予備自衛官制度の変遷とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 予備自衛官制度の変遷の意味・解説 

予備自衛官制度の変遷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 06:07 UTC 版)

予備自衛官」の記事における「予備自衛官制度の変遷」の解説

予備自衛官1954年昭和29年)に時の防衛庁長官木村篤太郎の下、陸上自衛隊において予備自衛官制度創設され官職である。当初退職した自衛官対象として15000人の予備自衛官任用図られた。有事不足する常備自衛官員数を補うことが同制度の目的であり、平時民間にて就労する元自衛官予備自衛官とし、1任期3年必要な防衛出動招集する義務付与することが定められた。1970年昭和45年)には海上自衛隊1986年昭和61年)には航空自衛隊においても導入され今日至っている。 予備自衛官身分非常勤特別職国家公務員であり、任官者には予備自衛官手当訓練招集手当がある。予備自衛官陸海空の三自衛隊において運用仕方異なり、特に陸上自衛隊においては予備自衛官より即応予備自衛官予備自衛官補という採用区分派生している。今日では自衛官勤務一年上の勤務者で退官1年未満の者、予備自衛官補招集教育訓練満了した者を対象として採用される本項冒頭にも前述した通り予備自衛官任官された者は普段社会人として働きながら、防衛招集命令災害招集命令国民保護招集命令により招集され場合出頭したをもって自衛官となり活動する一定の練度維持するため、訓練招集命令により出頭し年間一定期間5日)の訓練を受ける。普段社会人として一般企業勤務しているため、訓練参加しやすくするために分割出頭認められているなどの措置がとられている。 しかし、予備自衛官訓練法律上20日実施が可能とされるが、本業との兼ね合いが困難となっていることから、年間5日間とされているのであり、本来予備自衛官として必要な錬度確保することは難し状況にある。そこで、1997年平成9年)には陸上自衛隊年間30日招集教育訓練応ず義務有する即応予備自衛官官職創設し常備自衛官退職者ならびに予備自衛官より選考された者を任用して、有事即応し、かつ一定の錬度有する人員の確保策が図られるようになった即応予備自衛官については当該項目参照)。このように予備自衛官は、陸上自衛隊皮切りに陸海空すべての自衛隊にて任用され、さらに陸上自衛隊では即応予備自衛官任用をはじめるなど、二重三重予備人員練成確保策を推進してきた。しかし、予備自衛官員数年々減少し退職した自衛官限定した員数獲得が困難となったこともあり、自衛隊において勤務経験のない一般国民対象として予備自衛官補採用をはじめ、2001年以降より一定の招集教育訓練修了した者を予備自衛官とする制度発足しこれまでの予備自衛官制度大きく転換改善する取り組みはじまりつつある。 特に、予備自衛官補制度新設通じて予備自衛官任用対象一般国民にまで拡げたことは、予備自衛官制度発足した1950年代比較すると、きわめて画期的なことであった自衛隊発足して間もない1955年8月に、防衛庁長官砂田重政により高等学校大学等卒業生対象10ヶ月ないし一年間自衛隊学校入校させ、予備幹部自衛官とする構想記者会見発表したが、個人的な見解部分多く政府部内でもあまり検討進められなかった。戦後間もない社会情勢の中で自衛隊対す警戒懸念強かったこともあり、頓挫し防衛庁長官更迭され事態発展したことがあった(なお、砂田罷免予備幹部自衛官制度提言のみならず地域社会郷土防衛隊なる民間防衛組織をつくり、主に地域青少年民間防衛役割を担わせる郷土防衛隊構想掲げ一連の提言世論批判懸念招き更迭となっている。現在でも曽野綾子西村真悟似た言説唱え物議を醸している)。 1990年代以降に入ると、冷戦崩壊テロリズム拡大災害大規模化北朝鮮による日本人拉致問題明らかになり、日本国民の間にも安全保障上の懸念が強まる中で自衛隊対す国民信頼期待高まってきた。このような国際情勢の中ではじまった予備自衛官補制度発足は、若年者中心に定員大きく超える応募者が募りつつあり、予備自衛官制度一翼として定着しつつある。このように今後安全保障環境の変化の中で、予備自衛官制度対す期待寄せられつつあり、予備自衛官をはじめとした予備要員適正な人員獲得能力の向上、またそのために予備自衛官制度対す国民理解を得ることが当該制度定着を図る上で課題となっている。近年では、予備自衛官新たな運用構想に基づき従来5日訓練加え予備自衛官の中から選抜された者を中央訓練参加させたり、5日間以上の訓練日程を組むことも行われている。現在では、予備自衛官情報科職種創設行い予備自衛官補(技能)出身技能公募予備自衛官のうち、語学採用のものを情報科移動可能とすることや、一般公募予備自衛官運用職域拡大等、様々な検討がされている。

※この「予備自衛官制度の変遷」の解説は、「予備自衛官」の解説の一部です。
「予備自衛官制度の変遷」を含む「予備自衛官」の記事については、「予備自衛官」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「予備自衛官制度の変遷」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

予備自衛官制度の変遷のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



予備自衛官制度の変遷のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの予備自衛官 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS