トラフグとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 魚類 > > トラフグの意味・解説 

とら‐ふぐ【虎河豚】

読み方:とらふぐ

フグ科海水魚全長70センチ胸びれ後方に、周囲が白い黒青色の大斑があり、卵巣肝臓に強毒がある。ふぐ料理では最高級品で冬が旬(しゅん)。ふぐ提灯にもする。北海道以南東シナ海まで分布下関地方で「まふく」、岡山広島地方で「おおふく」とよぶ。《 冬》

虎河豚の画像

虎河豚

読み方:トラフグ(torafugu)

フグ科海水魚


トラフグ

英訳・(英)同義/類義語:Puffer fish, Fugu rubripes

硬骨魚類一種で、ゲノムサイズ小さいためゲノム解読対象とされた。

トラフグ

学名Takifugu rubripes 英名:Tiger puffer
地方名ゲンカイフグ 
脊椎動物門硬骨魚綱フグ目フグ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ
著作権仲谷 一宏 生態写真はこちら

特徴
夏から冬にかけて水深200m以浅の沖合い生息する。3〜6月に湾の入り口潮流速い場所の水深20mくらいの砂底産卵する幼魚内湾砂泥底にすみ、孵化して1年たつと外海移動し、冬にはさらに沖の方へいってしまう。エビ・カニ類や小魚食べる。産地により味に差があり瀬戸内海のものが1番おいしいといわれて、フグ類の中でもっとも高価である。毒性季節個体地域によって大きく異なるが、卵巣肝臓猛毒、腸に弱毒をもっている。血液精巣、皮および肉は無毒である。

分布:室蘭以南太平洋沿岸日本海西部東シナ海黄海 大きさ:70cm
漁法:延縄一本釣り 食べ方:刺身ちり鍋唐揚げ

ヒガンフグ

学名Takifugu pardalis 英名:¡¡
地方名ナゴヤヒガン、トラフグ 
脊椎動物門硬骨魚綱フグ目フグ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
体はいぼ状の突起おおわれ小さなトゲはない。背側淡褐色黒色斑が散在する腹面白色。春の満月新月直後タイドプール砂浜で産卵する卵巣肝臓猛毒をもつ。その他に皮膚と腸は強い毒。精巣弱毒がある。素人料理は危険である。沿岸岩礁藻場生息する

分布:北海道以南日本各地黄海東シナ海 大きさ:25cm
漁法:底曳網延縄はえなわ)など 食べ方:フグ料理

虎河豚

読み方:トラフグ(torafugu)

フグ科海水魚

学名 Takifugu rubripes


虎河豚

読み方:トラフグ(torafugu)

マフグ科の海魚表皮トラのような黒い斑紋をもつ

季節

分類 動物


トラフグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 05:02 UTC 版)

トラフグ
トラフグ
Takifugu rubripes
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
: フグ科 Tetraodontidae
: トラフグ属 Takifugu
: トラフグ T. rubripes
学名
Takifugu rubripes
(Temminck & Schlegel, 1850)
和名
トラフグ虎河豚
英名
Japanese pufferfish
Torafugu
Tiger puffer

トラフグ虎河豚英語: Japanese pufferfish、学名: Takifugu rubripes)は、フグ目フグ科に属する魚類

分布・生息域

分布は、太平洋北西部、日本海西部、黄海東シナ海など[2]北海道付近が北限。200mより浅い湾内などに群れをなして生息する[2]。成長するまでは河口の汽水域にもいる。

形態・生態

砂に潜るトラフグ(下関市立しものせき水族館

成魚は体長70 cm程度になる[2]。小魚、甲殻類貝類などを食べる。3月から6月(初夏)にかけて水温が上昇すると同時に産卵する[2][3]。主な産卵場所は博多湾有明海八郎潟七尾湾若狭湾八代海関門海峡周辺など[3]稚魚は産卵場所周辺で成長し、成魚になるにつれて移動、産卵場所へ帰ってくる[3]

人との関わり

食用として取引されるフグの中では最も高級とされる[4][2]。他のフグ類同様に神経毒であるテトロドトキシンを含むため、業務として調理するには免許が必要である。特に肝臓卵巣は毒性が強い[5]。筋肉・皮膚・精巣は無毒[5]、腸は弱毒。

生まれたての幼魚は無毒だが、トラフグが好んで食べる毒貝ハナムシロガイを好んで食べると体に毒を持つようになる。

本種は養殖もされる[5][2]。近年では、毒をもたないトラフグの養殖がされるようになり、今後の動向が注目される(海のフォアグラも参照)ほか、2008年には栃木県那珂川町の株式会社夢創造が、2011年には長野県飯田市の飯田市南信濃振興公社(道の駅遠山郷を参照)が、ともに温泉水を用いた毒を持たないトラフグの養殖を成功させており「温泉トラフグ」の名称で地域活性化を行っている(有毒部位の販売はできない)。

2007年から2016年にかけてのトラフグ漁獲量は年々減少しており、2016年の漁獲量は189トンとなっている[3]

歯が鋭く咬む力がたいへん強いため、生きているフグの口に指を入れるのは非常に危険である。また、漁船の生け簀の中でフグ同士が喧嘩により傷つくのを防ぐため、捕獲したらすぐにプライヤーなどで歯を折る“歯切り”が行われる。もし噛まれれば最悪指を失うことになる。

築地市場でのトラフグ。

ゲノムプロジェクト

トラフグのゲノムにはジャンクDNA配列が非常に少なく、ゲノムサイズは 3.5 - 4 億塩基対と脊椎動物では最も小さい(ヒトゲノムは30億塩基対)が、遺伝子の数はヒトとほぼ同じであると考えられる。つまり遺伝子密度が高い生物といえる。これはゲノミクスなどでの遺伝子解析を容易にする。線虫をモデル生物として有名にしたシドニー・ブレナーは、このことに注目し、フグゲノムプロジェクトを立ち上げた。これによってトラフグは生物学において一躍有名になった。

トラフグの自然免疫システム

ゲノムプロジェクトから明らかになったトラフグの免疫システムのうち、自然免疫系で重要な働きをするTLR遺伝子が明らかとなった。ヒトは10種類のTLR分子で体内に侵入する微生物を発見するが、トラフグにもヒトとほとんど同じ種類のTLR分子を持っており、ヒトと同様のシステムでトラフグ体内に侵入する微生物を認識すると考えられている。

しかし、トラフグにはヒトには存在しないTLR分子として、TLR21やTLR22分子を持っており、ヒトよりも、より鋭敏に体内に侵入した微生物を認識できると予想されている。

脚注

  1. ^ Collette, B., Fox, W., Juan Jorda, M., Nelson, R., Pollard, D., Suzuki, N. & Teo, S. (2014). "Thunnus orientalis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1. International Union for Conservation of Nature. 2015年3月6日閲覧
  2. ^ a b c d e f 監修、執筆 井田齋 杉浦啓一 & 2019-2-6, p. 183.
  3. ^ a b c d トラフグの分布・生態について
  4. ^ 三重県|おさかな図鑑・情報:トラフグ”. 三重県. 2022年5月3日閲覧。
  5. ^ a b c トラフグ”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2022年5月3日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


「トラフグ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トラフグ」の関連用語

トラフグのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トラフグのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
長崎県水産部長崎県水産部
Copyright © Nagasaki Pref. Japan.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトラフグ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS