20世紀末以降
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 07:19 UTC 版)
レイチェル・ホワイトリード、「ホロコースト記念碑」 、2000年、ウィーンのユダヤ広場 マグダレーナ・アバカノヴィッチ、「認められざるもの」(Nierozpoznani)、2002年、ワルシャワ城郭 草間彌生、Ascension of Polkadots on the Trees、 シンガポール・ビエンナーレ、2006年 マリーナ・アブラモヴィッチ、"The Artist is Present"、ニューヨーク近代美術館、2010年5月 イ・ブル、「私の大きな物語:石に泣く」、2005年 ジェニー・ホルツァー、世界貿易センタービルでのインスタレーション オノ・ヨーコのウィッシュ・ツリー 1996年にカトリン・デ・ツェハー(Catherine de Zegher)は20世紀の37人の偉大な女性芸術家の作品を展示する展覧会をキュレーションした。この展覧会はInside the Visibleという名称で、ボストンのコンテンポラリーアート美術館からワシントンD.C.の国立女性芸術美術館、ロンドンのホワイトチャペル・ギャラリー、パースの西オーストラリアアートギャラリーに巡回した。1930年代から90年代まで、さまざまのアーティストの作品を集めている。 1993年にレイチェル・ホワイトリードが初めてテート・ギャラリーのターナー賞を受賞した女性となった。ジリアン・ウェアリングも1997年にターナー賞を受賞したが、この年は最終候補が全員女性で、クリスティン・ボーランド、アンジェラ・ブロック、コーネリア・パーカーなどが候補者であった。1999年にトレイシー・エミンが「わたしのベッド」("My Bed")で候補になってメディアから広く注目されたが、受賞はならなかった。2006年には抽象画家のトマ・アブツがターナー賞を受賞している。 2001年に「女性アーティストと千年紀」("Women Artists at the Millennium")という学会がプリンストン大学で実施された。2006年には同名の書籍も刊行され、リンタ・ノックリンなどの主要な美術史家がルイーズ・ブルジョワ、サリー・マン、エヴァ・ヘス、レイチェル・ホワイトリードなどの著名な女性アーティストを分析する論考が収録された。 2010-2011年にかけてパリのポンピドゥー・センターは3回にわたる"elles@Centrepompidou"という展示を実施し、キュレーターが女性の現代アーティストを選んで作品を見せるということを行った。ポンピドゥー・センターは自館のコレクションから主要な女性アーティストの作品を選んで展示した。 2010年、アイリーン・クーパーが女性として初めて「ロイヤル・アカデミーの主」(Keeper of the Royal Academy)に選ばれた。1995年、デイム・エリザベス・ブラックアダーが、制度が始まって300年間の歴史で初めて「スコットランド王室御用達画家」(Her Majesty's painter and limber in Scotland)に選ばれた。ブラックアダーは既に1982年にOBEを得ている。 女性による芸術として興味深いのが環境アートである。2013年12月の時点で、女性環境アーティストディレクトリ(Women Environmental Artists Directory)には307名の女性環境アーティストが登録され、マリーナ・デブリ(Marina DeBris)、ヴァニタ・ネメク(Vernita Nemec)、ベティ・ボーモント(Betty Beaumont)などが入っている。デブリはビーチのゴミ(デブリ)を用いて海岸や海洋の汚染についての意識啓発を行い、子どもたちに対してビーチのゴミに関する教育活動も行っている。ネメクは現代生活の複雑性を著すためジャンクメールを用いている。ボーモントは環境アートのパイオニアとして知られており、人の信念や行動を問い直すアートを目指している。
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