《教えて下さい》の敬語
/h3>人に何かを教えてほしい時に使う「教えて下さい」という言い回しは、敬語として間違った表現ではありません。しかし、「教えて下さい」をそのまま使うと、ストレートすぎる強い言い方として捉えられたり、ぶっきらぼうな印象を与えてしまうことがあります。そのため、目上の人に対して「教えて下さい」と言いたい時には、教えてもらうことへの謝意がきちんと伝わる別の敬語表現に置き換えることが必要です。
br />
br />例えば、「教えて下さい」に接頭辞の「お」を付けて「お教え下さい」としたり、「下さい」を「願います」に変えて「お教え願います」とするだけでも、相手への敬意がより強く伝わります。また、「教えて下さいますか」「教えて下さいませんか」など、語尾を疑問形に変えると、相手に判断を委ねるやわらかい表現となり、とても好印象です。さらに、謙譲語の「いただく」を組み合わせて「教えていただけませんか」とすると、自分自身をへりくだる意味合いが加わり、お手数をかけて申し訳ないという謙虚な姿勢を示すこともできるでしょう。
h3>「教えて下さい」の敬語の最上級の表現
/h3>「教えて下さい」の敬語には、「教える」を他の類語に置き換える「ご教示下さい」「ご教授下さい」という言い回しがあります。いずれも、かしこまった場面やビジネスシーンにも相応しい最上級の表現です。「ご教示下さい」の「教示」は教え示すことを意味する言葉で、知識や解決方法などをその場で教えてもらいたい時に使います。一方、「ご教授下さい」の「教授」は、教え授けることを意味する言葉で、専門的な学問や技術など継続的に教えてほしい時に最適な表現です。
br />
br />また、「教えて下さい」の最上級の敬語表現には、「ご指導ご鞭撻」を使った言い回しもあります。「ご指導ご鞭撻のほどお願い申しあげます」といったフレーズで用いるのが一般的で、教えを乞うこと以外に、今後も良好な関係を保ちたいという意味合いも含まれています。ビジネスシーンのほか、式典の挨拶や謝辞などフォーマルな場で使われることが多く、最大限の敬意を払うことができる格調高い表現です。
h3>「教えて下さい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
/h3>「ご都合のよい日程がございましたら、是非お教え下さい」
「最新の出荷状況についてお教え下さいますと、大変助かります」
「今後の業務の流れについて、お教えいただければ幸いです」
「お気づきの点がございましたらご教示下さい」
「差し支えない範囲で、いくつかご教示いただきたく存じます」
「こちらの分野について学んでいきたいと思っておりますので、是非ともご教授下さい」
「本日は誠にありがとうございました。次回からも、ひき続きご教授願います」
「どうぞこれからも、皆さまの暖かいご指導ご鞭撻のほどお願い申しあげます」
「何卒、ご指導ご鞭撻くださいますよう、よろしくお願い申しあげます」
h3>「教えて下さい」を上司に伝える際の敬語表現
/h3>上司に対して「教えて下さい」と伝える際の敬語表現は、社内の雰囲気や上司との関係性によっても異なります。ただし、どんなにラフで親しみやすい人柄の上司であっても、ビジネスの場においては「教えて下さい」をそのまま使うことは避けましょう。普段から、比較的カジュアルなやりとりができる上司であれば、「お教え下さい」「教えて下さいますか」といった通常の敬語表現でも十分に敬意が伝わります。逆に、堅苦しくなりすぎないように、会話の流れに合わせた違和感のない敬語表現を選ぶようにすると、上司との良好な関係を続けることにもつながります。
br />
br />一方、会社の中でも高い役職に就いている上司や、年齢が離れている上司の場合には、しっかりと相手を立てることができる表現を選ぶと安心です。「ご教示下さい」「ご教授いただけますか」などの最上級の敬語表現に置き換えて、失礼のないやりとりを心掛けましょう。
h3>「教えて下さい」の敬語での誤用表現・注意事項
