地上からの観測とは? わかりやすく解説

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地上からの観測

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:59 UTC 版)

水星」の記事における「地上からの観測」の解説

望遠鏡用いた水星観測17世紀初めにガリレオ・ガリレイが手がけたが、天体の相(英語版)を確認するには充分な機能発揮しなかった。しかし1631年にはピエール・ガッサンディが、ヨハネス・ケプラー予告した天体通過望遠鏡観測した1639年にはイタリアのジョヴァンニ・ズッピが望遠鏡使って水星観測し金星や月と同様に満ち欠けがあることを発見した。これによって、水星太陽周り回っていることが確実になった。惑星同士交差する掩蔽は非常に稀な天体現象だが、1737年5月28日水星と金星で起こった掩蔽グリニッジ天文台ジョン・ベヴィスによって観察された。水星と金星が次に掩蔽起こすのは2133年12月3日である。 水星太陽接近しているため、観測するのは非常に困難である。水星軌道周期約半分相当する期間は、太陽の光埋もれてしまって見ることができない。またそれ以外時期でも、朝か夕方のごく短い時間しか観測できないニコラウス・コペルニクス水星生涯見られなかったという逸話は有名である。 地球から見た水星にも、金星や月のような満ち欠けの相が見られる内合時に新水星」、外合時に満水星」となるが、これらの時期には太陽同時に上った沈んだりするために、見ることはできない最大離角時には半分欠けた形になる。西方最大離角時には日の出前に最も早く上り東方最大離角時には日没後に最も遅く沈む。最大離角の値は、近日点ならば17.9度、遠日点ならば27.8度である。しかし金星とは異なり、最も明るくなるのは「半月」形と「満月」形の間の相である(金星では「新月」形と「半月」形の間で最も明るくなる)。この理由は各相にある時の地球からの距離による。水星では内合新水星」と外合満水星」の時の地球からの距離の差は3倍以下だが、金星では6.5倍にもなる。水星内合になる周期平均する116日だが、軌道離心率大きいために実際に111日から121日まで変化する。同じ理由で、地球から見て逆行する期間も8日から15日まで変化するこのような観測難しさから、水星理解他の惑星比べて遅れた1800年ヨハン・シュレーター水星表面観察行い。高さ20kmの山脈存在する主張したフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルシュレーター観察結果から、自転時間24時間自転軸傾斜70度だという誤った見積もり発表した1880年代になってジョヴァンニ・スキアパレッリがより精確な惑星写像取りその結果から自転周期88日であると示唆するとともに公転潮汐力から同期した状態にあると考えた惑星写像への取り組み引き続き行われ1934年にはユジェーヌ・ミカエル・アントニアディ観測結果地図載せた本を出版した。そこには、数多いalbedo features天体面の明暗模様)が反映され、「アントニアディ・マップ」と呼ばれた1962年6月ウラジーミル・コテルニコフ率いソヴィエト連邦科学アカデミー情報通信研究所 (Institute of Radio-engineering and Electronics) は、水星レーダー信号発信し反射利用した観測初め行った。これはレーダー利用した惑星観測皮切りとなった3年後に、アメリカのゴードン・ペッティンギル(英語版)らがプエルトリコアレシボ天文台300m電波望遠鏡用いた観測行い最終的に水星自転周期59日であることを突き止めた水星自転公転同期していると広く考えられていたため、この発見驚きをもって受け止められた。同期していれば常に影となる半球は非常に冷たくなるはずだが、電波計測結果は、予想よりもはるかに高い温度示していた。それでも天文学者中にはのような熱を分配する何かしら強力な機構想定するなど、同期説を簡単に手放さない者もいた。 公転と自転比率1対1ではないと提言したのはイタリア天文学者ジュゼッペ・コロンボであり、彼は公転自転周期2/3相当する述べた。この証明は、マリナー10号から得られデータ裏づけされた。これは、スキアパレッリとアントニアディの地図正しいことを示すとともに、他の天文学者観察した水星表面は2パターンある公転自転関係のひとつだけ見ていたわけではなく観測手段が未発達だったために彼らが目にした太陽方向向けられ表面違いさしあたり無視していたことを示した。 地上からの観測は光を反射しない部分を知る手段乏しく水星基本的な特性探査機打ち上げて初め理解できた。しかしながら20世紀末以降技術的進歩進み地上観測からでも多く情報入手できるようになった2000年ウィルソン山天文台の1.5mヘール望遠鏡高解像度のラッキーイメージング(英語版観測が行われ、マリナー10号では得られなかった水星表面部分画像撮影成功した。後の解析で、そこにはカロリス盆地越え、スキナカス盆地英語版)の2倍に相当する大きさ巨大な二重クレーター発見された。その後アレシボ天文台による観測で、水星表面大部分5km解像度撮影された。この中には、にあり影に水の氷が存在する可能性を持つクレーター含まれていた。

※この「地上からの観測」の解説は、「水星」の解説の一部です。
「地上からの観測」を含む「水星」の記事については、「水星」の概要を参照ください。

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