千里山住宅地とは? わかりやすく解説

千里山住宅地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 10:26 UTC 版)

千里山」の記事における「千里山住宅地」の解説

千里山住宅地は1920年大正9年)から1928年昭和3年)にかけて大阪府三島郡千里村大字佐井寺現在の大阪府吹田市千里山西1丁目と4丁目から5丁目千里山駅西側一帯計画的に建設され日本初となる田園都市郊外住宅地イギリス田園都市レッチワースモデルに、ロータリー中心に直線街路放射状伸び、その延長線上の北部と南部小さなロータリー配置し全体半環状に構成する設計となっており、これには、当時内務省関与指導があったとされる1921年大正10年)に北大阪電気鉄道現在の阪急電鉄千里線)の開業合わせ当時終点だった千里山駅前に大規模な住宅地開発大阪住宅経営株式会社によって行なわれ1922年大正11年)より分譲開始された。大阪住宅経営株式会社の設立者は当時大阪商工会議所会頭山岡順太郎で、彼は就任時から経済界発展のためには住宅事情解消急務として、当時大阪府知事大阪市長らを発起人として当会社設立している。 大阪市内では工業化進展とともに大気汚染騒音などの公害問題明治後半には早くも深刻化しており、そこへ人口の増加による住環境悪化コレラペストチフス肺結核蔓延重なり郡部地域より平均寿命下げていた。それらを避けるために郊外への移住志向強まっており、隣接する豊能郡豊中池田箕面などで箕面有馬電気軌道阪急電鉄前身)が住宅経営で既に成功収めていたのにもそのような背景があった。 山岡内務省少壮官僚による日本での田園都市建設構想を受け、その住宅地プラン内務省外郭団体である都市研究会に委託した都市研究会から間もなく阪神間モダニズム影響もあり、20世紀初頭から建設始まったイギリス田園都市レッチワースなどを参考にして、千里山駅西側広がる千里丘陵入口部の緩やかな傾斜地に駅から少し離れてロータリー花壇のある広場設け、そこから放射状にのびる街路構成さる青写真提示されそのまま実行移されることとなった。この開発に際して水道電気ガス下水道整備が行なわれ、当時としては最も先進的な内容となっている。 また、住民集会親睦のために、広いロビー有りビリヤード囲碁将棋などの設備のある会館千里山会館)、さらにはテニスコートなども設置された。開発総面積は98300坪、宅地区画743区画1区80坪)、建築され住宅建坪20前後のものが多かった1区画を2分割して宅地とするのも可能で、また、大阪住宅経営による2戸建貸家経営おこなわれ敷金不用であった隣接する地区には関西大学山岡順太郎一時学長務めている)の誘致千里山遊園建設行なわれている。後年こうしたモダンな生活風景は、大宅壮一に「千里山夫人」と評された。 千里山住宅地の開発以降も、1938年昭和13年)には隣接地区(現在の円山町)で千里山景勝邸宅地分譲され1956年昭和31年)には駅東側日本住宅公団によって千里山団地(1061戸)が建設され1961年昭和36年)には日本初巨大ニュータウン千里ニュータウン建設始まった。同ニュータウン工事開始された時、それまで終点であった千里山駅行き止まりにあった土砂取り除き南千里駅北千里駅へと延伸工事実施され電車開通するまでの間、ニュータウン行の臨時バス停留所がこの千里駅前に設けられていたと言う。現在では周囲全域市街地となり、昔の郊外面影すらない状況であるが、この地区樹木多く所々田園郊外面影残し古く計画的な住宅開発が行なわれた痕跡とどめている。 千里山千里第二小学校東京同窓会に始まる、 千里第二小学校在籍経験者またはこれに準ずる仲間たちつくる会が、東京にて1970年より集会会誌の発行等の活動行っている。

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