バイアラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/21 12:32 UTC 版)
「ティターンズの機動兵器」の記事における「バイアラン」の解説
メカニックデザインはヴィシャルデザインがラフを描き、藤田一己がアレンジを加えてフィニッシュワークをおこなった。 キリマンジャロ基地で10番目に開発された試作型MS。ティターンズが地球上の制空権を確固たるものとするため、ベースジャバーなどのサブフライトシステムを使用せず、当時のトレンドであった可変MS/MAのように飛行形態にも変形せず、単独かつ人型を保持したままでの飛行性能に重点を置いて開発した機体。 ガンダムTR-1[ヘイズル改]イカロスユニットのアイデアソースを元に開発され、従来の熱核ロケット・エンジンに加え、両肩に可動式の熱核ジェット・エンジンを装備することにより、これまでのMS単独による滞空時間の記録を大幅に更新するが、航続距離には問題があったとも言われる。なお、熱核ジェットをロケットに換装することで、宇宙空間での使用も可能となっており、空間戦闘においても通常のMSを上回る加速性能を誇る。 可変MS/MAの開発費や整備性を始めとする運用上の問題を解決すべく同機が開発されたが、本機自体も整備が煩雑だったという説もある。また、本機は大気圏外から降下する敵機に対する高々度迎撃機としても設計されている。 機体の軽量化と空力特性を追求しているが、それによる問題点も多く、装甲は薄く武装も少ない。この点はティターンズでも問題視され、さらなる推力向上とともに武装の強化が検討されていたとする説もある。また、脚部は事実上の着陸用ギアでしかないともいわれる。 量産はされなかったともいわれるが、複数の機体が確認されている(「劇中での活躍」を参照)。標準塗装はダーク・グレーと薄紫を基調とし、一部が赤と黄色で塗り分けられている。 武装 メガ粒子砲 両掌の中央に1門ずつ内蔵。出力4.7メガワット。飛行能力を得るため、携行武装を制限し内蔵式とされるが、腕部に装備したことによる広い射角と、高い連射性能を誇る。 ビーム・サーベル 上腕部の内側に1基ずつ収納されている。3本指のマニピュレーターで保持するため、柄の断面形状は三角形となっている。なお、本機の格闘戦能力については評価が二分している。 劇中での活躍 キリマンジャロ基地にてテスト中だった機体にジェリドが搭乗し、実質的な専用機として運用される。地球でエゥーゴ、カラバとの戦闘後ジェリドと共に宇宙に上ってアポリーの駆るリック・ディアスの撃墜、グワダンの後部エンジンや無数の対MS機雷の破壊など地上・宇宙の両面で高い戦闘力を発揮し、カミーユ・ビダン搭乗のΖガンダムとも互角に渡り合う。ジェリド機は最後まで撃墜されないが、最終決戦でジェリドがバウンド・ドックに搭乗し戦死したため、ゼダンの門空域以後の機体の行方など詳細は不明。 テレビ版48話では、ごく短時間だがパラス・アテネの護衛機として3機登場しており、ジェリド機以外にも生産されていたことが確認できる。 近藤和久の漫画版では、パプテマス・シロッコの設計かつ搭乗機として登場する。 漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』では、宇宙世紀0088年、宇宙への打ち上げ施設に移送中の本機をドナ・スター中尉が独断で出撃。推進剤もろくに充填されていない状態で、連邦幹部夫妻の乗るデッシュを襲撃するテロリストのセイバーフィッシュを殲滅する。 漫画『機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』では、ディエス・ロビンの偽名で連邦軍トリントン基地の整備兵となっていたドナが、オーストラリアの旧ティターンズ系の武装組織の本拠地「デビルズ・ネスト」に潜入して本機を強奪する。同時に連邦軍フレスベルク隊およびレイヴン隊によるデビルズ・ネスト制圧戦が進行中であり、加勢する形でガブスレイと交戦し撃破する。その後、サイコガンダムMk-IIが放り投げたルガー・ルゥのリバウを受け止めた際にパワーダウンし、落下する。
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