亀井秀雄
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亀井 秀雄(かめい ひでお、1937年(昭和12年)2月18日 - 2016年(平成28年)6月17日)は、日本の文学研究者・評論家。文学博士(北海道大学・論文博士・1999年)。その対象分野は、言語論・身体論・表現論・文体論・文学史(論)・評伝など多岐にわたる。北海道大学名誉教授、その後市立小樽文学館に館長として勤務し、退職。合同会社オピニオン・ランチャーを設立し、その代表社員を務めた。
- ^ 『伊藤整の世界』(講談社、1969年)の「あとがき」
- ^ 『伊藤整の世界』の「あとがき」
- ^ 中野重治著『甲乙丙丁』(講談社版)の「解説」
- ^ HP「亀井秀雄の発言」内「近代文学〈研究〉と大学 ―自伝的に―」V章
- ^ 『感性の変革』英訳本のための序文 “Author's Preface to the English Translation”(英文)
- ^ HP「亀井秀雄の発言」内「近代文学〈研究〉と大学 ―自伝的に―」VI章
- ^ HP「小樽文学館」の「過去の展示」
- ^ 北大名誉教授の亀井秀雄さん死去 前市立小樽文学館長 朝日新聞 2016年6月17日
- ^ 『官報』6829号、平成28年8月2日
- ^ 『明治文学史』の「あとがき」
- ^ 『明治文学史』p.1
- ^ 岩波書店『新日本古典文学大系 明治編』月報30 2013年(平成25年)3月
- ^ 本書が出たとき、英文学者の富山太佳夫が『毎日新聞』(1999年11月7日)の「今週の本棚」欄で、次のように評価した。「痛快な本である。れっきとした学術書にたいして痛快はないだろうと言われるかもしれないが、私のうけた印象はまさしくそういうものであった。/本自体の構想は簡単にしてかつ明快である。坪内逍遥が『小説神髄』(明治一八~一九)を全九冊の分冊形式で世に問うたとき、この明治の作家の頭の中に何があったのか、それを解きあかすというのが狙いであるから。」「(前略)今日のように小説が氾濫している時代からすると想像を絶する事態であるが、彼(逍遥)の前にはいわゆる〈小説〉なるものは存在しなかったのだ。それにもかかわらず、逍遥は小説論を書き上げてしまう。まさしく異様と言うしかない。この本が痛快な印象を残すのは、そのような異様な小説論が成立しえた経緯を、著者が正面から堂々と解明してみせたからである。」「全体的な枠組みの指摘も痛快であるが、主人公(考えてみれば、これは実に奇妙な日本語だ)、作者をめぐる、具体的な作品の読みを土台にしての考察も――何と言えばいいのだろうか、面白いという言い方は平凡すぎるが、やはり本当に面白い。/かつては作家になれない者が批評家になる、批評家にもなれない者が学者になると言われたというのだが、今ではもうこの序列は逆転しているのではないかと言いたくなるくらいだ(後略)」
- ^ マイケル・ボーダシュは2010年、The Linguistic Turn in Contemporary Japanese Literary Studies: Politics, Language, Textuality という論文集を編集し、ミシガン大学から出版した。その序文で、彼は、本書の論文の多くは、2002年4月にUCLAで開かれた、Sensibilities of Transformation: The Linguistic Turn in Contemporary Japanese Literary Criticism という国際学会で発表されたものだと説明している(17p)。この学会のテーマは明らかに Transformations of Sensibility にヒントを得ており、亀井の仕事を発展させたものと言える。The Linguistic Turn in Contemporary Japanese Literary Studies には、亀井の論文として、UCLAの講演「1970年代の哲学界における言語論」の英語訳("Theories of Language in the Field of Philosophy: Japan in the 1970"”)と、『個我の集合性――大岡昇平論―』の第3章「身体的な自我」の英語訳("The Embodied Self")の2本の論文が採録されている。また、この論文集には、ジョン・ホイットマンの "Kokugogaku versus Gengogaku: Language Process Theory and Tokieda’s Construction of Saussure Sixty Years Later" や、Richi Sakakibara の "Tactics of the Universal: 'Language' in Yoshimoto Takaki" 、Guohe Zhengの "The Politics of Canon Formation and Writing Style: A Linguistic Analysis of Kajin no Kigū" などの論文が採録されているが、それらの論の中には亀井の Transformations of Sensibility:The Phenomenology of Meiji Literature の影響が見られる。
- ^ HP「亀井秀雄の発言」 「『小説』のイデオロギー」
- ^ HP「亀井秀雄の発言」 「文学史の語り方」
- ^ HP「亀井秀雄の発言」・〈小樽文学館での発言〉のページ
- ^ 市立小樽文学館『市立小樽文学館開館30周年記念誌』2008年
- ^ 岩波書店『隔月刊 文学』2005年9月
- ^ 「小樽文学館という場所で」 日本大学出版協会『大学出版』第58号、2003年
- ^ 市立小樽文学館『韓国の文学と文化を知る 講演記録集』2003年
- ^ 立小樽文学館『伊藤整生誕100年市立小樽文学館特別記念講演会・シンポジウム全記録』2006年
- ^ HP「亀井秀雄の発言」・〈シンポジウムでの発言:欧米圏にて〉のページ
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