《教えて欲しい》の敬語
「教えて欲しい」の敬語表現
「教えて欲しい」の敬語表現は、謙譲語を使った「教えていただきたいです」が一般的です。あるいは、「教えていただけませんか」と疑問形にすることで、相手の判断をあおぐ状態にもできます。つまり、一方的に要求をしているニュアンスがなくなるので、より丁寧な敬語表現となるでしょう。「教えて欲しい」の敬語の最上級の表現
「教えて欲しい」の敬語の最上級は「ご教示いただけませんか」です。あるいは、「どうかご教示いただけませんか」と、嘆願の意味を強調する方法もあります。日本語では日常的に使わない単語を使うことで、特別な敬意を示せます。すなわち、「教える」を「教示」という改まった言葉に置き換えて、強い敬意を表しているのです。「教えて欲しい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「教えて欲しい」はビジネスシーンにおいて、取引先や顧客に使う機会が多いフレーズだといえます。以下、敬語表現を用いたビジネスメールや手紙の例文です。「私どもでお力になれることはございませんか。どうか教えていただきたいです」
「排水管の工事に関して、我々は豊富な経験を誇ってきました。お困りになられているなら、詳しく教えていただけないでしょうか」
「突然ではございますが、教えていただきたいです。御社の生産管理システムはどこのメーカーでしょうか。現在、ご満足されていますか」
「工場との連携がうまくいっていないとお聞きしました。弊社にできることがあるかもしれません。内密にしますので、私に教えていただけないでしょうか」
「じっくりデモを見ていただければと思います。もしよろしければ、ご都合を教えていただきたいです」
「失礼ながら、弊社ではそのようなクレームが過去に一度もございませんでした。よろしければ、詳しい問題点を教えていただけないでしょうか」
「今なら見積をご提出することも可能です。ご希望の納期を教えていただきたいです」
「弊社はお客様のお力になれると自負しております。お時間があるときにご要望を教えていただけないでしょうか」
「教えて欲しい」を上司に伝える際の敬語表現
一般的に、上司に「教えて欲しい」という意思を示すときは「教えていただけないでしょうか」と疑問形にします。なぜなら、立場が下の人間から「教えていただきたいです」と断言するのは、一方的な印象を与えかねないからです。目上の人に敬意を示すには、相手の判断を尊重することが大切です。上司が「ああ」「いや」で答えられるように、疑問形で判断をあおぎましょう。役職が離れている上司なら、「ご教示いただけないでしょうか」と最上級にするのもひとつの方法です。「教えて欲しい」の敬語での誤用表現・注意事項
「教えていただけないでしょうか」に似た表現では、「教えて下さい」が挙げられます。「教えて下さい」も敬語表現であり、使い方が間違っているわけではありません。ただし、目上の相手に対する言葉遣いとしては適切でない場合もあります。なぜなら、「教えて下さい」は相手に要求を伝えるための言い回しだからです。要求には「してもらわなければ困る」「ぜひともしてほしい」といった、強い意思が込められています。すなわち、上司や取引先、顧客とのやりとりには相応しくありません。目上の人にはニュアンスがよりやわらかい、「教えていただけないでしょうか」にするほうが妥当です。次に、「教えていただきたいです」の形で使用するときは、その後に判断をあおぐフレーズも付け足しましょう。「いかがでしょうか」「大丈夫ですか」などのフレーズがあると、より丁寧な日本語になります。疑問形で終わらすべき理由は、会話や文章を一方的に終わらせないためです。「教えていただきたいです」のままで終わっていると、相手の考えを無視して自らの願望だけ押しつけているように見えかねません。相手が目上の人なら特に、質問を投げかける形でやりとりしましょう。
そして、「クッション言葉」も重要です。少しでも強引な印象をやわらげるには、「教えていただきたいです」や「教えていただけないでしょうか」の前にクッション言葉を用いましょう。「お手数ですが」「お時間がございましたら」などのクッション言葉が比較的よく使われています。「お手数ですが、教えていただけないでしょうか」といった流れなら、言われた人も不快に思いにくいでしょう。
「教えて欲しい」の敬語での言い換え表現
「教えていただきたいです」と言い換え可能な表現に「ご指導いただきたいです」「ご教授いただきたいです」などがあります。これらの言い回しは敬語の最上級に近く、ビジネスシーンでも使われてきました。主に部下や後輩が、上司や先輩に何かを教えてもらいたいときに用いるフレーズです。さらに、「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」といった定型文もビジネスシーンではよく知られています。その意味は「いろいろと教えたり、厳しく指導したりしてください」で、「教えていただきたいです」によく似ています。ただし、「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」は自己紹介や挨拶の際に用いるフレーズのひとつです。汎用性の高い「教えていただきたいです」とは使い分けるようにしましょう。
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