酸化還元電位の測定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/01 13:57 UTC 版)
特定の物質の酸化還元電位は酸化還元系を含む溶液に不活性な金属電極(作用電極という)を入れることにより生じる電位差を基に決定する。しかしながら、金属電極と溶液の間に発生する電位差Eは上記のみの構造では半電池であり測定が不可能である。したがって、あらかじめ酸化還元電位の決まった参照電極を基準に用いて電位差Eを測定するのが一般的な酸化還元電位の測定である。 酸化還元電位測定までの電子のフローチャートを以下に筆記しておく。 溶液中に浸漬された作用電極と酸化還元系の間に酸化還元反応が生じる(電子が奪われるかあるいは与えられる)。酸化還元電位が参照電極よりも低い場合、電子が参照電極へ移動する。 酸化還元電位が参照電極よりも高い場合、電子が参照電極から作用電極へ移動する。 この電子の移動時に発生した電位差Eをエレクトロメーターなどで測定する。 また、酸化還元電位はpHや温度によって変動するため、 溶液には緩衝液を用いる。 恒温槽の中に電極を入れたチャンバーを丸ごと入れる。 酸化還元電位に影響を与える気体(酸素など)の侵入を防ぐために窒素などをバブリングしておく。などの電極や溶液の環境を一定にしておく必要がある。参照電極には標準水素電極が用いられるのが望ましいが、中間酸化還元電位などの測定を行う際には銀-塩化銀電極を用いることが多い。 通常、生体分子は作用電極との間に酸化還元反応を示しにくい傾向にあり、一部のものを除けば作用電極との間にメディエーター(電子の仲介を行なう)を仲介させるか、あるいは酸化還元指示薬を用いて比色法で酸化還元電位を測定する場合が多い。酸化還元指示薬としてはメチレンブルー、メチルビオロゲン、インドフェノール、トルイジンブルーなどがある。これらはメディエーターとして使用することも可能である。
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