二次創作物にまつわる問題とは? わかりやすく解説

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二次創作物にまつわる問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 17:26 UTC 版)

同人ショップ」の記事における「二次創作物にまつわる問題」の解説

二次創作物」および「同人誌#同人誌著作権問題」も参照 現在流通している同人誌主流は、「オリジナル商業作品」の中身借りた二次創作物」と呼ばれるものが大半占めている。しかし、このような二次創作物である同人誌実際のところ著作権法上はグレーゾーン位置にあり、権利的な立場としては非常に弱い。実際のところとして、コミケット準備会が過去発した同人誌ファン活動一環であり、著作権者利益損なうものではない」というアピールの他、商業誌同人界から多く人材発掘行なってきたことなど「持ちつ持たれつ」の関係を背景に、著作権者同人界の「相互暗黙の了解」という形であえて曖昧なままにされ、同人側のモラル自制任されていた部分少なからずあったのも事実である。 二次創作物は、特に性的描写を含む成年向け同人誌として描かれる場合著作権侵害による警告訴訟提起を受けやすいなどといったリスク抱え反面一般向けとして描かれる場合極度に反社会的な描写著作権者への中傷風刺著作物丸写しでない限り、あまり問題にされることは少なかった。しかし、著作権を巡る価値観変化への対応や、ビジネス必要な著作物イメージ保護の対応が求められる現在では、著作権者二次創作物をただ野放しにすることはできなくなっている。他にも多く人気作品著作権を握るメディアミックス関連企業玩具メーカーがその企業活動のために二次創作対す判断をいつどのような形に変更してくるかなどは、企業経営方針など内部情報属す要素も絡むことで、同人サイドにとっても極めて予想難しいことであり、たとえ「今後同人誌安泰か?」と聞かれても同人イベント参加している当事者たちでさえ「判らない」としか返答できない面がある実際過去ガレージキット分野では、多く人気作品版権著作権を持つある企業が、自社イベント主催始めたのを契機に、競合する他社主催イベントでは自社子会社が絡む著作権版権利用事実上許諾しなくなった事例がある。 なお、二次創作物については、原作著作権者の黙認の上同人誌成り立っていること、黙認上述したコミケット準備会の過去アピール前提として成り立っている性質もあるため、同人ショップ通した商業流通」を「同人誌ファン活動範疇逸脱している」と著作権者判断されれば、警告販売差し止め要求摘発を受ける可能性がある。実際に商業流通載せられたものを「同人誌」と認めない著作権者もいる。 一例として、株式会社アクアプラスでは二次創作許諾する要件として「個人またはサークルによる私的頒布であること」としている。これは、「同人即売会での頒布」や「Webなどでの私的頒布」に限って許諾しており、「業者などの第三者介した一般流通同人活動とはみなさない」と定義している。 ※後にとらのあな傘下に持つユメノソラホールディングスとの業務提携機にガイドライン改訂、現在では委託販売同人ショップ等を介した商業流通に関して同人活動として認めるようになっている。 より厳し事例として、株式会社ニトロプラスでは二次創作許諾する要件として「販売数量の総累計数が200以内であること」「売上予定額が10万未満であること」などの条件設け頒布可能な数をかなり制限している。これにより、実質的に同人ショップへの委託不可能になった。 また、ミニーズクラブ (MINIES CLUB) 事件ポケモン同人誌事件など、摘発事例大半同人ショップという「商業流通」に載せられたものである過去には著作権者から著作権侵害通告販売差し止め要求受けたタイミングコミックマーケット直前数万セット単位頒布在庫抱えていた時で、その全量廃棄追い込まれ多額経済的損失出した大手同人サークル存在する。 「同人誌#著作権紛争発生事例」も参照 ファン活動一環として個人やごく小規模なサークル独力で販売のほぼ全て手掛けていた頃と異なりコミケット同人ショップを介して大部数を効率的に売り捌くシステム確立されてゆく中で、大手同人サークル職業化営利化果たし、これらが緩やかに集合する同人界自体事実上業界化を成し遂げ、かつて商業出版第一線活動していた作家も現在では少なからず同人活動職業的活動主体移行する段階にまで至った。だが、反面上記二次創作著作権者意向まつわる問題や、大手同人サークル大半コミケット参加し新刊頒布開始タイミングコミケット集中しているなど、コミケット極めて大きな依存をしていることなども含めて考えれば、単に同人ショップ側の問題だけではなく、この産業自体極めて危ういバランスの上成り立っている一面見て取れる現状でも様々な問題抱えつつも関係者尽力でどうにか開催継続されているコミケットであり、万一これが開催不能になる深刻な事態起きれば連鎖する形で最終的に同人ショップという業態自体成り立たなくなり衰亡することもあくまで起きうる可能性範囲内といえる同人誌同人ショップ世間から姿を消すなんてありえない、と楽観的なことを言えないのが実状である。 なお、ガレージキットなどの立体物楽曲二次創作同人誌とは異なり多く版元へのサンプル事前提出チェック経て許諾および売上額の数パーセント程度設定されるロイヤリティ支払い必須となる(ロイヤリティ割合および金額法的な制限無く権利者によって異なる)。

※この「二次創作物にまつわる問題」の解説は、「同人ショップ」の解説の一部です。
「二次創作物にまつわる問題」を含む「同人ショップ」の記事については、「同人ショップ」の概要を参照ください。

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