かえんほうしゃきとは? わかりやすく解説

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かえん‐ほうしゃき〔クワエンハウシヤキ〕【火炎放射器】

読み方:かえんほうしゃき

可燃性液体圧縮ガス噴射点火して敵を攻撃する兵器


【火炎放射器】(かえんほうしゃき)

水の代わりに発火した液体燃料噴射する巨大な水鉄砲噴射圧力として圧搾ガス用いる。
軍用としては装甲塹壕建物隠れ人間焼き殺したり、森林家屋焼き払う用途用いる。
焼き畑農業除雪などの作業用や、化学兵器細菌兵器汚染され物の焼却処分にも使われる

人間を殺す道具として見た場合有効射程20前後短く散弾銃小銃に対して非常に不利である。
燃料タンクは非常に重く、しかも消費効率悪く遠くまで届く事もない。
液体撒き散らすという性質のため、銃のように伏せて身を隠しながら撃った自分も炎に焼かれてしまう。
さらに、発光して音を鳴らしながら燃える炎は戦場でも非常に目立ち、敵からの反撃を非常に的確なものとする
被弾して燃料タンクに穴の一つも空こうものなら燃料撒き散らして味方ごと火達磨となる凄惨きわまりない末路待っている
基本的に戦場に炎を生じさせるための工作用具であって、これを直接人に向けるのは効率が悪い。

また、火炎放射器は残虐な上に目立つ兵器であるため、憎悪対象になりやすい。
捕虜となった場合報復として問答無用殺害される事もあったという。

一方液体燃料燃えたままあちこち飛び散る上、揮発性のため隙間通して浸透する事もある。
つまり、手榴弾並かそれ以上広範囲渡って危害加える事ができる。
揮発し燃料装甲隙間からも浸透するため、場合によっては主力戦車撃破さえ可能である。

略史

中世
7世紀頃東ローマ帝国が「ギリシャの火」「ビザンティンの火」などと称される火炎放射器を配備していた。
同時期のイスラム教圏でも製法異な同種の兵器確認されており、先に開発したのがどちらか判然としない
海戦において木造軍船焼き払う用途使われた他、攻城戦においても防衛側好んで使ったとされる
当時秘密兵器であったため燃料製法詳細な構造不明で、東ローマ帝国の滅亡と共に資料散逸した
20世紀初
1901年ドイツ人技師リヒャルト・フィードラーが火炎放射器を開発第一次世界大戦における塹壕戦投入された。
当時のものは燃料噴射中断不可能で、2分ほど連続で炎を噴射続けた後に破損する単発兵器であった
第二次世界大戦
歩兵背負タイプの火炎放射器が実用化され、各国配備された。
塹壕洞窟対す攻撃で特に大きな戦果挙げ多く兵士が煙や酸素不足によって窒息死した。
また、戦車武装として火炎放射器を搭載する火炎放射戦車」も開発されたが、これは失敗作として消えていった。
ベトナム戦争
ジャングル潜むゲリラ焙り出すために火炎放射器が活用された。
これは火炎放射器が大規模に運用され最後戦争であり、これ以降、火炎放射器は兵器として地位失っていく。
現代
焼夷ロケット弾サーモバリック弾などの後継兵器出現し軍隊の正式装備からは外された。
とはいえ、現在でも立木雑草廃棄処分品を焼却したり、積雪融かすための作業用機械として多少需要がある。


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