地域活動・環境への取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 18:03 UTC 版)
「富士急行」の記事における「地域活動・環境への取り組み」の解説
創業以来の社内ルールとして、同社の管理する土地の中で、「胸の高さで直径10センチ以上の木」を伐採する際は、必ず社長決裁となる。土地の開拓にあたっては。出来るだけ植え替え、どうしてもそれが不可能な場合は刈った本数と同数を植え替えることになっている(なお、植える際は部長決裁)。また、別荘地で分譲地を購入したオーナーにも、建築時に刈った本数と同数を植えるよう依頼しているため、他社の分譲地より費用が嵩むことになるという。駐車場などの造成の際も、大樹を守るために費用が嵩んだとしても迂回するなど、自然保護を優先している。これらの取り組みは、同社の運営する富士ゴルフコースは90年前まで溶岩野原で木が全く生えていなかった所に膨大な土と数千本の木を入れ、富士急ハイランドに関してはダンプカー数千台分の土とアカマツやつつじなどの植物を2万本以上植樹したことで現在のような緑豊かな土地を造成できた、という苦労からくるものであるという。 同社の主力事業である観光バスの環境負荷を軽減するため、1974年から低公害化バスの開発をメーカーに依頼していたが、富士山麓の観光は長距離・急勾配がつきものであり技術的に実現できなかった。1995年にCNGバスがそれらの条件を克服すると、従来のバスよりコスト高であったもののいち早く導入し、「エバーグリーンシャトル」と命名。国立公園内唯一の導入事例となった(当時)。その後、2005年にはディーセルエンジンとモーターを組み合わせた低公害ハイブリッドバスを導入。2020年にはBYD社の大型電気バスK93台を山梨県内で初めて導入するなど、環境負荷の低いバスを随時導入している。現在、富士急G全体でCNGバス34台、ハイブリッドバス40台を保有しており、民間企業としてはトップクラスの保有台数となっている。 同社が南富士で運営・管理する南富士エバーグリーンラインでは、2009年より全国の有料道路で初めて低公害車を対象に通行料を4割引きにする施策を行った。 富士山の登山鉄道として、1960年代に地下ケーブルカーを企画していたが、自然環境への負荷を危惧し自ら取り下げている。 創立45周年を迎えた1966年以降、「富士山美化活動」として新入社員は富士山の清掃登山を行っている。75周年時には、山頂にバイオトイレを設置するために杉チップを頂上まで運搬した。 創立65周年を記念して「富士急自然の森林」を富士山麓に造成。若手社員を中心にした下草刈りや植栽を実施している。 富士ミネラルウォーターは、元来リターナブル瓶を活用しておりプラスチック使用量削減につとめているが、近年は非常用保存水において環境負荷を低減するためにいち早くラベルレスウォーターを導入した。また、2021年7月には紙パック製品を発売し、同製品によりプラステック使用量を75%削減した。 2019年12月、新倉山浅間公園の桜の樹勢の衰えを受け富士吉田市が寄付を募ったところ、同社が100万円の寄付を行った。 2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療現場の医療用防護服の不足を受け、同社は富士急ハイランドのアトラクションであるナガシマスカなどで使用している雨具(ポンチョ)を富士吉田市と同市立病院に1,200枚、山梨大学医学部附属病院に2,100着寄贈した。また、同月には健康科学大学に対しマスクの寄贈も行っている。 2021年6月、環境保護への取り組みとして、同年7月からトーマスランド内で使われているプラスチック製の食器やカトラリーをFSC認証を受けた木材製の物に全量置き換えることを発表した。この取り組みにより、年間約4.5トンのプラスチックを削減、CO2排出量の換算で約21.5トンの削減が可能となった。この取り組みは、小泉環境大臣が記者会見においても触れるなど、脱プラのモデルケースの一つとなっている。 2021年8月、富士河口湖町と災害時に同社が保有する電気バスを活用し避難所に電気供給を行うことなどを盛り込んだ災害時協定を締結した。協定内容には、風雪水害や富士山噴火などの災害時に避難所へ同社の電気バスを派遣し、電気を供給することや、同町内にある富士急バス本社を緊急的な避難所として活用することなどが明記されている。 河口湖の富士山パノラマロープウェイにおいて販売している『もみじ型絵馬』は、富士山の森の間伐材を活用している。また、色付けは富士吉田市にある福祉介護施設『富士北麓ヨハネ支援センター』の利用者が行っており、地産地消の取り組みとなっている。 北口本宮冨士浅間神社の権禰宜によると、同神社の大塚丘付近の隣接地で事業を営んでいた企業が倒産した際、同土地が売却される運びとなった。中国人が購入しようとしていたところを同社がそれを阻止する形で購入し、以降は例大祭など多客時に駐車場として無料で開放されている。権禰宜はこれらの富士急行の取り組みを「同社は志で、神社のために購入してくれた」と語っている。
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