内部法と外部法とは? わかりやすく解説

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内部法と外部法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 02:43 UTC 版)

国際組織法」の記事における「内部法と外部法」の解説

内部法として、まず、表決制度がある。決議成立方式としては、一般に全会一致多数決コンセンサスなどがある。国際連合総会決議は、重要問題除いて出席し投票する加盟国三分の二多数)、出席し投票する加盟国過半数成立する国際連合憲章18条)。国際連合安全保障理事会決議は、「常任理事国同意投票を含む九理事国賛成投票」で成立する27条)。慣例により、常任理事国の「棄権」は決議成立妨げないとされている。しかし、27条を文言通り解釈すれば棄権は「同意」ではないので、決議成立妨げるはずである。よって、これについては、法的には、棄権についての規定欠缺していたとか、暗黙のうちに憲章改正されたとか説明する他はない。EUでは「共同体法」(EU法)に属す分野について、加重投票制度が行われている。また、世界銀行でも加重投票議決される。 予算決定については、国連総会によって派遣されONUCコンゴ国連軍)及びUNEF国連緊急中東軍)(いわゆるPKO)への支出国連憲章172項にいう「この機構経費」に当たるのか争われた。国連憲章上、PKO明示的に認められていない。これに関して1962年国際連合特定経費憲章172項)」として国際司法裁判所勧告的意見下された裁判所は、172項文言憲章全体構造総会安保理与えられそれぞれの機能照らして解釈するとし、ONUCUNEF活動国連主要目的である国際平和と安全の維持合致することは、継続的に国連の諸機関によって認められてきたことによって示されているとし、当該支出は「この機構経費」にあたると結論づけた(I.C.J.Reports 1962, pp.167-181)。この勧告的意見理由付けに対しては、批判もある。 国際機構で働く人については、「国際公務員法」という特別の分野となっている。国連では、職員関わる争いについては「国連行政裁判所」が国連総会決議によって設立され活動している。 外部法としては、まず、国際組織の「国際法人格性」(international legal personality; la personnalité juridique internationale)が問題となる。国際司法裁判所1949年の「国際連合任務中に被った損害賠償に関する勧告的意見において、(当時としては)国際共同体の大多数国家相当する50か国は、国際法に従って客観的国際法人格を持つ実体創設する権能(power)を有していたのであり、同時に国際請求をする権能有する述べた(I.C.J.Reports 1949, p.185; 皆川国際法判例集137頁)。ECも、その設立条約であるEC条約においてEC国際法人格性有する規定しEC条約281条)、国際社会はこれに一般的承認与えており、現在、EC京都議定書世界貿易機関設立するマラケッシュ協定」の当事国となっている。 国連対外的活動として最も重要なものは、「国際の平和及び安全の維持に関する安保理活動である。いわゆる国連憲章第七章」に基づく行動である。七章に基づく安保理行動は、冷戦終結した1990/1991年以降、大変、活発になっている。その端緒は、1990年イラクのクウェート侵攻の際の、1991年安保理決議678に基づく多国籍軍行動である。同決議は、憲章43条に基づく常備の「国連軍」がいまだ創設されていないことに鑑み加盟国に「全ての必要な手段用いることを許可する」(authorizes...to use all necessary means)とした。これは、朝鮮戦争において、米国指揮下にある軍に国連旗使用許可した1950年安保理決議84端を発する考えられる。この安保理決議678以降、「全ての必要な手段許可する」という方式繰り返し使用され、現在では完全に定着したと言える。 「自衛権」(the right to self-defense)は、国連憲章51条で、個別的自衛(individual self-defense)、集団的自衛(collective self-defense)とも、「固有の権利」(inherent right; 仏語テキストでは「自然権le droit naturel)と規定されている。特に「集団的自衛」が「固有の権利」とされている点について、この用語は国連憲章において初め用いられたものだが、その先と言うべきものが戦間期における相互援助条約草案ラインラント協定中に見られる指摘されうる。2001年9月11日米国同時多発テロ事件では、翌月米国アフガニスタン攻撃した学説上、これが国際法上自衛権の行使であるとか、違法な武力行使であるとか、自衛概念一時的に伸長」したなど様々な議論が行われている。この事件関連して出され安保理決議1368では、その前文加盟国自衛権固有の権利であること確認している。国連憲章51によれば自衛権行使した国はすみやかに安保理報告しなければならず、米国は、アフガニスタン攻撃後、安保理報告している。

※この「内部法と外部法」の解説は、「国際組織法」の解説の一部です。
「内部法と外部法」を含む「国際組織法」の記事については、「国際組織法」の概要を参照ください。

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