ゼネスト宣言とは? わかりやすく解説

ゼネスト宣言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 03:46 UTC 版)

二・一ゼネスト」の記事における「ゼネスト宣言」の解説

1947年昭和22年1月1日総理大臣吉田茂年頭の辞で挨拶した政争目的為に徒に経済危機絶叫し、ただに社会不安増進せしめ、生産阻害せんとするのみならず経済再建のために挙国一致を破らんとする如き者あるにおいては、私は我が国民の愛国心訴えて彼等行動排撃せざるを得ない。……然れども、かかる不逞の輩我が国中に多数ありとは信じない いわゆる労働組合不逞の輩発言である。 非難されたと受け取った労組一斉に反発し1月9日に全官公庁労組拡大共同闘争委員会(全官公庁共闘)がゼネラル・ストライキ実施決定1月11日に4万人皇居前広場前広場で大会開き国鉄伊井弥四郎共闘委員長が全官公庁ゼネスト実施を宣言した。1月15日には全国労働組合共同闘争委員会(全闘)が結成され1月18日には、要求受け入れ期限2月1日として、要求を容れない場合無期限ストに入る旨を政府通告した実行され場合鉄道電信電話郵便学校全て停止されることになり、吉田政権ダメージを受けることは確実であったまた、吉田進めた社会党右派取り込みは、4名入閣でまとまりかけていたが、スト計画進め左派強硬な圧力によって流産した公然と叫ばれるスト実施政情不安によって、社会不安蔓延した1月21日には天変地異予言していた神道系宗教団体璽宇教横綱双葉山入信し話題となった)が、GHQ指令によって摘発された。 ゼネストへの動きが高まる中で、占領実務担任する第8軍司令官ロバート・アイケルバーガー中将は、鉄道ストにより日本各地駐留する米軍への補給寸断相互連絡途絶発生すれば、軍事的に重大な危機陥る判断1月16日参謀長C・バイヤース少将通じGHQ経済科学局ウィリアム・マーカット少将ゼネスト阻止措置するよう要求した1月22日伊井など組合幹部がマーカット少将経済科学局労働課長エオドル・コーエンに呼び出されゼネスト許されない忠告されたが、伊井承諾しなかった。伊井マッカーサー命令と言い張る2人対し指令書提示要求したが、マッカーサーはマーカットに口頭命じたけだった米国大統領選挙出馬する予定であったマッカーサーは、本国での労組目線考え、まだこのときは、日本労組を自ら取りまろうとはしなかった。 1月29日中央労働委員会会長代理末弘厳太郎が、現行556円か1800円への平均賃金引上げ要求対し18歳最低賃金650円、平均1000円にするという調停案を出したが、共産党徳田書記長1200円を要求し、他の共闘委員同調したため、末弘も1200円で政府勧告した政府調停案を受け入れるとしながらも、当分は平均984円とする条件をつけたため、共闘受け入れ拒否して決裂した1月30日、マーカットは再び伊井呼びゼネスト中止令を出すよう命令したが、伊井組織決定として拒否しマッカーサー直接命令するべきと言い返した共闘マッカーサー動かないことに気がついていた。しかし、目論見外れた1月31日午前8時、ゼネスト強行された場合備え第8軍警戒態勢入った午後4時マッカーサーは「衰弱した現在の日本ではゼネスト公共の福祉反すものだから、これを許さない」としてゼネスト中止指令した伊井委員長GHQによって強制的に連行されNHKラジオマイク向かってスト中止放送要求された。午後9時15分伊井は、マッカーサー指令によってゼネスト中止することを涙しながら発表した。 声がかれていてよく聞こえないかもしれないが、緊急しかも重要ですからよく聞いて下さい。私はいま、マッカーサー連合国軍最高司令官の命により、ラジオをもって親愛なる全国官吏公吏教員皆様に、明日ゼネスト中止お伝えいたしますが、実に、実に断腸想い組合員諸君に語ることをご諒解願います敗戦後日本連合国から多く物的援助受けていますことは、日本労働者として感謝してます。命令では遺憾ながらやむを得ませぬ。……一歩後退二歩前進。 そして放送最後を「日本労働者および農民歳、我々は団結せねばならない」と伊井締めくくった。翌2月1日には全官公庁共闘と全闘が解散し伊井占領政策違反したとして占領目的阻害行為処罰令逮捕され懲役2年宣告された。

※この「ゼネスト宣言」の解説は、「二・一ゼネスト」の解説の一部です。
「ゼネスト宣言」を含む「二・一ゼネスト」の記事については、「二・一ゼネスト」の概要を参照ください。

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