上下二連
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「ニッコー (散弾銃)」の記事における「上下二連」の解説
ニッコーの上下二連銃は、原則としてコイルばねを用いたボックスロック(英語版)式のものがほとんどである。銃身セレクターは安全装置と一体式で、安全位置でなければ銃身切替ができない仕様である。射撃時の撃鉄切替えは多くは古典的な振り子式(イナーシャ・トリガー)の為、収納時等で空撃ちする際はセレクターを操作するか、銃床に軽く衝撃を与えて撃鉄を切り換えなければならない。引金は金めっき仕上げのものが多く、シャドウなど上級品には滑止のチェッカリング加工が施されていた。また、オプションで前後移動式引金も選択できた。上級品は照星に象牙を用いるなど、高級な材料を数多く使用していた。 ニッコー ワールド カスタム(Nikko World Custom) - 極少数のみ製造されたというサイドロック(英語版)式上下二連銃。現存数は極僅かとみられる。 ニッコー グランデー カスタム(Nikko Grandee Custom) - ニッコーの最高級品。サイドプレート仕様。グランデーとシャドウのみ、銃身のダボが機関部の底部を貫通するように差し込まれるのが特徴で、機関部に3箇所の嵌め合い孔が開けられている事で普及品との判別が可能である。 ニッコー シャドウ(Nikko Shadow) - ニッコーのクレー射撃競技銃の高級品。M5500 - 摺動面にエンジンターン(英語版)加工が施された最上位品。「エアフロー・リブ」と呼ばれる側面に三段の白いストライプ塗装が施された13mmフローティング・セミワイドリブを銃身に備えており、機関部は黒染または窒化仕上で底面に「Shadow」のロゴ入り。グリップなどの木部には「スキップライン」柄のチェッカリングが施されており、先台には金縁の細長い放熱孔が3つ設けられているのが特徴。ハイスタンダードではスーパーマチック シャドウ インディの名称で販売されていた。 M5400 - 日本狩猟百科にモデル名のみ記載されているが、詳細は不明。なお、海外にはM5500に装備されていたエアフロー・リブとスキップライン・チェッカー、放熱孔付き先台を持たず、機関部形状も銃身ダボが機関部底部を貫通しておらず、底面にもニッコーの屋号のみが英字で打刻されているM5000系やM2000系と同じ形状の機関部を用いたモデルが、ハイスタンダードではスーパーマチック シャドウ セブンの名称で販売されており、ニッコー海外法人でも同様のモデルがニッコー シャドウの銘で販売されていた記録が残っている。 ニッコー M5000 - 主に輸出・OEM供給向けに作られたモデル。シャドウシリーズと類似した機関部形状であるが、シャドウのサブネームは与えられていない。M5300 M5200 M5100 M5000 - ニッコー・ブランドで輸出されたものはシャドウシリーズ、他社へのOEM供給品はウィンチェスター M101がベースとなっているものとみられ、同じモデル名でもエジェクター周りの構造が異なっている。 ニッコー M2000 - 主に国内向けの普及モデル。シャドウシリーズと類似した機関部形状であるが、こちらもシャドウのサブネームは与えられていない。M2500 M2400 M2300 M2200 M2100 M2000 ニッコー スペシャル M199 (Nikko Special) - 1976年モントリオールオリンピックの日本選手団の為に製作された特別モデル。テストシューターがこの銃を用い、当時の200個撃ちルールにて199点をマークした事からこのモデル名が与えられた。M5000系の無彫刻黒染機関部に、グランデーと同形状の先台とモンテカルロコム付き銃床、開閉レバーにはやはりグランデーと同じく金象眼の王冠マークがあしらわれているという、他モデルにない特徴を持っている。海外には窒化処理仕上げでエングレービングが施された仕様も現存している。 ニッコー M8300 - 製造時期・仕向地不明のクレー射撃競技銃。海外に僅かな数の現存銃が確認できるが、いずれの銃も機関部形状はM5000系であり、上下銃身を接合するサイドリブを省略して軽量化しており、銃口はウィンチェスターのウィンチョーク(交換チョーク(英語版))仕様という、クレー射撃競技銃でもかなり後年になって主流となった構造を採用している為、少なくともウィンチェスター M101にウィンチョーク仕様が追加された1981年前後からニッコー・ブランド終焉までのごく僅かな期間しか製造されなかったものとみられる。 