「静岡事件」の自供とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 「静岡事件」の自供の意味・解説 

「静岡事件」の自供

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 12:02 UTC 版)

永山則夫連続射殺事件」の記事における「「静岡事件」の自供」の解説

しかし冒頭陳述朗読中の1973年昭和48年5月4日第39回公判永山は突然、起訴されていなかった余罪について自供したその内容静岡県静岡市内で起こしたとする窃盗自転車窃盗および学校・事務所での侵入窃盗)、現住建造物放火銀行員対す拳銃使用事件に関してのもので、永山は「17日ごろの深夜静岡市内の会社事務所高校事務所侵入して現金・預金通帳盗み会社事務所後述江崎グリコ静岡連絡所)へ放火した。その翌日9時ごろ、静岡駅前の三菱銀行支店盗んだ通帳使い預金引き出そうとしたところ、行員怪しまれたので3階トイレ行ったそのとき警官駆け付けたため、拳銃発射不発)して逃げた」と陳述したまた、1975年4月9日公判では「新宿喫茶店ビレッジバンガード』に勤務していた際、同僚から疑い掛けられたほか、元従業員からも『4人殺しナガさん』呼ばわりされるなど嫌がらせ受けた。その前後から新宿には警察関係者多かった。それらを総合判断すれば、警察自分見逃していたことは明らかだ」と陳述した。 この「静岡事件」について弁護人辞任前の鈴木淳二・早坂八郎中北龍太郎)は「警察当局東京京都事件発生後、両事件同一犯による事件として広域指定し名古屋事件直後ごろには永山をその犯人として特定していたが、当時大学闘争中心とした社会政治情勢緊迫化の中で全国治安体制維持をはかり、或いは少年法改悪推進する目的永山尾行し行動監視しつつこれを泳がせた。その結果静岡永山による余罪事件起きたが、警察永山逮捕しないまま放置し渋谷区での事件原宿事件発生至った。そのため、静岡事件における警察の対応刑法103条に抵触するが、その責任追及せずに原宿事件について永山のみの責任追及することは不平等日本国憲法第14条違反し、その捜査手続き憲法13条31違反であるため、原宿事件に関する公訴提起違法無効だ」と主張し原宿事件について刑事訴訟法第338条4号に基づき公訴棄却申し立てたまた、永山本人も「静岡銀行出した伝票には自分指紋多数付着していたはずだ。本事件以前にも自分何度も逮捕され指紋掌紋採取されており、京都事件現場落としたジャックナイフにも自分指紋付着していたため、警察自分犯人であることを特定できていたし自分静岡現れるろうこと予見していた。それにも拘らず警察自分指名手配せず、逮捕後も『静岡事件』を追及しなかった理由は、少年法適用年齢18歳未満引き下げる方向改正を狙う法務省自分泳がせてさらなる凶悪事件重ねさせ、少年法改正キャンペーン利用しようしたためだ。この権力犯罪指揮したのは警察庁次長後藤田正晴で、後藤田は『静岡事件隠蔽論功行賞1969年になって警察庁長官昇格した」と主張した。 この発言を受け、静岡県警察捜査一課1973年11月6日付で「捜査報告書」を作成したが、その内容は「11月18日9時ごろ、三菱銀行静岡支店静岡市御幸町8番地)へ江崎グリコ静岡連絡所(同市安東柳町10番地)から『預金通帳盗まれた』という電話があり、銀行側が警戒していたところで不審若い男預金引き出し現れた。男はいったん『(3階の)トイレ行きたいと言って3階行ったが、応対していた預金係長が行電話階下知らせようとしたところ、トイレから飛び出してきて拳銃突き付け逃げようとする途中で係長拳銃向けて引き金引いた不発終わった直後捜査2人連絡所から到着した捜査2人銀行到着したところ、係長の『泥棒』という声を聞き直後応接間から飛び出した男が拳銃のようなもの向けたのを見たため、2人追いかけたが繁華街見失った」「(永山銀行出したとされる払戻請求書からは永山指紋検出されず、筆跡対照文字少なかったため鑑定不可能だった逮捕後に静岡県警捜査員が東京拘置所永山本人接見したが、永山は『話は公判でする』と取り調べ拒否して応じなかった」というものだった結局検察官1974年昭和49年6月5日付で「静岡事件」について「遡って訴追する必要はない」として不起訴処分にしたが、弁護団はこれに反発こそしたものの、同事件の犯人取り逃がしを「権力犯罪」とはみなさなかった。永山同年9月21日に「弁護団は『静岡事件』の本質を『警官尾行して泳がせ権力犯罪』と知りながら黙認し精神鑑定申請後述)することで”妄想”として揉み消そうとした」として、第二次弁護団解任した。 東京地裁 (1979) は第一審判決で「警察官永山尾行した事実認められず、原宿事件での現行犯逮捕に至るまで犯人特定できていなかった」と認定して永山申し立て退けた

※この「「静岡事件」の自供」の解説は、「永山則夫連続射殺事件」の解説の一部です。
「「静岡事件」の自供」を含む「永山則夫連続射殺事件」の記事については、「永山則夫連続射殺事件」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「静岡事件」の自供」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「静岡事件」の自供」の関連用語

「静岡事件」の自供のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「静岡事件」の自供のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの永山則夫連続射殺事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS