「しろがね」の操る懸糸傀儡
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「からくりサーカス」の記事における「「しろがね」の操る懸糸傀儡」の解説
あるるかん〈才賀アンジェリーナ→才賀エレオノール〉 演 - 岩田栄慶(キャスタッフ)(2012年)、三枝奈都紀(2019年) 白銀によって製作された最も古い懸糸傀儡。あらゆる懸糸傀儡の原型。黒衣を纏い、頭に白い羽がついている。この人形を原型にさまざまな懸糸傀儡が作られ、人形操りの練習用として多くの複製が作られている。オリジナルはルシールがアンジェリーナをキュベロンから追放する際に彼女に授け、アンジェリーナの死後は正二が保管し、実娘のエレオノールに受け継がれている。 胴体部から歯車などを出して上体部分を高速で旋回させて相手を破壊する「コラン」(虎乱)・腕をピストン運動させ相手を貫く「炎の矢」(フレッシュ・アンフラメ)・頭部の羽根飾りのようなものを伸ばして相手の動きを封じる「羽の舞踏」(ラ・ダンス・ダン・ヴオラン)という技を持ち、右腕には「聖(セント)・ジョージの剣」という大きな刃が内蔵されている。 オリジナルの「あるるかん」の左腕は、かつてアンジェリーナが自動人形からギイを庇ったときに破壊されている。その後は破壊された左腕の代わりに「オリンピア」の折れた腕を右手で持っている。その左腕はギイによって鳴海の左腕として使用され、こちらは「聖(サン)・ジョルジュの剣」(セント・ジョージのフランス語読み)と呼ばれる大きな刃が内蔵されている。 基本的にはしろがね(エレオノール)が操るが、作中では勝が操る場面も多い。 名前はフランス語で道化師を意味する〈arlequin〉から。 オリンピア〈ギイ・クリストフ・レッシュ〉 4本の腕と2本の翼を持つ聖母のような姿をしている。指先に注射針・肘に刃物・ヒールに拍車・背中に翼と多数のギミックでトリッキーな攻撃をする。昔は人形繰りにクセがあったというギイ専用に調整がされている。明治時代に200体もの自動人形と戦っており、ギイともども「真夜中のサーカス」で知名度が高い存在となっている。 自動人形に注射針を突き刺し、疑似体液を吸いだす「聖母の抱擁」(ラ・サント・ビェルジュ・ダンブラスマン)・胴体を縦回転させ、肘の刃で相手を切り裂く「破壊輪舞曲」(ラ・ロンド・ドゥ・デストラクション)という技を持つ。また、背中の翼で空を飛ぶことができ、専用のエンジンを取り付けることで高速の空中移動が可能になる。その顔はギイの「母」のデスマスクから作られている。 ムジンニィ〈ルシール・ベルヌイユ〉 外見があるるかんに似ている。武器は左腕の「レフトハンド・ブレード」。大きなギミックはないが、技術次第でどんな局面にも対応できる。フラーヴィオによって破壊される。 スピネッティーナ〈ファティマ〉 サソリのような姿をしている。武器は尻尾から大きな針を乱射する「スピネッティーナの毒針」。 オラーツィオとの戦いで破壊される。 スレイプニイル〈エドワルド・ダール〉 両手に巨大な鎚(ミヨルニル)を持ったヴァイキングのような姿をしている。巨体で4本の足には車輪がついており、高速移動が可能。鎖の付いたミヨルニルを飛ばして相手を潰す「撃槌ミヨルニル」という技を持つ。「しろがね」と自動人形との最終戦でダールが散り、スレイプニル自身も破壊された後、その左足の1本は加藤鳴海の左足として使われている。 名前の由来は北欧神話の主神オーディンの六脚の馬、スレイプニルから。武器のミヨルニルは同じく北欧神話の雷神トールが持つ槌の名前である。 マンバ〈ティンババティ〉 大蛇の上に人が乗った姿の懸糸傀儡。上部の人形がピストン運動を利用し加速されたパンチを繰り出す「エリニュスの手」という技を使う。また、蛇の牙でティンババティ自身を突き刺して血液を吸い上げ、彼の「アクア・ウイタエ」(生命の水)の混じった血液を自動人形に注入することで疑似体液を中和し、行動不能に陥らせる捨て身の技、「毒牙の塔」という技も持つ。最終戦でティンババティが散り、マンバ自身も破壊された後、その右腕は加藤鳴海の右腕として使われている。名前の由来は、操者であるティンババティの活躍する地、アフリカのケニアに広く生息するマンバ属の毒蛇から。また「毒牙の塔」の試作品となる刀を明治時代の戦いで正二が使用している。 シュヴァルツェス・トーア〈シュヴァルツェス・トーア〉 操者と人形が同名という珍しいタイプ。西洋の鎧風の外見をしており、両肩・両脚には大型の盾を持っている。それらを前面に出して壁を作る「閉門」・更に背中に背負った円形武装「死の門(トーデス・トーア)」を開放し回転する刃で攻撃を行う「開門」の二種の技を持つ。作中ではサハラでの最終戦のみで戦う姿が見られた。名前の意味はドイツ語で「黒き門」。 アニメではダールのスレイプニイルが登場しないため、代わりにこの人形の足に車輪がついており、後に鳴海の左足となった。 ペンタゴナ・ノッカー〈スティーブ・ロッケンフィールド〉 両の手に構えたクラブで周囲をなぎ払う「ペイン・トルネード」という技を持つ。コロンビーヌとの戦いで相打ちの形で破壊されたその右足は、ロッケンフィールドとシュヴァルツェス・トーアの手によって、加藤鳴海の右足部に取り付けられた。 グリゴーリィ〈ドミートリィ・イワノフ〉 人型で顔に大きな一つ眼を持った懸糸傀儡。眼からワイヤー付きの鋏のようなものを発射し相手を捕え、そのまま相手に抱きついて両腕両足のドリルで相手を破壊する「単眼の牢」という技を持つ。名前の由来は、ドストエフスキーの著書である「カラマーゾフの兄弟」に長年仕えていた侍従。 アンジェリーナ人形〈ルシール・ベルヌイユ〉 自動人形をおびき寄せるエサとして柔らかい石を体内に宿したアンジェリーナが行方をくらましたためルシールが造らせた懸糸傀儡(実際は、ルシールが娘を重い責務から解放するために逃がした)。自動人形に20年以上も人形だと気づかれなかった。容姿は細かく作りこまれており、言葉を発することも出来る。サハラの最終決戦で再び使用され、アンジェリーナがフランシーヌ人形と瓜二つだったことと、自動人形のフランシーヌ人形への忠誠心を逆手に取って最古の四人を含む全ての自動人形を一言で屈服させ、身動きを封じた。最後はパンタローネとアルレッキーノによって破壊された。 正二人形〈才賀正二〉 正二が貞義の戦いにおいて身代わりとして使用。アンジェリーナ人形と同じく言葉を発することもでき、内部も血液を初め有機的な細工がされている。1997年の正二と貞義との戦いで、貞義の繰る「ゴイエレメス」によって頭部を破壊されたことで、死を偽装した正二は難を逃れた。
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