「しろ」の語源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 11:01 UTC 版)
漢字の「城」は、現在は音読みで「じょう」また「せい」、訓読みで「しろ」と読む。また、日本語の古語として「き」という訓読みがある。「しろ」と訓じられるようになった時期を、『角川古語大辞典』では中世後期としている。 古代から中世初期までは、「城」のほかに「柵」という字も用い、ともに「き」と呼ばれた。飛鳥時代から奈良時代にかけての城、たとえば大宰府近くにあった「大野城」は「おおののき」であり、山形県の「出羽柵」は「いではのき」であった(→城 (き))。やがて、山に城を造って領国を守る時代が訪れ、中世後期には「城」は「しろ」と読まれた。文明6年(1474年)の文明本『節用集』には、「城」に「シロ」の訓がある。 「しろ」の語源・発生時期には諸説ある。『大言海』および『角川古語大辞典』は、「山城国」に由来するという説を採用している。 「山城国」から喜田貞吉は、「やまうしろ」と読まれていた山背の国(現在の京都府南部)が平安時代初期の延暦13年(794年)11月15日に山城国に改名されると、「やまうしろ」が転訛(てんか)して「山城」を「やましろ」と読むようになり、そのうちに単独の漢字「城」に「しろ」という訓を当てるようになったと論じている。 城戸久著『城と民家』に紹介されている説を抜粋する。 外観が「白い」から。城郭建築の外観が白漆喰塗りで白いから「しろ」と読むようになったという説。江戸時代末期に刊行された谷川士清『和訓栞』(わくんのしおり)にある説。 ドイツ語から。ドイツでは城を意味する言葉に「シュロス (Schloss)」があり、それが日本に渡来して「城」を「しろ」と訓読みするようになったという説。
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