仏教の九品とは? わかりやすく解説

仏教の九品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 13:53 UTC 版)

九品」の記事における「仏教の九品」の解説

九品(くほん)は、仏教で、経典翻訳した際に、上記中国分類用いて充当したのである三品それぞれの名は、中国語では区別しないが、日本語では読み異なる。仏教では、サンスクリットVargaを「品」と訳した。なお仏教の「九品」の場合は「くほん」と濁らずに読むが、「上品・下品」などは「じょうぼん・げぼん」と連濁する。 仏教(特に浄土教)では、衆生機根違いによって、同じ極楽浄土往生するにも、9つパターンがあると『観無量寿経』に説かれている。またこれを九品往生ともいう。 九品それぞれはこれは「○品○生」(○は上・中・下)と言い、「○生」の読みそれぞれ上生じょうしょう)、中生ちゅうしょう)、下生げしょう)である。 のちに、善導九品皆凡といい、一切衆生本質的にみな迷え存在であると捉えたまた上下の差を大乗小乗の乗教や悪などとの接触による相違帰するという独自の解釈唱え、これが法然親鸞などに大きく影響与え、また継承された。 三品九品解説上品大乗値遇するゆえに遇大(ぐうだい)といい、上輩生想(じょうはいしょうそう)と称される上品上生至誠心深心廻向発願心3種の心を発して往生する者。これには3種類の者がいるという。 慈心をもって殺生行わず戒律行を具足する者 大乗方等経典を読誦する六念処修行する者 その功徳により阿弥陀如来浄土生じることを願えば1日もしくは7日往生できるという。この人勇猛精進をもち、臨終阿弥陀や諸菩薩来迎を観じ、金剛台に載り浄土往生し即座に無生法忍を悟るという。 上品中生大乗方等経典を読誦せずとも、よく大乗第一義の義趣を理解し、心に畏怖驚動ことなく因果律深く信じ大乗誹謗しない者。その功徳により聖衆来迎を受け、往生した後に一宿経て蓮華が開敷し、7日後に無上道を退かず、諸仏国土へ赴き、1小劫経て無生法忍を得るという。 上品下生因果律信じ大乗誹謗せず、ただただ無上道心を起す者。その功徳により廻向して往生希求し、また往生した後に1日1夜開き三七21)日後に耳目明らかになり、諸仏国土へ赴き、3小劫の後に歓喜地往生するという。 中品小乗値遇するゆえに遇小(ぐうしょう)といい、中輩生想(ちゅうはいしょうそう)と称される中品上生五戒八戒など諸々戒律具足し尽くして悪業所作しない者。往生して蓮華が開敷し、即時阿羅漢果を得て三明六神通・八解脱を得るという。 中品中生1日1夜五戒八戒具足し、また沙弥戒(年少僧侶が受ける戒律)や具足戒持ち威儀端正にして欠くことが無い者。往生して蓮華が開敷し、法を聞いて歓喜して須陀洹果を得て、半劫を経阿羅漢となるという。 中品下生父母両親孝行し養い世間仁義して慈しみ行う者。臨終時に阿弥陀仏の本願国土の楽を知り往生した後に勢至菩薩観世音菩薩から教法聞いて、1小劫の後に阿羅漢となるという。 下品一生に悪を造作無間非法するゆえに遇悪(ぐうあく)といい、下輩生想(げはいしょうそう)と称される。 下品上生大乗方等経典を誹謗せずとも、多く悪事行って恥じ入ることのない者。臨終時に大乗十二部経経題聞いて1000劫の極重悪業除き、また阿弥陀名号唱える50億劫生死罪業を滅除し化仏来迎受けて浄土往生し七七四十九)日を経て蓮華が開敷し、勢至観音から聞法信解して菩提心起し10小劫経て菩薩初地に入るという。 下品中生五戒八戒具足戒犯し僧祇物(そうぎぶつ)を偸盗し、不浄説法をして恥じ入ることのない者。臨終時に、まさに地獄に堕さんとした時、阿弥陀仏十力威徳光明神通五分法身(ごぶほっしん)を聞いて80億劫生死罪業を滅除し地獄火炎変じて天華となり、観音勢至説法聞き無上道心を起すという。 下品下生五逆罪十悪所作し、不善行って地獄堕すべき者。臨終時に善知識遇い、仏の微妙なる法を聞いて、仏を念じようとしても、苦しみ喘ぎ念じることができないただただ十念心から具足して阿弥陀名号唱える称名念仏)と、念々80億劫生死罪業を滅除し、金の蓮華見て往生することができ、12大劫経て蓮華が開敷し、観音勢至説法聞いて無上菩提心起すという。 また、阿弥陀仏像の印相九品往生関連づける九品印」の考え方があるが、現存する九体阿弥陀像の古例には見られないこのため古く印相違えて阿弥陀像を造立するという意識はなく、印相における形式相違重視されていなかったとの見方もある。仏像印相だけで単純に上品上生を表す」などと九品往生当てはめるのは、その仏像の表すものを見誤る危険性もあり、注意すべきである

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