの取消により急速な破綻を招き、顧客の貯蓄預金は2ヶ月間差し止められた。上記の理由は2ヶ月の期間中、何の関心も示されなかった。2006年、ウズベキスタン政府はニューモント・マイニング(英語版) (当時最大のアメリカ合衆国の投資企業) をムルンタウ金鉱(英語版)に関する合弁会社から排除した。ニューモントと政府は後に和解したものの、この行動は外国投資家に対するウズベキスタンのイメージを悪化させることにつながった。政府は同様のことをイギリス企業のOxus Miningに対しても試みた。アメリカの電気通信会社Coscomは他の外国企業と行なっていた合弁会社の株式を売り払った。GMの韓国の子会社であるGM-DATはウズベキスタンにおいて2年以上ビジネスを行なっている唯一の有名企業である。この企業はウズデウオートと、韓国車種の自動車を輸出用及び国内用に組立を行うジョイントベンチャーを行うことで合意した。他に大規模なウズベキスタンへの投資を行なっているアメリカ合衆国としては綿花栽培トラクター製造を行うケースIHがある。コカコーラはタシュケント、ナマンガン、サマルカンドに生産工場を置いている。テキサコはウズベキスタンの市場において販売される潤滑油の製造を行なっている。また、ベイカー・ヒューズ(英語版)は石油や天然ガスの開発を行なっている。
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