酸化還元特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 09:38 UTC 版)
主要な芳香族炭化水素とは異なり、フェロセンは飽和カロメル電極 (SCE) に対し約0.5 Vという低い電位で1電子酸化が進行する。電気化学的に酸化されやすい化合物としては、他に電子豊富なアニリンなどの芳香族アミンやピロール、チオフェンなどの複素環式化合物などが挙げられる。しかしアニリンのようなアミンやチオフェンを酸化するとポリアニリンやポリチオフェンなどのポリマーが生成するが、フェロセンを酸化しても安定なカチオンが生成するだけで重合は起こらない。 シクロペンタジエニル環を化学修飾することで、酸化還元電位を調節することが可能である。カルボン酸などの電子求引基を導入すると電位はアノード側へと移動する。一方メチル基などの電子供与基を導入すると電位はカソード側へと移動する。このため、デカメチルフェロセンはフェロセンより酸化されやすい。またフェロセンは酸化還元電位測定において、非水溶性の内部標準物質としてもしばしば用いられる。 フェロセンは FeCl3 により酸化され、青色のフェロセニウムイオン [Fe(C5H5)2]+ が生成する。このフェロセニウムイオンは [PF6]- 塩として単離することが可能である。フェロセニウム塩はしばしば酸化剤として用いられる。フェロセニウム塩が酸化剤として用いられる理由として、反応の結果生成するフェロセンが化学的に安定であり、容易に単離可能であるという点が挙げられる。
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酸化還元特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 09:08 UTC 版)
ポルフィリンやその金属錯体は安定な酸化還元特性を示すものも多い。例えば呼吸の電子伝達系で機能するシトクロムでは、中心の鉄が2価と3価の間を往復して酸化還元を行うことで電子を運んでいる。このような特性は電気化学的なアプローチによって多く研究されているほか、有機合成などの触媒としても活用されている。
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