内部標準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/19 16:12 UTC 版)
NMRの測定に当たって、規準となるピークを決める必要がある。一般には重溶媒にテトラメチルシラン(TMS)を少量(0.05%程度)添加し、そのピークを0ppmとして他のピークのシフト位置を決定する方法が標準的である。TMSが用いられるのは、試料のピークとほとんど重なることがない場所に鋭い一重線のピークを与えること、安定で試料や溶媒と反応しないことなどの理由による。同時に、溶媒物質の与えるピークがサンプルのピークと干渉しない場合、溶媒に残留するH(CDCl3の場合であればCHCl3のH)を標準に用い2点校正とする場合が多い。予測されるサンプルのピークと干渉しない溶媒が選択できない場合はd化率の極めて高い溶媒を用いる事となるので、溶媒のピークを校正点とすることはできない。 TMSは水には溶けないので、重水でNMRを測定する場合には3-(トリメチルシリル)-1-プロパンスルホン酸ナトリウム(DSS)などが内部標準物質として用いられることがある。あらかじめこれらの内部標準物質を添加してある重溶媒も市販されている。
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