『山羊の歌』出版と夭折とは? わかりやすく解説

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『山羊の歌』出版と夭折

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 08:08 UTC 版)

中原中也」の記事における「『山羊の歌』出版と夭折」の解説

1934年10月孝子郷里長男・文也(ふみや)を出産11月山羊の歌』が野々上慶一の文圃堂から出版されることが決まる。装丁高村光太郎四六倍判、貼函入り背表紙は題、著者名金箔押しという美装豪華本である。12月10日、3円50銭で市販された。この後帰省、文也と対面した翌年3月まで郷里留まりランボー翻訳するが、長門峡遊んだ吐血している。 1935年3月単身上京前年出版された『山羊の歌』は好評であり、詩壇とも交流原稿依頼も来るようになった。また1月から小林秀雄が『文學界』の編集責任者となり、中也は4月以後毎号新作の詩を発表した。しかし詩だけで家族3人が生活していけるだけの収入得られず、フクは月100円上の仕送りをしていた。中也は文也を可愛がっていたが、一緒になって遊ぶというより、文也が遊んでいるのを見守るという接し方だった1936年親戚日本放送協会初代理事中原岩三郎斡旋で、協会文芸部長との面接出かける定職についてほしいというのがフク希望だったが中也にその気はなく、入社することはなかった(面接履歴書に「詩生活」とのみ記していることを問われそれ以外履歴が私にとって意味があるのですか?」と不思議そう返したという。当然不採用)。6月25日山本文庫より『ランボオ詩抄刊行生涯初め印税受け取る。11月2歳の文也の容態急変入院させる。中也は3日一睡もせず看病したが、文也は小児結核死去葬儀で中也は文也の遺体抱いて離さずフクがなんとかあきらめさせて入れた四十九日の間は毎日僧侶呼んで読経してもらい、文也の位牌の前を離れなかった。12月次男・愛雅(よしまさ)生まれた悲しみ癒えなかった。幻聴幼児退行したような言動出始めたため、孝子フク連絡フクと思郎が上京した1937年1月9日フクは中也を千葉市千葉寺町の道修山(山ではなく丘)にある中村古峡療養所入院させた(療養所は「中村古峡記念病院」として現存)。ここで森田療法作業療法を受け、2月15日帰宅騙され入院させられたと孝子言って暴れたため、またフク呼ばれた。文也を思い出させる東京離れ鎌倉町扇ヶ谷寿福寺境内にあった借家へと転居する5月、『文學界』に「愛するものが死んだ時には自殺しなけあなりません」ではじまる『春日狂想』を発表7月小林秀雄三好達治友人たちの間で第二詩集出版の話が持ち上がる。しかし中也は心身休めるため山口への帰郷考えていた。 9月左手中指痛み訴え痛風診断されている。9月15日野田書房より訳詩集ランボオ詩集』が刊行され売れ行き上々だった。23日、『在りし日の歌』の原稿清書終え翌日小林秀雄渡している。夏ごろから良くなかった体調がさらに悪化10月4日横浜安原喜弘訪ねた時は、頭痛電線2つ見え視力障害訴えた歩行困難もありステッキをついて歩いていた。5日鎌倉駅前の広場倒れ翌日鎌倉養生院(現・清川病院)に入院脳腫瘍疑われその後急性脳膜炎診断された(今日では、結核性脳膜炎とされている)。15日フクと思郎が駆けつけたときは既に意識混濁していた。明治大学教えていた小林1週間休講にして病室詰めた河上徹太郎毎日東京から病院通った22日午前0時10分、鎌倉養生院で永眠苦しことなく安らかな死だった。通夜2223日2日わたって自宅行われ24日寿福寺本堂での告別式経て逗子町小坪の誠行社で荼毘付された。葬儀からほぼ1ヶ月後、遺骨は『一つメルヘン』で歌われ吉敷川近く経塚墓地葬られた。 中也の死から約3ヶ月後の1938年1月次男愛雅が病死同年4月には『在りし日の歌』が創元社から刊行された。

※この「『山羊の歌』出版と夭折」の解説は、「中原中也」の解説の一部です。
「『山羊の歌』出版と夭折」を含む「中原中也」の記事については、「中原中也」の概要を参照ください。

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