EU
「EU」とは、欧州連合条約に基づき幅広い分野で協力を進めている政治および経済統合体のことを意味する表現。
「EU」とは・「EU」の意味
「EU(European Union)」とは、ヨーロッパの連合という意味で、加盟国数は27か国である。EUの目的は、欧州連合条約に基づいて、経済通貨同盟、共通外交・安全保障政策、警察・刑事司法協力などの幅広い分野での協力を進めることである。経済通貨同盟とは、共通の通貨「ユーロ」を導入した単一市場のことで、欧州中央銀行による統一金融政策の実施が行われている。EU加盟国は、基本的に経済通貨同盟に参加することが想定されているが、一定の経済収斂基準を満たしていない国などは、EU加盟国であってもユーロを導入していない。共通外交・安全保障政策とは、外交・安全保障について可能な限り共通政策をとり、EUとして統一的な行動をとることを目指したものである。また、EU加盟国間での軍事協力と必要な軍事能力の整備を進め、外交政策を軍事力によって裏付ける目的がある。主な活動は、人道・救援活動や、平和維持活動、平和構築のための戦闘任務、危機管理関連業務である。警察・刑事司法協力は、組織犯罪対策や、麻薬対策、難民・入国管理政策などに重点を置いている。
EU加盟国の中でも、G7に参加している、フランス・ドイツ・イタリアはEUの主要国といえる。またG7に参加しているイギリスも、2020年1月まではEUに加盟していたが、同年の1月31日をもってEUを離脱している。イギリスが離脱した理由の一つに、移民問題が挙げられる。EU内では人の移動が自由なため、比較的景気が良く働き口が多いイギリスに他国から多くの人が入ってきた。EUに加盟している限り、基本的に人の動きに制限はかけられない。そのため、国民の不満が募り、EU継続か離脱かを決める国民投票の結果、イギリスはEUを離脱することになった。
EUを離脱する国がある一方で、EUに加盟しようとしている国もある。トルコは、1952年にNATOに加盟し、欧米諸国との関係をとても重視している。EUへも2005年から加入交渉を始め、加入の意思を示している。しかし、国内で加盟に対して慎重な意見もあり、具体的な加盟の見通しはたっていない。
EUの発足には、多くのメリットがある。例えば、EUに多くのヨーロッパ諸国が加盟することで一体感が増し、ヨーロッパの平和が実現されつつある。また、多くの加盟国で、パスポートなどの確認が不要で、国から国への移動がしやすい。さらに、共通通貨のユーロが普及しているため、国を移動しても両替する必要がなく、外貨への両替にお金や労力をかけなくてよい。
その一方で、EUへの加盟にはデメリットもある。例えば、金融政策は欧州中央銀行によって統一されているため、国独自の政策が行いにくい。また、EU内で決められたことには従わなければいけないため、必ずしも自国にとって良い政策とは限らない。そして、イギリスのEU離脱の理由の一つに挙げられている移民問題だ。景気の良い国に多くの移民が入ることで、受け入れる側の国が対応しきれず社会問題となる。
日本もEUと良好なビジネス関係を築くために、「日・EUビジネス・ラウンドテーブル」を1999年に発足した。イノベーションやエネルギー、産業規格など、共通の関心事項における産業協力を促すことが目的である。
「EU」の熟語・言い回し
EU加盟国とは
EU加盟国とは、EUに加盟しているアイルランド・イタリア・エストニア・オーストリア・オランダ・キプロス・ギリシャ・クロアチア・スウェーデン・スペイン・スロバキア・スロベニア・チェコ・デンマーク・ドイツ(加盟時西ドイツ)・ハンガリー・フィンランド・フランス・ブルガリア・ベルギー・ポーランド・ポルトガル・マルタ・ラトビア・リトアニア・ルーマニア・ルクセンブルクの27か国のことである。日本はこれらの国が加盟するEUと「日EU経済連携協定(EPA)」を締結し、2019年2月1日に発効した。
イー‐ユー【EU】
読み方:いーゆー
《European Union》EC(欧州共同体)を基礎に、外交・安全保障政策の共通化と通貨統合の実現を目的とする統合体。1993年11月、マーストリヒト条約(欧州連合条約)の発効により創設。域内の多くの国では、出入国や税関の審査が廃止されており、人や物が自由に移動できる。また、単一通貨ユーロが導入されている。2012年、欧州国家間の平和と和解に貢献したとしてノーベル平和賞を受賞。本部はベルギーのブリュッセル。域内人口4億8664万(2007)。欧州連合。ヨーロッパ連合。
[補説] EC加盟国であったフランス€・西ドイツ(現ドイツ€)・イタリア€・ベルギー€・オランダ€・ルクセンブルク€・イギリス・アイルランド€・デンマーク・ギリシャ€・スペイン€・ポルトガル€に加え、1995年にオーストリア€・フィンランド€・スウェーデン、2004年にキプロス€・チェコ・エストニア€・ハンガリー・ラトビア€・リトアニア€・マルタ€・ポーランド・スロバキア€・スロベニア€、2007年にブルガリア・ルーマニア、2013年にクロアチアが順次加盟。2020年1月にイギリスが離脱し、現在は27か国(特に、ユーロを導入している国名の末尾に€を付した)。基本条約はアムステルダム条約、ニース条約、リスボン条約により改正されている。
イー‐ユー【EU】
読み方:いーゆー
.eu
.euとは、トップレベルドメインの一種で、ヨーロッパ連合(European Union)をあらわすドメイン名のことである。2005年12月7日に正式に導入された。
.euドメインは、個々の国の境界を超えたヨーロッパとしてのアイデンティティを示す役割を狙って定められたもので、企業などが広くヨーロッパ全土を対象としてアピールする目途が主に想定されている。.euは、国ごとに割り当てられているドメイン(「.de」や「.fr」など)に取って代わるものとして用意されたものではなく、国別のドメインと .euとは並存してくとされる。
.euドメインの運営や管理は、欧州委員会によって選出された非営利のレジストリが担当する。登録の受付はそれぞれ認定されたレジストラによって行われる。なお、導入開始から4ヵ月の間は、EUにおいて社名や商標名を登録している企業などからの登録を優先的に受け付ける期間とされる。その後に一般の受付が開始されるという。
参照リンク
The European Union On-Line
ドメイン: | ccTLD DNSラウンドロビン DNSSEC .eu EQUIPMENTドメイン ED.JPドメイン EDUCAUSE |
イーユーと同じ種類の言葉
- イーユーのページへのリンク