20世紀末からの在り方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:32 UTC 版)
「イングランド銀行」の記事における「20世紀末からの在り方」の解説
現在は1998年イングランド銀行法で制定された諸機能、つまり物価安定の維持と英国政府の経済政策支援を遂行する。まずたとえば、①イングランドとウェールズにおける通貨発行権(UKポンド参照)をもつ。②政府の銀行であると共に「最後の貸手」として銀行の銀行である。さらに③外国為替と金準備を管理し、政府の証券(国債)を登録するが、④政府統合基金の運営も行う。 中央銀行という範疇を超えて機能している可能性が疑われている。イングランド銀行は国際決済機関セデルに数十の匿名口座を持っていた。セデルは内緒で①金融機関の支店が②国際金融市場で決済する便宜のために、匿名口座を開いていた。イングランド銀行が匿名口座を持つ場合、述べた①②のいずれにもあてはまらない。 金融サービス機構(Financial Services Authority)は、1997年10月に発足して翌年イングランド銀行から金融機関監督権限を移管されたが、(LIBORなど)幾たびのスキャンダルを経て、2012年金融サービス法(Financial Services Act 2012)にもとづき2013年4月に廃止された。金融サービス機構の権限は新設の金融安定委員会(Financial Policy Committee)に移された。 金融サービス機構は自主規制団体の寄せ集めだった。投資顧問規制機関(IMRO)、生保・投信規制機関(LAUTRO)、金融仲介・管理・ブローカー規制協会(FIMBRA)の三者が統合されたのである。金融サービス機構の監督権限はかつてないほどに強化されていたが(Financial Services and Markets Act 2000)、エクイタブル生命(The Equitable Life Assurance Society)の抱える年金債務に手段を講じなかったことがスキャンダル化した。監査法人アーンスト・アンド・ヤングも追及された。エクイタブルの営業網は、2001年2月にハリファクス(Halifax)へ売却された。2002年12月12日、機構の委員長ハワード・デービス(Howard Davies)が辞任の意思を明らかにした。金融サービス機構は会長アデア・ターナー(Adair Turner)が就任した世界金融危機時の対応についても酷評された。「誰も負債水準を管理できず、危機がやってきても誰も責任の所在を分からなかった」
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