ウィンチェスター M101 - ウィンチェスター初の上下二連。その設計にはジョン・ブローニングが設計した最後の銃であるブローニング スーパーポーズドが参考にされたともいわれる。ピジョングレード(Pigeon Grade)と呼ばれる上位モデルもラインナップされていた。ウィンチェスター M96 - 1976年に追加されたM101の廉価版。エクスパート(Xpert)のサブネームが与えられていた。 ウィンチェスター M501 - 1981年に追加された最上位モデル。グランドヨーロピアン(Grand Europian)のサブネームが与えられていた。M101シリーズはM501が追加された1981年以降は、1980年以前のモデルと先台周りの形状が変更され、後述の欧州向けモデルと外見が同一になった。 欧州向けモデル - 下記の三種類がラインナップされており、M101をベースにアメリカ人より体格が小柄なヨーロッパ人向けに銃身をはじめ各部に軽量化が施されていたとされる。ウィンチェスター M5500 ウィンチェスター M6500 ウィンチェスター M8500 ニッコー NT - ニッコー・ブランドにおけるウィンチェスター上下二連銃のバッジエンジニアリングモデル。グリップに本象牙を用いたエンドキャップがあしらわれている事が特徴。NTK NTG - ワイドベンチレーテッドリブ付き銃身、モンテカルロ・コム付き銃床、本象牙エンドキャップを装備したトラップ競技銃。 NTW NTS - NTK、NTGが黒染の機関部なのに対して、NTSはNTWと同じく窒化処理仕上げとなっていた。 ニッコー EVB (Nikko EVB) - NTシリーズと同じくウィンチェスター上下二連銃のバッジエンジニアリングモデル。NTシリーズと異なり、エンドキャップは黒色である。国内では上級品として「DX」モデルが存在。海外では12番(英語版)仕様が「M712」、20番仕様が「M720」、410番(英語版)仕様が「M741」などのモデル名が与えられており、M700という系列でありながらも他のモデルとは命名規則が異なっていた。EVBと同様の命名規則を持つモデルは下記の4種類の現存が確認できる。M800 M600 M500 - M500系列は昭和30年代初頭の販売店向けカタログにも日光号普及型二連銃の型式番号としてM512の存在が記述されており、EVB系列のモデル名はニッコーの散弾銃でも大変古い時代の命名規則であった事が窺い知れる。 M300 ニッコー グランデー(Nikko Grandee) - ウィンチェスター M101をベースに作られたとみられるサイドロック式上下二連銃。サイドプレート仕様のグランデー カスタムとは各部の形状が異なり、先台はNTシリーズ、開閉レバーには王冠の意匠は施されておらず、M5000シリーズやNTシリーズと同じく底面にダボの嵌め合い孔の無い機関部が用いられ、機関部側面に「MODEL GRANDEE」と金象嵌でモデル名が大きく打刻されているのが特徴である。米国にはミイダ・ブランドでミイダ グランデーとして販売された個体も現存している為、製造はミイダ・ブランドが展開された1970年代前半のみであったとみられる。
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上下二連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 22:43 UTC 版)
元折単身銃に銃身を縦に2本付けた物。装填・脱包の区別が付きやすい為安全性が高く、回転不良が起きずに発砲できる為、現在でもクレー射撃競技では最も一般的に使用されている銃である。最近の銃では交換チョーク式になっている銃も多い。上下の銃身は平行に並べられているのではなく、僅かに角度が付いた状態で接合されている。これにより上下の銃身から発射された弾はある程度の距離で弾道が交差する事になる。この交差するまでの距離はクロスポイントと呼ばれ、その銃の用途により多種多様に調整されるが、クロスポイントのデータを公開しているメーカーは稀である。なお、上下の銃身に角度を付けず平行に接合されている銃もあり、このような銃は平行銃身と呼ばれる。
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