グリニッジ天文台とは? わかりやすく解説

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グリニッジ‐てんもんだい【グリニッジ天文台】

読み方:ぐりにっじてんもんだい

英国天文台1675年国王チャールズ2世によりグリニッジ設立1884年、ここを通る子午線本初子午線とし、世界時基準として決定した1945年から1958年にかけてグレートブリテン島南端のハーストモンソーに移転1990年にはさらにケンブリッジ移転し1998年天文台としての活動終了

[補説] グリニッジにある旧天文台建物は、現在は国立海事博物館となっている。

グリニッジ天文台の画像
グリニッジ天文台跡にある世界時標準時

グリニッジ天文台

分類:天文台観測所


(C)グリニッジ天文台

名称:グリニッジ天文台(王立グリニッジ天文台)
望遠鏡種類:光学望遠鏡
国名:イギリス
所在地:イングランド
口径:250センチ(反射望遠鏡)ほか解説:王立天文台として、1675年ロンドン設立されました。当時のグリニッジ天文台の場所に南北に通る経線本初子午線(と呼び経度標準および世界時基準としています。1945年から58年までに、ブリテン島南端海岸ハーストモンソー城に移設(北緯5213分、東経0度06分、海抜30メートル)、元の天文台海事博物館となりましたまた、グリニッジ天文台主導で、アフリカ沖のスペイン領ラ・パルマ島光学天文台建設されました。なお、グリニッジ天文台は1998年10月天文台としての活動終了してます。
グリニッジ天文台をよく知るためのアラカルト
どのようないきさつ天文台つくられたの?
どのような天文学的発見研究業績があるの?

分類:天文台観測所グリニッジ天文台をよく知るためのアラカルト
どのようないきさつ天文台つくられたの?
どのような天文学的発見研究業績があるの?1.どのようないきさつ天文台つくられたの?
1675年当時イギリスが必要としていた航海術基礎となる恒星位置正確な決定研究テーマとしてチャールズ2世によって、ロンドン郊外にグリニッジ天文台が設立されました。

2.どのような天文学的発見研究業績があるの?
初代台長のフラムスチュードは、現在の星図元になる星の位置のカタログ作りました第2代台長エドモンド・ハレーは、周期彗星(ハレー彗星)を発見研究し1758年彗星出現予言しました。グリニッジ天文台は長い間位置天文学中心的な存在でしたが、19世紀半ばから、太陽観測などの物理的観測おこなわれ近年は、星の動き予測星食などの近代現代的な天文研究もおこなっています。1967年完成した口径250センチアイザック・ニュートン望遠鏡は、1983年アフリカ沖のスペイン領カナリー諸島ラ・パルマ島移設されています。



ラ・パルマ天文台ラ・パルマ天文台にあるアイザック・ニュートン望遠鏡

参考文献:小平桂一ほか・監修平凡社天文事典平凡社磯部秀三世界天文台河出書房新社国立天文台・編「理科年表丸善パトリック・ムーア・編/中村士ほか・訳「ギネスワールド天文宇宙講談社


グリニッジ天文台

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/07 07:56 UTC 版)

Royal Observatory
グリニッジ天文台。八角形の建物の頂上に報時球がある
グリニッジ天文台
グリニッジ区における位置
コード 000
所在地 グリニッジ, イギリス
座標 北緯51度28分40秒 西経0度00分05秒 / 北緯51.4778度 西経0.0014度 / 51.4778; -0.0014座標: 北緯51度28分40秒 西経0度00分05秒 / 北緯51.4778度 西経0.0014度 / 51.4778; -0.0014
標高 68 m (223 ft)
開設 1675
ウェブサイト www.rmg.co.uk/royal-observatory/
望遠鏡 Altazimuth Pavilion At The Royal Observatory[*]
ウィキメディア・コモンズ
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かつてグリニッジ子午線の基準になっていた、グリニッジ天文台旧本館北面の窓。現在の本初子午線はこの窓の中心から東に約102.5mの位置を通過している。
テムズ川河畔側から南方に見えるグリニッジ天文台の全貌

グリニッジ天文台(グリニッジてんもんだい、: Royal Observatory, Greenwich、旧称: Royal Greenwich Observatory)は、ロンドン郊外グリニッジ地区のテムズ川河畔グリニッジ・パーク内に存在する天文台。ロンドン中心部から東におよそ5km、テムズ川河畔からは南におよそ800mの丘に建てられている。

