ブッダ・チャリタとは? わかりやすく解説

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ブッダチャリタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 21:48 UTC 版)

ブッダチャリタ』(Buddhacarita、बुद्धचरित、仏所行讃、ぶっしょぎょうさん)とは、仏教僧である馬鳴(アシュヴァゴーシャ)の著作とされる、釈迦の生誕から入滅までを描いた仏教叙事詩

概要

釈迦の生涯に題材を採った、28編の韻文から成るサンスクリットの美文体文学(カーヴィヤkāvya)。梵語原典は前半の14編のみ現存し、後半は散逸。漢語訳版(『仏所行讃』)とチベット語訳版が全編現存しているため後半14編の内容の復元は可能であるが、梶山雄一によれば漢語訳版は梵語原文から意訳する傾向や訳者が勝手に内容を改変する傾向が見られ、チベット語訳版は恐らく梵語原文に忠実だが直訳の傾向にあって文意を掴みづらいという欠点があるという[1]。 

馬鳴はクシャーナ朝で活躍した代表的な仏教文学者だが、本作は後の時代のグプタ朝において進められることになる仏典のサンスクリット化の先駆でもある。また六神通を使う超人的存在としての釈迦像と、説話や比喩の多用で表現する仏伝というジャンルを確立・大成した作品とも評される[2]。ただし馬鳴はブッダチャリタを書くにあたり自ら釈迦の伝記や超人的逸話を創作するようなことはせず、前半は『根本説一切有部律破僧事』、後半は『大パリニッバーナ経』(『パーリ仏典』収録)を底本にしている[3]

『仏所行讃』は『ブッダチャリタ』を曇無讖が漢訳したもので、大正新脩大蔵経には第4巻本縁部No.192に収録されている。

日本語訳

脚注

  1. ^ 完訳 2019, p. 494-495.
  2. ^ ブッダチャリタ - 世界大百科事典
  3. ^ 完訳 2019, p. 500.
  4. ^ 共訳者は立川武蔵・小林信彦・御牧克己、新版は馬場紀寿解説、電子書籍も刊

参考文献

関連項目


ブッダチャリタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 23:09 UTC 版)

ナラクーバラ」の記事における「ブッダチャリタ」の解説

『ブッダチャリタ』には、釈迦族王子であるガウタマ・シッダールタ誕生は、天部におけるナラクーバラ誕生同程度慶事であった、と記されている。また、これは曇無讖によって漢訳されており、現存する漢籍では、ナラクーバラ言及した最古のものである考えられている。 繁体字: 毘沙門天王生那羅一切諸天眾皆悉大歡喜今生太子迦毘羅衛國一切諸人歡喜如是 日本語:毘沙門天王に、那羅婆が生まれて諸天衆の全てが、ことごとく歓喜した。今、王に太子生まれて迦毘羅衛国民衆全てが、同様に歓喜した

※この「ブッダチャリタ」の解説は、「ナラクーバラ」の解説の一部です。
「ブッダチャリタ」を含む「ナラクーバラ」の記事については、「ナラクーバラ」の概要を参照ください。

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