五ケ瀬の荒踊とは? わかりやすく解説

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五ケ瀬の荒踊

名称: 五ケ瀬の荒踊
ふりがな ごかせのあらおどり
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 荒踊保存会
指定年月日 1987.01.08(昭和62.01.08)
都道府県(列記): 宮崎県
市区町村(列記): 西臼杵郡五ケ瀬町大字三ケ所
代表都道府県 宮崎県
備考
解説文:  五ヶ瀬荒踊は、宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字三ヶ所坂本区に城址を残す坂本城城主坂本伊賀正行天正年間創始し慶長年間に孫の坂本山城守入道休覚が守護神二上大明神現在の三ヶ所神社)に奉納する例を定めたことにより始まったものと伝えられている。また、一説には、近江国(現滋賀県坂本から伝来した踊りともいわれている。
 この踊りは、現在、大字三ヶ所坂本区の約二五〇戸の人々によって伝承されており、伝承組織堅固である。すなわち、踊りの役は、どの組の者が担当するという明確な分担があり、さらに踊り太夫などいくつかの役は世襲となっている。行列や旗の行進順序には昔ながら定めが現在も厳守されている。
 この荒踊一行は、六十余名武者姿の者を中心とした役の者が隊列組み踊り場練り込み中央据えられ太鼓取り囲んで十余曲を踊るもので、九月二十九日三ヶ所神社秋季大祭奉納された後、翌三十日に、中登神社坂本城址にて踊られ、次第全てほぼ同じである。
 二十九日の朝、坂本区長から踊り太夫踊り奉納要請があり、踊り一同公民館集合し装束などを整え羽子矢旗【はごやばた】(一本の太い竹の棒の上部に何本かの小幟旗【このぼりばた】をとりつけ、白・赤・青各色の幣を切りさげたもの)や旗幟押したてて、隊列組み神社へ向かう(隊列は、先払い先頭に、踊り太夫鷹匠長刀、弓、鉄砲、それに新発意しんぼち】、その他の各役が続きその後方に太鼓小太鼓・鐘・笛・法螺貝楽器の各役が続く)。踊り場到着すると、まず、「入端【いりは】」という入場の曲を踊る。その後コの字型張られ幔幕中に太鼓打ち手歌い手がいる)を取り囲んで踊り手一同になって踊る。これを「中踊【なかおどり】」と称し、これには、「御門のてい踊」「御所殿踊」など踊り訪れた館の門や館を讃める踊りその後に「乙婿【おとむて】踊」「孫九郎踊」「上方踊」「与弥市よねいち】踊」「大山たいさん】踊」「長者踊」「之助踊」「誓願寺念仏踊せいがんじねんぶつおどり】」「七ッ子踊」「新吾踊」など物語調の歌や念仏歌などあわせて踊り次々と踊られる。最後の「新吾踊」は退場踊り出端【では】」を兼ねている。各踊りとも新発意の「次は〇〇云々」の口上の後始められる
 踊り方は、武器を持つもの、扇を持つもの(開き扇とたたみ扇とがある)、素手拍子を打つものなど各曲ごとに手足振りも少しずつ変化がある。「入端」「出端」の踊り途中で鉄砲撃たれると、踊り方勇壮活発なものに急変して、さらに人目をひく。踊り各々三〇分ないし四〇分を要し全体で、六時間程の長時間踊りである。
 この荒踊は、規模構成大がかりであるばかりでなく、他に類例のない芸態有し地域的特色顕著な風流踊りである。



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