《教えて頂く》の敬語
「教えて頂く」の敬語表現
「教えて頂く」を丁寧な敬語にする場合、「教えていただきます」という表現が望ましいです。丁寧さを意味する助詞「ます」と組み合わせる形です。「教えて頂く」は、「頂く」の部分が謙譲語で、強い敬意を示せる表現です。そのため、丁寧な形にするだけで、目上の人に対して使用しても問題ない表現となります。ただ、「頂く」は、「してもらう」という意味合いで使用し、他の動詞の後に続く場合、ひらがなで「いただく」と表記することが望ましいです。また、接頭語「お」を使用して、「お教えいただきます」という形にすると、より丁寧な表現となります。「教えて頂く」の敬語の最上級の表現
「教えて頂く」を最上級の敬語表現にする場合、何らかの熟語を使用することが望ましいです。「教えて頂く」という意味合いで使用できる熟語は、「教授」と「教示」、「指導」と「指南」の4つが代表的です。いずれも最上級の敬語表現では、接頭語「ご」を付けて、丁寧な形にしましょう。そして、「ご教授賜ります」「ご教示賜ります」といった形にすれば、最上級の敬語表現になります。「賜る」は、「いただく」と同じ意味の謙譲語ですが、「いただく」よりもかしこまった表現に使用することが多いです。そのため、最上級の敬語表現では、「いただきます」ではなく「賜ります」を使用しましょう。使用する熟語はそれぞれ、具体的な意味が異なります。「教授」は、専門家から長い期間をかけて教えてもらうという意味です。「教示」は、教授ほど期間は長くなく、教えてもらう内容もそれほど重要ではない場合に使用できます。そして、「指導」は文字通り、教えによって導いてもらうという意味です。「指南」は、主に武芸を教えてもらうという意味で使用します。それぞれの熟語の意味を把握し、状況に最適なものを使用すれば、最上級の敬語として問題のない表現にできます。また、「教える」には、教育や指導などの他に、ただ伝えるという意味もあります。その意味で使用する場合は、熟語は使わずに、「お教えいただきます」を使用すると良いでしょう。
「教えて頂く」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「教えて頂く」の丁寧な表現である「教えていただきます」を、ビジネスメールや手紙で使用する場合、「例のシステムの使い方は、来週教えていただきます」「こちらの連絡先は、担当者の方から教えていただきました」といった使い方となります。「お教えいただきます」を使用するのであれば、「暗証番号は、手続き当日に直接お教えいただきます」のような形です。熟語を使用してかしこまった表現にする場合は、「先日は専門機関まで赴き、特定の分野についてご教示賜りました」「来週は研修で、講師の方からご指導賜ります」というようにすると良いでしょう。「教えて頂く」を上司に伝える際の敬語表現
「教えて頂く」の丁寧な敬語表現を、身近な上司に対して使用する場合、「教えていただきます」で問題はありません。謙譲語が入っている上に、丁寧な形にしてあるため、失礼な印象は与えないでしょう。そして、ある程度立場が離れている上司に対しては、より丁寧な「お教えいただきます」を使用すると良いです。「ご教授賜ります」や「ご教示賜ります」といった、熟語を使用した表現は、日常的な上司への敬語としてはあまり使用しません。かしこまりすぎだという印象を与えてしまう恐れがあるからです。熟語を用いた表現は、立場が大きく離れている上司に対して使用すると良いでしょう。ただ、口頭ではなくメールや手紙の場合は、熟語を使用しても堅苦しい印象を与えにくいです。そのため、身近な上司に対しても積極的に熟語での表現を使うと良いです。また、「教えて頂きたい」という意味合いであれば、「ご教示いただけますか」「ご指導いただけますでしょうか」という風に、熟語でも特に違和感なく使用できます。
「教えて頂く」の敬語での誤用表現・注意事項
「教えて頂く」の丁寧な敬語表現には、「教えていただきます」と、より丁寧な「お教えいただきます」がありますが、それらを混同してはいけません。してしまう可能性が高いのは、接頭語「お」の付け間違いです。「お教えていただきます」という表現は誤りです。接頭語「お」は、あくまでも名詞に付きますが、「教えていただきます」の「教えて」は動詞なので、「お」が付くとおかしな表現になってしまいます。また、「お教えいただきます」は、「お」を省略して「教えいただきます」とするのは、敬語として不自然です。「教えていただきます」「お教えいただきます」は、意味は同じであっても、それぞれ別の表現だと捉えておきましょう。そして、熟語を使用した最上級の敬語表現では、状況に合っていない熟語を選ばないことが大切です。本来「教授」や「指導」などの言葉が合っている、しっかりと教えてもらうことを表現する場合に、「教示」を使用すると、相手の教えを過小評価することになりかねません。また、「指南」は、他の熟語と比べて、使用できる範囲が非常に狭いです。そのため、基本は「教授」あるいは「指導」を使用した方が無難でしょう。
「教えて頂く」の敬語での言い換え表現
「教えて頂く」の敬語表現には、「ご鞭撻賜ります」というものもあります。「鞭撻」は、激励という意味合いが強い言葉ですが、「教える」という意味も含まれています。そのため、叱咤激励を伴いながら教えてもらうことを表現する場合は、「ご鞭撻賜ります」を使用すると良いでしょう。また、「指導」と組み合わせて、「ご指導ご鞭撻賜ります」という表現にすることも非常に多いです。大勢の前で挨拶をしたり、かしこまった手紙を書いたりする際に用いられる表現です。「指導」と「鞭撻」という2つの言葉が使用されることによって、教えること全般を指す形となっています。- 《教えて頂く》の敬語のページへのリンク