原因:マラリア原虫とハマダラカの同定とは? わかりやすく解説

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原因:マラリア原虫とハマダラカの同定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 00:05 UTC 版)

マラリアの歴史」の記事における「原因:マラリア原虫とハマダラカの同定」の解説

1848年ドイツ解剖学者 Johann Heinrich Meckelは、精神病院死亡した患者血液脾臓みられる暗褐色色素顆粒 (後にヘモゾイン名付けられた) について記録したMeckel報告書の中でマラリアについて言及しておらず、それとは知らずマラリア原虫観察していたもの思われる。彼は、その色素メラニンであるという仮説立てていた。色素寄生虫との因果関係は、1880年アルジェリアコンスタンティーヌ軍病院勤務していたフランス医師シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴランによる、マラリア患者赤血球中の色素沈着した寄生虫の観察によって確立された。彼は鞭毛放出過程目撃し、動く鞭毛寄生性の微生物であると確信する至った。彼はキニーネ血液から寄生虫除去することに気づいた。ラヴランはこの微生物を Oscillaria malariae と名付けマラリアがこの原生動物によって引き起こされる提唱した。この発見は、1884年油浸レンズが、そして1890-91年により優れた染色法が、それぞれ開発されるまで物議を醸していた。 1885年、Ettore Marchiafava、Angelo Celli とカミッロ・ゴルジは、マラリア原虫ヒト血液中での増殖サイクル(ゴルジ・サイクル)についての研究行ったゴルジは、血液存在するすべての寄生虫規則的な間隔でほぼ同時に分裂し分裂発熱とが同時に起こることを観察した1886年ゴルジマラリア原虫形態的な差異について記載し、それは今でも2種マラリア原虫 Plasmodium vivaxPlasmodium malariae を見分けるために用いられている。このすぐ後、1889年 Sakharov によって、そして1890年 Marchiafava と Celli によってそれぞれ独立に、P. vivax とも P. malariae とも異な種として Plasmodium falciparum同定された。1890年、Grassi と Feletti は入手可能な情報再調査し、P. malariae と P. vivax の命名行った (ただし当初は Haemamoeba 属の下に置かれた)。1890年までに、ラヴランの説は広く受け入れられたが、イタリア学派分類作業病理研究好まれたため、彼の初期アイデアのほとんどは放棄された。Marchiafava と Celli は新し微生物Plasmodium名付けたH. vivax はすぐに Plasmodium vivax改名された。1892年 Marchiafava と Bignami は、ラヴランが観察した複数形態1つの種によるものであることを実証した。この種は P. falciparum と名付けられた。ラヴランは、疾病の発生における原虫の役割に関する業績によって1907年ノーベル生理学・医学賞受賞したオランダ医師 Pieter Pel は、マラリア原虫組織内ステージ (tissue stage) の存在について1886年初め提唱したが、それは実際発見50年上前予見するものであった。この提案は、1893年ゴルジ寄生虫の未発見の組織内段階存在の可能性 (このときは内皮細胞想定ていた) について示唆した際にも繰り返された。Pel は1896年ゴルジ潜伏期理論支持した19世紀半ばからの科学的手法確立によって、マラリア原因伝染に関して実証可能な仮説検証可能な現象報告要求されるようになったマラリアとカについての逸話的な報告と、1881年のカが黄熱伝染することの発見により、マラリアとカの関係についても調査が行われるようになっていった。 初期マラリア予防の取り組みは、1896年マサチューセッツ州行われたアクスブリッジでのマラリア大発生について保健衛生Leonard White は州の保健宛て報告書提出し、カとマラリア関連についての研究と、マラリア予防のための最初取り組みが行われることとなったマサチューセッツ州病理学者セオボールド・スミスは、White息子さらなる分析のためにカの試料集めるよう要請し市民には窓に網戸をつけ、貯めた排水するように要請したインドセカンダラバード軍医として勤務していたイギリスロナルド・ロスは、1897年マラリアがカによって伝染されることを実証し、この出来事は現在では世界の日(英語版)として記念されている。彼は、血液中に三日月型の生殖母体を持つマラリア患者をカに人工的に吸血させ、カの体内色素沈着したマラリア原虫を見つけることに成功した。彼はマラリア研究継続しある種のカ (Culex fatigans) がマラリアスズメ伝染させることを示し感染した吸血したカの唾液腺からマラリア原虫単離した。彼はこれを1898年エディンバラ英国医師会報告したローマ大学比較解剖学教授であったジョヴァンニ・バッティスタ・グラッシは、ハマダラカ属 (Anophelesギリシア語の anofelís (役立たず) に由来する) のカだけが、ヒトマラリア伝染することを示したグラッシ彼の共同作業者 Amico Bignami、Giuseppe Bastianelli、Ettore Marchiafava は1898年12月4日アッカデーミア・デイ・リンチェイでの会合で、非マラリア地帯健康な人が、実験的に感染させた Anopheles claviger に刺された後、三日熱マラリア発症した発表した1898年から1899年にかけて、Bastianelli、Bignami とグラッシは、P. falciparum、P. vivax と P. malaria がカからヒトへ、そして A. claviger へ戻る、という伝染の完全なサイクル初め観察したイギリスイタリアマラリア学派の間で先取めぐって論争生じたが、1902年ロスは、「マラリア生物どのように入り込むかを示し、この疾病に関する研究成功と、根絶のための方法基礎築いた」ことにより、ノーベル生理学・医学賞受賞した

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