嫌気的解糖とは? わかりやすく解説

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けんきてき‐かいとう〔‐カイタウ〕【嫌気的解糖】

読み方:けんきてきかいとう

生体内酸素利用せずに糖(グルコース)をピルビン酸や乳酸などに分解しエネルギー産生する反応過程酸素がある好気的条件下ではピルビン酸まで、酸素がない嫌気的条件下ではさらに乳酸やエタノールなどに分解されるエムデンマイエルホーフ経路。⇔好気的解糖

[補説] 解糖酸素がある好気的条件下でも行われるが、細胞酸素十分に供給されているときは解糖反応速度抑制され酸素不足する亢進する


嫌気呼吸

(嫌気的解糖 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/27 08:31 UTC 版)

嫌気呼吸(けんきこきゅう)とは、ヒトなどでよく知られている好気呼吸と異なり、酸素以外の物質を最終電子受容体として利用する呼吸(細胞呼吸)の総称である。好気呼吸と同様に、電子伝達系酸化的リン酸化過程によってATPを合成する。同様に嫌気的な過程である発酵とは、その点で異なる。

発酵との違い

細胞がATPを合成する主要な代謝経路のうち解糖系は酸素を必要としない嫌気的な反応である。解糖系が持続的に進行するためには、その間NAD+から生成されるNADHを再度NAD+の形に戻す必要がある。ヒトなどの好気呼吸のできる細胞ではこのNADHは電子伝達系において酸素を最終電子受容体として利用することによりNAD+に変換することができる。酵母などにおいて、酸素がない時にはNADHを別の方法で変換し解糖系を持続することが可能であり、その時、電子伝達系を利用せずアセトアルデヒドなど有機物を電子受容体として利用する反応が発酵反応である。発酵ではNADHはさらなるATP合成に利用されていない。これに対して嫌気呼吸では酸素以外の物質を電子伝達系の電子受容体に利用することにより、NADHをATP生産に利用する。

嫌気呼吸の種類


硝酸塩呼吸

嫌気条件下で硝酸塩を最終電子受容体として用い、一酸化窒素亜酸化窒素窒素などを放出する代謝系である。脱窒反応脱窒ともいう。無機窒素化合物を用いる代謝系には異化的硝酸還元および同化的硝酸還元の二つが存在するが、硝酸塩呼吸とは前者を指す。

硝酸塩呼吸は電子伝達系を用いる反応系であり、NADHの酸化を行い電子ユビキノンに伝達し(呼吸鎖複合体I)、キノールの酸化を行ってシトクロムcを還元する(呼吸鎖複合体III)。この際プロトンポンプ機構およびスカラー反応によってプロトンが膜外に放出され、ATP合成酵素にてプロトン濃度勾配を用いてATPが合成される。還元型シトクロムcはその後呼吸鎖複合体IVによって酸化を受けず、硝酸塩呼吸に特有な酵素群の反応への電子供与体となる。

硝酸塩呼吸に特有な反応とは以下の反応である。

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