フーガハ長調とは? わかりやすく解説

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フーガハ長調

英語表記/番号出版情報
パッヘルベル:フーガ ハ長調Fuga
リムスキー=コルサコフ:フーガ ハ長調Fugue作曲年1875年  出版年1951年  初版出版地/出版社モスクワ 

バッハ:フーガ ハ長調(アルビノーニの主題による)

英語表記/番号出版情報
バッハ:フーガ ハ長調(アルビノーニ主題による)Fuge C-Dur BWV 946出版年: 1866-67年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2007年10月 執筆者: 朝山 奈津子

 主題は、『トリオ・ソナタ集』作品1(1694、ヴェネツィア)第12番終楽章よる。この曲集から主題借りたフーガ全部で3曲あり、ほぼ同時期、ヴァイマール赴任以前作曲とみられる。これら初期作品群フーガ特徴としては、主題提示明確なデザインがないこと、曲の最後にトッカータ風の走句をおいて締めくくることが挙げられる主題提示デザイン不明瞭であると、主題を各声部提示する部分自由な動機展開を行う部分エピソード)の交代明確でない、さらにいうなら、エピソード部が存在しないようなフーガになる。また、しばしば摸続進行カデンツ紋切り型冗長に感じられる。「アルビノーニ・フーガ」の最後作品であるBWV951は大幅な改訂加えてBWV951aに書き直されるが、その際終結部の走句も含めて古い常套句排除された。改訂ヴァイマール時代推測され、すなわちバッハ自身が自らの「初期フーガ意識的に決別したのがこの頃ということになる。
 BWV946は、創作史のとりわけ初期習作として書かれたようだ声部はあまり厳格に維持されず、対位法技法にも、対位主題転回などの特別な技巧見られない時に2声部減じるにも拘らず全体がどこか重厚感じられるのは、主題に対位され声部リズム旋律の上コントラスト生まないことに原因がある。そこで奏者には、ハ長調きわめて明澄アーチ主題くっきり際立たせるよう注意求められるだろう。
 また、チェンバロピアノ演奏する場合には終結部の4小節半の最低声部に、オクターヴ移高など何らかの手を加えなければならない


バッハ:フーガ ハ長調

英語表記/番号出版情報
バッハ:フーガ ハ長調Fuge C-Dur BWV 952作曲年1720?年  出版年1843年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2008年6月 執筆者: 朝山 奈津子

 伝承経路明らかでないために、近年は疑作として扱われることが多い。しかし、《平均律第2巻第1番BWV870/2、《ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帳》第31番のハ長調フーガBWV953と、構成雰囲気類似点多くJ. S. バッハ真作である可能性きわめて高いと考えられる
 全体は、3声の主題提示完結する第5小節以降2部分かれる。その中心となるのが第23小節のe-Mollの完全終止である。ここまではd-Moll、a-Mollなど短調をめぐる間句、この中間のカデンツ以降はF-DurからC-Durへと戻る長調領域である。
 前半にも明確な完全終止がたびたび現れる点では、フーガBWV953よりも《平均律第2巻第1番BWV870/2に近いが、e-Mollのカデンツ楽曲中間の終止するところは、フーガBWV953の姉妹作品あるかのように見える。いずれにせよバッハハ長調フーガのひとつの典型をみせる作品である。


バッハ:フーガ ハ長調

英語表記/番号出版情報
バッハ:フーガ ハ長調Fuge C-Dur BWV 953作曲年: 1723?年  出版年1843年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2008年6月 執筆者: 朝山 奈津子

 《ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの音楽帖》に第31曲として含まれる作品。曲集等には拾遺されず残された。全体の構成音楽雰囲気から、《平均律クラヴィーア曲集第2巻第1番BWV870/2のフーガ思わせる。この作品はあるいは《平均律》の候補作であったかも知れない
 フーガ中間の切れ目は第22-23小節にかけてのe-Moll完全終止生じる。3声の主題提示が行なわれたのちは、この完全終止中心としてほぼシンメトリック作られている。しかし、最初主題提示明確な完全終止をとらず、第7小節では通過点してやり過ごされ、第10小節では終止音をオクターヴ下げるというごく単純な手法によって終止感が得られない明確なカデンツはようやく第14-15小節のa-Mollに起こる。ここからd-Mollを通って長いe-Moll領域へと入っていく。そうして中間の完全終止訪れる。以降一転して長調向かい、G-Durを高音域で明るく響かせたのち、自然な和声進行の内にC-Durが復帰してバス主題再現して終止となる。
 登場する調はいずれ近親調範囲であり、奇をてらった転調進行現れないが、それだけ安定感明澄さを保っている。


「フーガ ハ長調」の例文・使い方・用例・文例

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