1675年イングランド国王チャールズ2世が設立した王立天文台で、初代天文台長はジョン・フラムスティード1957年イースト・サセックスのハーストモンソーに移転し、「グリニッジ旧王立天文台」となった。1990年ケンブリッジに移転した後、1998年に閉鎖され、再び「グリニッジ王立天文台」と呼ばれることになった。現在は観測機器はなく、史跡として維持されている。

1851年に台長ジョージ・ビドル・エアリーが本館(当時)に子午環を設置し、窓の中心を基準として観測を行い、この地点(グリニッジ子午線上)の平均太陽時であるグリニッジ平均時を定めていた。その後、世界共通の経度の基準(経度0度、本初子午線)と定められ、世界の経度および時刻の基準を担っていた。1833年に設置された報時球は現在も稼働している。

なお、現在では、エアリーの子午環は、正確には本初子午線ではなくなっている本初子午線は、エアリーの子午環から東へ、角度 5.301 秒、距離にして102.478 m の位置を通過している(詳細は本初子午線IERS基準子午線を参照のこと)[1]

近隣のブラックヒースには、イングランド王ジェームズ1世が1608年に最初7ホールを造らせたゴルフクラブがある。これは今も超一流コースとして利用されている。

建設の背景

15世紀後半からヨーロッパ各国による海外進出を競う、大航海時代を迎えていたが、当時はまだ、運に任せた危険な航海が多く、海難事故が相次いでいた。この競争を制するため、航海術の向上にいち早く取り組み、海洋国家として世界に進出を図っていたイングランドは航海の支援を目的として、天文台を建設した。外洋の航海には正確な緯度経度の計測が不可欠で、見渡す限りの海で緯度の計測基準となったのは星であった。北極星の位置や見える角度から、船は緯度を割り出すことができた。一方経度の測定には正確な時刻を知る必要からクロノメーターが開発されるとともに、時刻の基準すなわち「経度の基準」が必要になった。

年表

  • 1675年: グリニッジ天文台 (Royal Observatory, Greenwich) 設立。
  • 1714年: 経度法により経度委員会英語版経度賞が設立される。
  • 1924年: 2月5日に、1時間毎の時間信号(グリニッジ時間信号)が初めて放送される。
  • 1948年: ハーストモンソーへの移設が始まる。
  • 1957年: ハーストモンソーへの移設が完了し、王立グリニッジ天文台 (Royal Greenwich Observatory, RGO) と改称される。グリニッジの場所は旧王立天文台 (Old Royal Observatory) となる。
  • 1990年: RGOはケンブリッジに移設される。
  • 1998年: RGOが閉鎖される。グリニッジの場所は再びグリニッジ天文台 (Royal Observatory, Greenwich) となり、国立海事博物館英語版の一部となった。

歴代天文台長

1972年まで、グリニッジ天文台長は伝統的に王室天文官 (Astronomer Royal) の称号を得る慣習となっていた。カッコ内の西暦は就任した年。

  1. ジョン・フラムスティード(John Flamsteed, 1675年)
  2. エドモンド・ハレー(Edmond Halley, 1720年)
  3. ジェームズ・ブラッドリー(James Bradley, 1742年)
  4. ナサニエル・ブリス(Nathaniel Bliss, 1762年)
  5. ネヴィル・マスケリン(Nevil Maskelyne, 1765年)
  6. ジョン・ポンド(John Pond, 1811年)
  7. ジョージ・ビドル・エアリー(George Biddell Airy, 1835年)
  8. ウィリアム・クリスティー(William Henry Mohoney Christie, 1881年)
  9. フランク・ダイソン(Frank Watson Dyson, 1910年)
  10. ハロルド・スペンサー・ジョーンズ(Harold Spencer Jones, 1933年)
  11. リチャード・ウーリー(Richard van der Riet Woolley, 1956年)
  12. マーガレット・バービッジ(Margaret Burbidge, 1972年)
    王室天文官はマーティン・ライル(Martin Ryle, 1972年)
  13. アラン・ハンター(Alan Hunter, 1973年)
  14. フランシス・グラハム・スミス(Francis Graham Smith, 1976年(1982年から王室天文官))
  15. アレキサンダー・ボクセンバーグ(Alexander Boksenberg, 1981年)
  16. ジャスパー・ウォール(Jasper Vivian Wall, 1995年)

参考:王室天文官

出典

  1. ^ Malys, Stephen; Seago, John H.; Palvis, Nikolaos K.; Seidelmann, P. Kenneth; Kaplan, George H. (1 August 2015). “Why the Greenwich meridian moved”. Journal of Geodesy. Bibcode2015JGeod..89.1263M. doi:10.1007/s00190-015-0844-y. http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00190-015-0844-y. 

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