/h3>「教えて下さい」を敬語表現に置き換える時に注意したいのは、丁寧な言い回しに気を取られすぎて、敬語を使いすぎてしまうことです。例えば、「教えていただけますでしょうか」「教えてくださいませんでしょうか」などの言い回しは、丁寧語の「ます」と丁寧語の「です」が二重に組み合わさった二重敬語となり、文法的には間違っています。実際には気にならないという人も多く、判断が分かれますが、念のためビジネスシーンでは使わないようにするのが無難です。どうしても長く丁寧な表現で伝えたい時には、「教えて下さいますようお願い申しあげます」「教えていただくことはできますか」など、正しい文法で敬語を用いるようにしましょう。
h3>「教えて下さい」の敬語での言い換え表現
/h3>お教え下さい
お教え下さいませ
教えて下さいますか
教えて下さいませんか
お教え下さいますか
お教え下さいませんか
教えて下さいますようお願い申しあげます
お教え願います
お教え願えますか
教えていただきたいです
教えていただくことはできますか
教えていただくことは可能でしょうか
教えていただいてもよろしいでしょうか
是非教えていただければと思っております
お教えいただきたく存じます
お教えいただければ幸いです。
教えていただければ幸いに存じます
ご教示下さい
ご教示くださいませ
ご教示願います
ご教示願えませんでしょうか
ご教示いただけますと幸いです
ご教授下さい
ご教授下さいませ
ご教授願います
ご教授願えませんでしょうか
ご指導ください
ご指導くださいませ
ご指導いただけませんか
ご指導願えませんでしょうか
ご指導いただければ大変ありがたいです
ご指導ご鞭撻くださいますようお願い申しあげます
ご指導ご鞭撻賜りますようお願い申しあげます
《教えて下さい》の敬語
「教えて下さい」の敬語
「教えて下さい」は、相手に教えを請いたいときなどに使う慣用的な表現です。そして「~してほしい」という依頼の気持ちがこもった補助動詞「下さい」そのものが、動作の対象となる人への敬意を示している言葉ですので、「教えて下さい」はこのままで敬語表現として成立しているといえます。このほかに、尊敬語の一般形「お…くださる」を使って「お教えください」と言い換えれば、相手に対する敬意がより鮮明になるといえるでしょう。「くださる」は「与える」の尊敬語で、「ください」はその命令形。「お知らせください」「お使いください」など、「お…ください」は相手を敬った依頼表現としてよく使われる言い回しです。「教えて下さい」の敬語での誤用表現・注意事項
「教えて下さい」はこれ自体で敬語表現だということができますが、いくつか注意するべき点があります。その一つが表記です。「ください」を漢字で表記する場合の「下さい」は、「くれ」という意味を丁寧に表現するときに使うのが一般的です。「水を下さい」「食べ物を下さい」などの使い方です。「教えてください」のように、「ください」を「教える」の補助動詞として使うような場合は、基本的にひらがなで表記します。「ご覧ください」「ご指導ください」などもその例として挙げることができます。また、「お…ください」という尊敬表現を使用した場合、接頭語「お・ご」などの敬語に加えて「してください」と表現するのは適切ではありません。「お教えください」を「お教えしてください」などとすれば誤用になりますので注意が必要です。「教えて下さい」の敬語での言い換え表現
「教えて下さい」という敬語表現を言い換えるとすれば「ご教示ください」「ご教授ください」「ご指導ください」などが適切です。日常的に交わされる会話の中であればともかく、ビジネスシーンなどあらたまった場所で「教える」という動詞を使うと、それが動作を直接的に表し過ぎる言葉に捉えられ、時と場合によっては稚拙な印象を与えてしまうことがあります。ここは「教える」を言い換えたうえで、段取りや手順といった実務的な情報を教えてもらいたいときにふさわしい「ご教示ください」、その分野のプロフェッショナルに対して教えを乞いたい場合の「ご教授ください」などと使うのがよいでしょう。また、「ご指導ください」という言い方は、日常的なアドバイスなどを求めるときに比較的よく使われます。特に何かを教えてもらいたいということではなく、敬意を示す言葉として人間関係を円滑にする効果のある言い回しなので、適宜使い分けるのがよいでしょう。- 《教えて下さい》の敬語のページへのリンク