娘と私とは? わかりやすく解説

娘と私

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/04 09:01 UTC 版)

娘と私』(むすめとわたし)は、獅子文六[1]による小説。

主婦の友1953年1月号から1956年5月号まで連載された。獅子文六にとって初めての私小説で、ストーリーはもちろん、登場人物名もほぼ実在のモデルに準拠している。1958年NHKでラジオドラマ化された後、1961年4月からは連続テレビ小説第1作としてテレビドラマ化された。その後も、1962年には映画化も行われたほか、フジテレビでもテレビドラマとして放送された。

あらすじ

「私」は演劇を学ぶために留学したパリで現地の娘・エレーヌと結婚、帰国後に一人娘・麻里が生まれる。エレーヌは病に倒れ、フランスへ戻ってそこで没する。「私」はその後、麻里との2人だけの生活を経て再婚。戦中・戦後を経て、やがて麻里は結婚する。

作中には『悦ちゃん』『海軍』『てんやわんや』『自由学校』など、それまでに発表された作品の執筆時のエピソードも描かれている。

書誌情報

ラジオドラマ

連続ホームドラマ・娘と私』として、NHK1958年4月から1年間放送された。放送ライブラリーにて、この放送の第1回が公開されている。

テレビドラマ

連続テレビ小説

娘と私
ジャンル ドラマ
脚本 山下与志一
出演者 北沢彪
北城由紀子
ナレーター 北沢彪
時代設定 大正14年 - 昭和26年[3]
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域 日本
放送期間1961年4月3日 - 1962年3月30日
放送時間月曜 - 金曜8:40 - 9:00
放送枠連続テレビ小説
放送分20分
回数250
番組年表
次作あしたの風
テンプレートを表示

連続テレビ小説の記念すべき第1作である[4][5]。全250回[6]前述のラジオドラマが好評だったためテレビドラマ化された[6][7]日本放送作家協会賞受賞作品[6]

1961年4月3日から1962年3月30日まで1年間放送され、月曜日から金曜日8時40分 - 9時の20分番組である[7]。次作『あしたの風』以降は、1回15分番組となる[7]

主人公は「私」と表記された。連続テレビ小説シリーズ史上、主人公が特定の氏名を持たない唯一の作品であるとともに、数少ない男性主演作品である[8]。情景描写の「語り」を多用した作品である[7]

当時はビデオ技術が不十分であり、ほとんどの放送資料が消失しているために全話通しての再放送もソフト化も配信も不可能である。NHKアーカイブス保存番組検索によると166回、179回、最終回が現存している。また放送ライブラリーでも、最終回が公開されている[9][リンク切れ]

出演者

スタッフ

1958年のラジオドラマ版と同一のスタッフで製作された。

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
-
娘と私
(1961年度)
あしたの風
(1962年度)
NHK 平日8:40 - 9:00枠
(放送休止中)
娘と私(本放送)
茶の間の科学
(月 - 土)
NHK 平日13:00 - 13:20枠
婦人の話題
娘と私(再放送)
きょうの料理(再)
※13:00 - 13:15
きょうのうた
※13:15 - 13:20

フジテレビ版

娘と私
(フジテレビ版)
ジャンル テレビドラマ
脚本 池田一朗
演出 若杉光夫
出演者 芦田伸介鰐淵晴子ほか
製作
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域 日本
放送期間1966年10月4日 - 1967年4月4日
放送時間火曜21:00 - 21:30
放送枠フジテレビ火曜9時枠の連続ドラマ
放送分30分

特記事項:
国際羊毛事務局一社提供
テンプレートを表示

フジテレビ系で1966年10月4日[16] - 1967年4月4日[16]に放送。「国際羊毛事務局」の単独提供で、「ウール・アワー」という冠が付いている。

主な出演者(フジテレビ版)

スタッフ(フジテレビ版)

フジテレビ 火曜21時枠前半
前番組 番組名 次番組
火曜映画劇場(第1期)
(20:00 - 21:26)
待ッテマシタ!
(21:26 - 21:30)
※30分繰り上げ
娘と私
(フジテレビ版)
火曜映画劇場(第2期)
(20:00 - 21:26)
待ッテマシタ!
(21:26 - 21:30)
※30分繰り下げ

映画

1962年4月1日公開[17]。モノクロ作品。製作は東京映画。配給は東宝[17]。併映は『女難コースを突破せよ』(監督:筧正典。主演:小林桂樹)と、短編記録映画『皇太子ご夫妻のアジア旅行』(構成・編集:渡辺武仁)。

主な出演者(映画)

スタッフ(映画)

脚注

  1. ^ 獅子文六” (PDF). 愛媛県生涯学習センター. 2025年2月16日閲覧。
  2. ^ 娘と私 - ちくま文庫(筑摩書房). 2025年2月16日閲覧。
  3. ^ NHK 連続テレビ小説と視聴者” (PDF). NHK放送文化研究所メディア研究部 (2020年1月30日). 2024年11月9日閲覧。(「付表1 NHK 連続テレビ小説【作品一覧表】」153頁 語り 北沢彪)
  4. ^ 日本放送協会 編『NHK年鑑1962No.2日本放送出版協会、1962年9月1日、125頁。NDLJP:2474358/84https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474358 
  5. ^ テレビ70年、懐かし番組集合 NHKが特別サイト”. 産経新聞. 産経新聞社 (2022年7月12日). 2022年7月12日閲覧。
  6. ^ a b c 第1作「娘と私」”. 朝ドラ100. NHK. 2024年7月11日閲覧。
  7. ^ a b c d ❷Ⅰ期1作目『娘と私』から14作目『鳩子の海』まで(1961~1974)” (PDF). NHK放送文化研究所メディア研究部. p. 9 (2020年1月30日). 2024年7月11日閲覧。
  8. ^ 「らんまん」朝ドラでは珍しい男性主人公、NHKの狙いは? 「彼らの目を通して間接的に...」識者が3つの視点で考察”. J-CASTニュース. ジェイ・キャスト (2023年4月1日). 2025年2月16日閲覧。
  9. ^ a b c d e 放送ライブラリー program番号:177825[リンク切れ]
  10. ^ a b c d e f g h i j k 娘と私〈第1作〉| 主な出演者 - NHKアーカイブス(NHK). 2025年2月16日閲覧。
  11. ^ 「マー公は高校三年生 村田貞枝(NHK―TV『娘と私』)」『芸能画報』第12巻第1号、サン出版社、1962年1月、64 - 65頁、NDLJP:3547475/33 
  12. ^ 連続テレビ小説100作企画 歴代ヒロインインタビュー “朝ドラ”と私 - NHKアーカイブス(NHK). 2023年5月18日閲覧。
  13. ^ a b NHKクロニクル | 連続テレビ小説 「娘と私」(18) - NHKアーカイブス(NHK). 2025年2月16日閲覧。
  14. ^ NHKクロニクル | 連続テレビ小説 「娘と私」(194) - NHKアーカイブス(NHK). 2025年2月16日閲覧。
  15. ^ NHKクロニクル | 連続テレビ小説 「娘と私」(170) - NHKアーカイブス(NHK). 2025年2月16日閲覧。
  16. ^ a b c d e f g h i j k l 娘と私 - テレビドラマデータベース. 2025年2月16日閲覧。
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 娘と私 - 映画.com(エイガ・ドット・コム). 2025年2月16日閲覧。

外部リンク





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