あしたの風とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 文学作品 > 小説 > 日本の小説 > あしたの風の意味・解説 

あしたの風

作者壺井栄

収載図書子どもに伝えたい日本名作建長寺親と子土曜朗読会から
出版社かまくら春秋社
刊行年月2008.11


あしたの風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 09:14 UTC 版)

連続テレビ小説 > あしたの風

あしたの風』(あしたのかぜ)は、壺井栄による日本短編小説。また、これを表題作とした短編小説集。

NHKで2度テレビドラマ化された。

概要

短編としての『あしたの風』は戦後に入ってすぐの時期において『小学五年生』(小学館刊)に掲載されたとされる児童文学ジャンルの短編小説である。将来の姿を悲観することなく「現在」に地に足をつけて生きる母子の姿を描き出した作品。のち、1958年新潮社より本作を表題作とした短編集の単行本が出版された。

なお、後にNHKにて制作された「連続テレビ小説」(後述)は、原作そのもののボリュームの不足から、短編集に同時収録されていた同作者による複数作の短編を元に、脚本家である山下与志一らの手によってストーリーラインおよびテーマそのものが再構成されたため、内容が大幅に改変されたものになったとされる。

あらすじ

戦災母子家庭で育つ夏子は、最近、雨が降ると機嫌が悪くなることが多かった。なぜなら、それまで履いていた長靴を弟に譲ってしまったため、夏子の履く長靴がなかったためであった。夏子の家は貧しいので、そう簡単には新しい長靴を買うわけにはいけない。夏子も事情は分かっているし、他にも長靴を持てない子もいるのだが、それでも新しい長靴が欲しいと言って、母を困らせてしまう。

ある朝、新しい長靴が玄関に置かれていた。夏子のためにと、お母さんが新しい長靴を買ってくれたのだった。大喜びの夏子は、今度は雨の日が待ち遠しくなる。そして、しとしと雨の降る日、夏子は胸を張り新しい長靴を履いて学校に向かった。しかし学校で授業を受けている間に、せっかく買ってもらった夏子の長靴はなくなってしまう。誇らしげな夏子を妬んで誰かが長靴を隠して捨ててしまったのか、それとも、勝手に履いて帰ってしまったのか。夏子はびしょぬれになりながら、校内くまなく必死になって探すが、長靴は見つからない。もう誰もいない運動場で、強くなる雨の中、ずぶ濡れになり泣き続ける夏子に、迎えにやって来たお母さんは優しく呼びかける。

長靴を失くした事を泣きじゃくって詫びる夏子を、母はにこやかに笑いながら靴屋に連れて行く。母は夏子のために、靴屋に頭を必死に下げて、もう一度同じ長靴を都合してもらおうとする。裸足の夏子の姿に、事情を慮った靴屋は嫌な顔一つせず、もう一度同じ長靴を都合してくれた。帰り道、余計なお金を使わす事を詫びて心配する夏子に、母は「娘(夏子)にあしたまで泣いた顔をさせるのはしのびない」から気にしなくていいと諭して「あしたはあしたの風が吹く」とにっこり笑うのであった。

テレビドラマ

1961年・単発

NHKにおいて1961年5月21日に単発ドラマとして放送された[1]

出演者

スタッフ

  • 脚本:西沢裕子
  • 演出:藤原杉雄
  • 音楽:斎藤一郎

1962年・朝ドラ

あしたの風
ジャンル ドラマ
原作 壺井栄
脚本 山下与志一
出演者 渡辺富美子
増田順司
ナレーター 竹内三郎
時代設定 昭和20年 - 昭和38年[2]
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域 日本
放送期間1962年4月2日 - 1963年3月30日
放送時間月曜 - 土曜8:15 - 8:30
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
回数306
番組年表
前作娘と私
次作あかつき
テンプレートを表示

NHK連続テレビ小説の第2作で、1962年4月2日から1963年3月30日まで1年間放送された[3]。全306回[4]

原作は上記の通り短編および短編集であるが、同作者による同傾向のテーマを持つ中短編小説を複数作組み合わせ、脚本を筆頭にテレビドラマスタッフ側で物語を再構成し、番組独自の展開を行った結果、“家族制度”を追及した作品となった。

NHKには最終回のみ現存する。

本作から月曜日から土曜日まで8時15分 - 8時30分の15分番組となり、これ以後2009年度下半期の『ウェルかめ』まで48年間続く[4][5]。2020年度の『エール』からは月曜日から金曜日の週5日の放送となった[6][7]

キャスト

スタッフ

  • 原作 - 壺井栄[3](「風」「右文覚え書」「母のない子と子のない母と」「あしたの風」「雑居家族」より)
  • 脚本 - 山下与志一[3]
  • 音楽 - 斉藤高順
  • 主題歌 - コロムビア・ローズ「あしたの風」[要出典]
  • 演出 - 中山三雄
  • 語り - 竹内三郎アナウンサー

脚注

  1. ^ テレビ指定席 「あしたの風」”. NHKクロニクル. NHKアーカイブス. 2024年7月10日閲覧。
  2. ^ NHK 連続テレビ小説と視聴者” (PDF). NHK放送文化研究所メディア研究部 (2020年1月30日). 2024年11月9日閲覧。(「付表1 NHK 連続テレビ小説【作品一覧表】」153頁 語り 竹内三郎アナ)
  3. ^ a b c 日本放送協会 編『NHK年鑑'63日本放送出版協会、1963年10月10日、131頁。NDLJP:2474360/79https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474360 
  4. ^ a b 第2作「あしたの風」”. 朝ドラ100. NHK. 2024年8月5日閲覧。
  5. ^ ❷Ⅰ期 1 作目『娘と私』から14 作目『鳩子の海』まで(1961~ 1974)” (PDF). NHK放送文化研究所メディア研究部. p. 9 (2020年1月30日). 2024年7月10日閲覧。
  6. ^ “NHK、朝ドラ週5日への短縮を正式に発表 来春から”. 朝日新聞デジタル. (2019年7月24日). https://www.asahi.com/articles/ASM7S621CM7SUCVL01P.html 2024年7月10日閲覧。 
  7. ^ “NHK 朝ドラ週5化へ「検討も煮詰まっている」 4Kでの制作が大きな要因”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2019年5月22日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/22/kiji/20190522s00041000215000c.html 2024年7月10日閲覧。 

外部リンク

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
娘と私
(1961年度)
あしたの風
(1962年度)
あかつき
(1963年度)
NHK 月 - 土8:15 - 8:30枠
月-わが家の健康
火-心と人生
水-季節のしおり
木-わが家の健康 健康相談
金-村の記録
土-季節のしおり
あしたの風(本放送)
あかつき
NHK 月 - 土12:40 - 12:55枠
あしたの風(再放送)
あかつき

「あしたの風」の例文・使い方・用例・文例

  • あしたはあしたの風が吹く.
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「あしたの風」の関連用語

あしたの風のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



あしたの風のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのあしたの風 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS